シカゴ筋ポジションの確認(6/20時点)
(6月20日) (6月13日) (増減)
カナダドル ▲82881 ▲88595 +5714
スイスフラン ▲2982 ▲14460 +11478
ポンド ▲37604 ▲39441 +1837
円 ▲49959 ▲50553 +594
ユーロ 44852 79053 ▲34201
NZドル 21455 1595 +19860
豪ドル 15033 ▲1511 +16544
全体に増減はプラスが多く、ドル安方向に見えるものの、肝心のユーロはロングが減ってマイナスで打ち消し。
ドルインデックスは低位で気迷い気味の様子です。
トランプ効果が全て消えたとするなら、もっと下がっても良いのかもしれませんが、FRBの利上げは粛々と続いていますし、政策期待が完全消滅した訳でもないので昨年レベルまでには戻らない、といったところでしょうか。
CMEの金利先物市場では、今年12月の金利が1.24%と、現状の1.16%よりも0.08%だけ高く取引されており、9月利上げ確率が13%、年内に1回以上利上げされる確率は37%と表示されています。
逆に言うと63%が、年内の政策金利は現状維持予想です。
株式市場では、いわゆるFANG銘柄中心に、高PERのIT関連に一時動揺売りが見られましたが、その後は立ち直りを感じさせる動きです。
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有名なシラーPEです。
ITバブル並の大相場になるか、大恐慌並の恐怖相場になるか、どっちにしますか、という大変恐いことになっています。
バブル相場には人々をその気にさせる夢の(大嘘?)ストーリーが必要ですが、今の相場にそこまでの大きなストーリーは内在していない気がするので、どちらかしか無いのであれば、下げを警戒する必要がありそうです。
相場は全体に中長期トレンドが見出しにくく、特に日本株は下げたところを日銀が買うだけなので距離を置きたい、という投資家の気持ちは理解できます。
ビットコインに関しては、8月1日Xデーに向けて流動的な状態です。
そもそもスケーラビリティ問題とは、ブロック1M(メガ)にデータが入りきらないので、データを圧縮するか、容量を大きくするか、どっちかです。
一般ユーザーから広く支持されていると思われるSegwit(Segregated Witness、隔離署名)は、入りきらない一部の書類は貸倉庫に送ってスペースを空けましょう、みたいな解決方法。
全面的建て替えではなく、リフォームと言うことで、ソフトフォーク。
しかしながら、マイナー(採掘者)の多くは箱自体を2倍に大きくする抜本的な変更案(ハードフォーク)を主張。
サイズは大きい方が新規参入が難しく、効率的に計算できる既存特許も活かせる、みたいな背景があるようです。
そのため、マイナーによるSegwitへの支持が集まらず、前に進めない状況を何とか打破しようというのが、UASF(User Activated Soft Folk)。
こちらは市民革命みたいなもので、8月1日以降はSegwitシグナルを発していないビットコインを拒否することで、富裕層であるマイナーたちにSegwit採用を迫ろうとしました。
マイナーたちも、ユーザーたちと決定的に対立してビットコイン自体の価値が下げっては損なので、策を練りました。
Segwitは受け入れる、かつブロックサイズ拡大もやりたい、という欲張り案を提案し、中国系マイナーのほとんどがこれを支持しているため、現状は3つのグループに整理されます。
(出典:http://doublehash.me/segwit-deployment/)
真ん中のSegwit2xグループは、将来の2Mサイズアップを担保するため、7月中にコードを埋め込みたいようなことを言っていますが、そもそもソフトが完成しておらず、性急な変更には旧来の中心開発者であるビットコインコアも賛同していません。
中国系マイナーとしては、このままUASFが成功しては面子にも関わるので何とか主導権を維持したいでしょうが、彼らの結束は部分最適になりがちで面白くないと考える他のステイクホルダーとの溝は常に存在します。
ビットコインの価値自体は誰も損ねたくはないという共通点が、対立を上手く乗り越えて全体最適のソリューションを追求していけるのか。
それとも、中国系マイナーに牛耳られたビットコインの欠陥(?)が、いよいよ顕在化してしまうのか。
中央集権的でないビットコイン、その合意形成の妥当性が問われる状況かと思われます。
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