シカゴ筋ポジションの確認(9/19時点)
(9月19日) (9月12日) (増減)
カナダドル 58846 50499 +8347
スイスフラン ▲1569 ▲1314 ▲255
ポンド ▲10161 ▲46085 +35924
円 ▲51322 ▲57297 +5975
ユーロ 62753 86058 ▲23305
NZドル 6670 12350 ▲5680
豪ドル 72512 63033 +9479
利上げ観測が台頭したポンドは、ショートポジションの大半が巻き戻し。(ドル安方向)
一方ユーロはロングが減少。(ドル高方向)
ではドルは全体として下げ止まったのかどうか。
ドルインデックス(1ヶ月)です。
先週よりは少しだけ上昇したものの、アップトレンドになっているようには見えません。
今週の注目点はFOMCでした。
インフレ率の低迷やハリケーンの影響などから、ソフトな内容を予想する向きも多かったようですが、イエレン議長は資産圧縮と利上げ継続を表明。
CME金利先物市場では、年内利上げ確率が、先週の52%→71%にジャンプ。
ドル円は111円前半→112円後半までドル高になりましたが、地政学リスクも意識されて、111円98銭近辺まで押し戻されて終わっています。
FOMC効果によるドル高という小さな波は、ドル安という大きな波に飲み込まれてしまったように見えました。
米国長期金利。
FOMCを受けて、一時2.28%まで上昇したものの、最後は2.25%に低下。
なかなか上がりきれない長期金利の一方で、FRBが短期金利を継続的に上げていくとすれば、長短金利差は縮小します。
下図は、米国の10年金利と2年金利の差です。
債券市場が示す強気度は昨年夏と同じ程度ですが、株価の方は、この1年で15%(SP500)も上昇。
この差はどこから来るのか、上手い説明はありません。
バフェット指数(時価総額÷GDP)は、現在135%。
ITバブルピーク時の148%よりは低いということが気休めになるのかどうか。
WSJによる予想PERは、DOWが19倍、NASDAQ100が21倍という高水準になっています。
暗号通貨市場では、取引所の全面禁止というチャイナショックはひとまず吸収したものの、中国当局は取引所代表者を出国禁止措置にするなど、どこまで規制の手が伸びるのか、不安定な状態です。
そもそも取引所は全て禁止しておいて、マイニングは許すという状態が、今後も続くのかどうかも分かりません。
ビットコインの世界における中国寡占が是正されるのは長期的には朗報という見方はあるものの、より本質的な懸念は、ビットコインと国家との対立が本格的に意識され始めてきたということかと思われます。
そもそも通貨発行権は国家が独占するのが当然という立場から見れば、大きくなっていく暗号通貨の存在は目障りでしかなく、ジェイミー・ダイモンの「詐欺」「バブル」発言は、こうした認識の延長線上にあります。
一方で、暗号通貨の台頭は既存の金融システムの改革を促す存在でもあり、徒に暗号通貨を規制することで自国の金融システムの競争力が失われていくとすれば、それは国家にとっても損失です。
マレーシアでは、ビットコインを合法化するとの報道もあります。
暗号通貨は国家の敵か、上手く付き合うべき味方なのか。
ビットコインが上手く生き延びるとすれば、国家と共存できる存在であることが重要で、それは大きくなり過ぎないということと同義でしょう。
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