« シカゴ筋ポジションの確認(11/14時点) | Main | 今週の相場(11/24時点) »

November 23, 2017

東芝株はいくらが妥当か

先週末に東芝が公式発表した、約5800億円(手取りベース)の第三者割当増資。

これによって、メモリー事業の売却無しでも、2018/3時点での債務超過が回避される見通しとなりました。

東芝の債務超過見込み額は7500億円。
5800億円の増資に加えて、当該資金による債務保証の支払いによる税効果2400億円により、700億円程度の期末自己資本残高が見込まれているようです。

新規発行株数は約23億株で、これは既存の約42億株の54%にあたり、希薄化率は35%にもなります。
発行価格は262.8円で、これは直前市場価格292円の10%オフです。

いくら上場回避というプラス面があっても、株数が5割増しになれば株式価値は下がると考えるのが自然だと思いましたが、月曜日の株価は17円(6%)下がって275円でした。

しかし翌日の日経は、『東芝に「物言う株主」続々 「株価は割安」の見方』との記事。

要点は、

増資発表前の東芝の時価総額は1兆2373億円。これに増資と純利益増(計8400億円)が加われば、理論的な時価総額は2兆700億円に膨らむ。株式数は増資前から54%増えるが、時価総額を株数で割った理論株価は319円(20日終値は275円)となる。

株価は翌2日間、290円、303円と反発して直前の292円を上回り、既存株主にとっても一安心となっています。

東芝の稼ぐ力はどの程度あるのでしょうか。

2017/9決算の営業利益は、エネルギー部門▲40億円、インフラ27億円、リテール113億円、デバイス2358億円、インダストリアル▲19億円で、トータル2318億円。

売却されるメモリー事業2000億円を引くと、300億円の営業利益しか残りません。

東芝の見通しによれば、通期の営業利益は4300億円ですが、ここからメモリー事業の4000億円(推定)を除くと300億円。
一時的と思われる構造改革費用600億円を考慮しても900億円。

当期利益を6割の540億円とすると、増資後のEPSは約8円なので、PER15倍で株価は120円です。

なお、メモリー事業を除いても、売上は年間3兆5000億円程度あると思われるので、これが5%程度の営業利益を生むなら、EPSは18円程度まで想定できると思いますが、同じくPER15倍で270円です。

メモリー事業が2兆円で売れると、自己資本はどうなるのか。

メモリー事業売却による自己資本増加額は、東芝の資料で7400億円とされています。
さきほどの700億円と合わせて自己資本が8100億円だとすると、新BPSは125円。
日立のPBR1.3倍並みに評価したとして163円、2倍でも250円です。

ちなみに、時折り報道されているLNG事業の潜在的な損失額は9325億円存在しますが、東芝側はこれを、「20年間にわたってガス液化サービスの委託を一切行えなかった場合に発生する損失額であり、販売先の確保により減少する」と説明しています。

今回、大きなリスクを取って263円で買った人たちは、どの程度の目標株価を設定しているのか、興味深いところです。

◇直近1年の東芝株
Tosibaaah4


|

« シカゴ筋ポジションの確認(11/14時点) | Main | 今週の相場(11/24時点) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« シカゴ筋ポジションの確認(11/14時点) | Main | 今週の相場(11/24時点) »