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January 31, 2021

今週の相場(1/29時点)

今週のDOWは3.3%安、NASDAQは3.6%安、日経平均は3.4%安。3指数とも同程度下げました。

米長期金利は1.09%→1.07%、ドルインデックスは90.2→90.5、ドル円は103円70銭→104円70銭。金利は下がりましたが、安全資産へのドルへの避難が強まりました。

市場の話題は、ロビンフッダーが独占。個人の資金力は少ないながらも、コールオプションなどを買い上げて「踏み上げ」を画策し、ヘッジファンドのショートポジションを痛めつけました。ゲームストップ株(GME)の空売りで大怪我をしたシトロン・リサーチは、20年間続けてきた空売り調査を打ち切り、今後は大きく上昇する銘柄の発掘に努めると、コペルニクス的転回(?)を公表して白旗を掲げました。

味を占めたロビンフッダーたちは、ショートの多い他銘柄にも攻撃の手を広げ、映画館のAMC、ヘッドフォンメーカーのKOSSなどおよそ10銘柄に「同時多発テロ(?)」を実行。先週3$だったKOSSは一時127$、終値でも64$です。

ちなみにゲームストップ株は約2兆円も時価総額を増やしているので、これだけでTDK1社分くらいの価値を創造していることにはなりますが、言うまでもなくその持続性には大きな疑問符が付きます。

当然ながら、この現象は様々な議論を巻き起こしています。

まずはロビンフッド社の対応ですが、40$程度だったゲームストップ株が数日で300$を超えた翌日の28日、同株の新規購入を禁止し、売却のみに制限。会員たちはヘッジファンドの味方をしたのではないかと強く反発し、一部議員からも自由な取引を制限する対応に疑問の声があがりました。

ロビンフッド社は急遽、増資と融資で10億ドル以上を調達したと報道されており、取引制限の理由は、トレードを清算するクリアリングハウスから証拠金の増額を要求されたことだと思われますが、今後SECが詳細を調査する予定です。

法的な論点はもう1つあり、買い煽りに参加した個人の責任です。「虚偽の情報による株価操縦」とは言えないものの、特定の銘柄について集団で攻撃し、「ファンダメンタルに基づかない非常識な価格」を市場で実現したことに違法性はないのかという問題点です。

尤も、テスラの株価だって「ファンダメンタルに基づかない非常識な価格」かもしれず、健全な投資と健全でない投機の区別は曖昧です。

違法性とは別に、このロビンフッダーVSヘッジファンドの「仕手戦」を、社会的にどう評価するかというアングルもあります。

そもそもトランプ大統領の誕生は、東部のエスタブリッシュメントから、ラストベルトの見捨てられた人々に政治権力を取り戻すというお題目がありました。

10年前、"Occupy Wall Street"、"We are the 99%"という運動がありましたが、それがネット上で展開されているような既視感があり、コロナバブルによって富裕層がますます肥える中で、金を渡すから家にいろ、と言われた若年層のエスタブリッシュメント(ヘッジファンド)への反乱という捉え方をする向きもあります。

今後の展開次第では、再度の給付金を巡る議会、証券取引の規制、ロビンフッド社のIPO、買い煽りの舞台となったSNS「レディット」などへの影響も考えられるところですが、折しも政権は民主党に移っており、共和党よりは規制好きの議員が多いことは容易に推測されます。

なお、今週株式が売られた理由に関しては、追い込まれたヘッジファンドが手持ちの株を処分せざるを得なかった、プチ混乱にバブルのエンディングを感じて売った、どっちにしろ2月前には売るつもりだった、等の複合的な要因が感じられます。

大統領選挙から3か月間、異常なほどの楽観状態が続いたので、今週の「冷や水」を契機に、しばらくはリスクマネーの自粛ムードも想定されますが、決算が良くても全体の手仕舞いモードで売られてしまった銘柄は個別に物色される可能性があるので、その点は観察していきたいと思います。

 

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