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October 31, 2021

今週の相場(10/29時点)

今週のS&P500は+1.3%、NASDAQは+2.7%、日経平均は+0.3%。

米長期金利は1.63%→1.56%と下げ、ドルインデックスは93.6→94.1と上昇、ドル円は113円50銭→113円90銭と上昇。米長期金利は下げていますが、2年債金利は0.46%→0.50%と上昇しているので、それに反応したドル高でしょうか?。

10月を振り返ると、S&P500が+6.9%、NASDAQが+7.3%、日経平均は2%安。米国株は9月の調整を乗り越えて、最高値を更新している状態です。日本株を主戦場にしている個人投資家は、日に日に減っています。

ソブリン債の世界では、イールドカーブのフラット化が話題です。長期金利が下がり、短期金利が上がって長短金利差が小さくなっているというのは、「当面はインフレが続くものの長期的には低成長が待っている」という相場観が主流になっているということかと思います。

特にイギリスのイールドカーブが顕著にフラット化しています。

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米国では20年債が1.95%で30年債は1.93%と、20年債と30年債の金利の逆転も発生しました。「中央銀行はインフレ対応を余儀なくされ、それにより成長は著しく鈍化することを反映している」といった解説がなされています。

株に当てはめると、今がピークで、だんだん駄目になるということになりそうですが、それとも金利は結局上がらないので、永遠の金融相場が期待できる(?)と楽観して良いのでしょうか。

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October 24, 2021

今週の相場(10/22時点)

今週のDOWは+1.1%、NASDAQは+1.3%、日経平均は1%安。

先週、DOWもNASDAQも50日線を回復したこともあり、今週も指数は堅調でしたが、物色は二極化しつつあり、決算が悪いものは叩き売られるという業績重視の傾向が一段と強まっています。

インテルが決算後、1日で12%も売られたのは典型的で、AMDにスペックと価格で負け、Appleという顧客を失い、パソコン需要もピークアウトといった現況を、株価は一気に反映した格好です。

他にも、ビヨンドミートが12%、スナップが27%も、失望決算後に下落しています。

米長期金利は1.57%→1.63%ですが瞬間1.7%もありました。ドルインデックスは94.0→93.6と若干の下げで、ドル円も114円20銭→113円50銭と下げですが、一時の114円70銭からは1円以上の調整です。

FRBのパウエル議長が早期の利上げを否定したのを背景に、インフレトレードが一旦は利益確定に走った格好です。

昔から先行指数と言われるダウ輸送株(20種)指数は今週3.8%も上昇していますから、強気継続のサインとも受け取れますが、その中でも明暗が分かれていて、エアラインのデルタ航空は3%安ですが、鉄道のユニオンパシフィックは+5.5%、トラック輸送のランドスターシステムは+7%と、「人を運ぶよりモノを運ぶ方が儲かるだろう」という、さながらサプライチェーン相場といった雰囲気です。

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October 17, 2021

今週の相場(10/15時点)

今週のDOWは+1.6%、NASDAQは+2.1%、日経平均は+3.6%。3指数とも50日線を回復しましたので、一旦は調整完了のセンチメントを感じさせます。

なお、半導体指数は僅かに50日線に達しておらず、投資家の目線は半導体銘柄の今後について、やや厳し目のようです。

米長期金利は1.61%→1.57%と一服し、ハイテク株に買いが戻りました。ドルインデックスは94.1→94.0とほぼ変わらずですが、ドル円は112円20銭→114円20銭と大きく円安、ユーロ円も130円→132円50銭へと円安が進み、円独歩安の状況です。

当初の円安は日米金利差拡大がきっかけに見えましたが、原油相場の上昇で勢いが増しました。日本は原油輸入依存国との認識から、原油買い・円売りトレードが目立っており、投機筋主導の悪い円安相場と感じられます。

コモディティ市場では、この1ヶ月で14%上昇した原油高騰が他のメタルに感染したのか、銀が+3%、アルミが+6%、銅が+10%、亜鉛は+20%。

欧州では、天然ガス価格の上昇が電力コストを上げ、採算性の悪化した精錬所の稼働率が下がって供給不足からメタル相場を押し上げるといった、さながらスタグフレーショントレード(?)の様相です。

インフレは一時的とするFRBは、難しい舵取りを強いられていますが、利上げを急げば株式市場が墜落するので、結局はテーパリングをゆっくりやる程度の緩和的な金融政策を採り続けるしか選択肢は無いものと思われます。

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October 10, 2021

今週の相場(10/8時点)

今週のDOWは+1.2%、NASDAQは+0.1%、日経平均は2.5%安。米国株は先週の調整からのリバウンドを模索する様子ですが、日本株は新政権のスタンスが現状維持ならまだしも、金融所得課税強化や分配重視など自由競争姿勢の後退が生じているので、株価はネガティブに反応しました。

米長期金利は1.46%→1.61%と大きく上昇。ドルインデックスは94.1と変わらずですが、ドル円は111円→112円20銭と円安。ユーロドルはさほど動いていないので、永遠のゼロ金利が想定される円と、少しずつでも金利正常化に近づいていくドルとの金利差拡大が円売りをもたらした格好です。

雇用統計は就業者数が前月比19.4万人増と、市場予想の50万人増を大幅に下回ったものの、先月の23.5万人が36.6万人に、先々月の94.3万人が109.1万人に上方修正されたため、直近3か月の平均は55万人になるので、まずまずでしょうか。

失業率は4.8%と前月から0.4ポイント低下して大きく改善ですが、労働参加率は0.1%低下。そして賃金は+4.6%と、前月の+4.3%から更に上昇。

全体としては、労働者側の就業意欲低下による労働市場逼迫化の印象が強く、サプライチェーンの混乱が長引くのではないかとの観測が強まり、長期金利の上昇に繋がったかと思われます。

コモディティ市場では、急騰した天然ガス価格が今週は一服したものの、WTIは一時80$に到達し、インフレ予想を強める結果となっています。

米国債務上限問題は、短期的な引き上げを上院が可決し、12月初旬までの時間稼ぎがされる見込みですが、逆に言えば、それまで不安心理が長引くことにもなりました。

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October 03, 2021

今週の相場(10/1時点)

今週のDOWは1.4%安、NASDAQは3.2%安、日経平均は4.9%安の287771円。日経平均の3万円は再び遠く、菅総理が退陣表明した9月3日の29128円より下となり、なんちゃって期待相場は終焉です。

米長期金利は1.45%→1.46%と僅かに上昇ですが、一時は1.54%まで大きくジャンプ、ドルインデックスは93.3→94.1と上昇、ドル円は110円70銭→111円ですが、一時は112円もありました。

金曜日にメルクの経口治療薬が有効とのニュースが流れて株が反発したものの、1週間全体では、金利高株安のリスクオフムードでした。

市場の不安を整理しておきます。

まずは長びくインフレ。

FRBが重視するPCE指数(Personal Consumption Expenditure)を見ると、8月が総合で4.3%と31年振りの上昇率、コア指数も3.6%と、非常に高い水準で推移しています。強い需要に加えて、半導体などの材料不足、物流遅延、人手不足などが重なり、パウエル議長もようやく、インフレ圧力が来年まで続く可能性を示唆しました。

インフレ対応のために利上げが早くなるとすれば、株価を殺す可能性は大ですし、長期金利がどこまで上がるのかは誰にもわかりません。

次に、債務上限問題。

イエレン財務長官は、10月18日に国庫が空になってしまうと、強い表現で議会の早期対応を要求しましたが、肝心の民主党は、気候変動対策や教育などを優先する左派とインフラ整備を重視する右派に分裂し、債務上限問題への対応の遅れを生んでいます。債務の極端な膨張を嫌う議員は民主党内にもおり、彼らは共和党議員を巻き込もうとし、左派はそれを嫌います。

18日までに話がまとまるかどうか、状況は予断を許しません。

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