今週の相場(12/17時点)
今週のS&P500は2%安、NASDAQは3%安、日経平均は+0.4%。3指数とも50日線の下にあります。
米長期金利は1.48%→1.41%へ低下、ドルインデックスは96.1→96.7、ドル円は113円40銭→同70銭と円安方向と、金利低下でもドルに逃げ込むリスクオフ気分が感じられます。
注目されていたFOMCは、来年3月にテーパーを終了して3回の利上げを見込むという想定内の内容で、直後の水曜に株は反発。しかし、その後2日は軟調に推移し、S&P500もNASDAQも、FOMC前日の火曜の水準をわずかに下回って今週を終えました。
FRBのパウエル議長は、足元のインフレ率と比べて異常に低い長期金利について問われ、日欧ゼロ金利国家から見れば、為替ヘッジコストを考慮しても十分に魅力的な水準だからだと、いかにも投資銀行出身者らしい回答をしていましたが、だとすればアメリカ株は、本来よりも低金利という恩恵に預かりながらもリスクオフ気分が優勢となっていることになります。
果たして本当に利上げ出来るのか。米長期債市場は、FRBの利上げ想定に対して疑問を呈しているのかもしれません。
NASDAQは相変わらずADLINE(騰落数)が弱く、二極化の様相が続きます。しかも相場のけん引役だったマイクロソフトやアップルが週間で5%安、エヌビディアやテスラが8%安と、冴えません。
VIX指数は19→22、Fear & Greed Indexは38→27と、どちらも弱気方向です。
FOMC直後は、イベント通過後の買い気分が勝ったものの、FRBのタカ派シフトは基本的に株式に良い話では無く、やはり売りたい気持ちが上回ったという理解になりそうです。
リア充関連は、カーニバルクルーズが週間で5%安、デルタ航空が4%安、マリオットホテルが7%安と、依然として低迷。ボーイングも6%安でした。
DOW銘柄では、IBMが+3%、ベライゾン+6%など、出遅れ気味の高配当銘柄を見直す動きは見られます。
コモディティ市場では、WTIが3%安、天然ガスが6%安とエネルギーが安く、シェブロンが4%安、エクソン5%安など、石油関連銘柄も売り優勢でした。
個人に人気のハイパーグロース銘柄は、テラドック+4%、クラウドストライク+3%、ドキュサイン+8%など、売られ過ぎからの反発を見せようとする銘柄群もあります。
そうかと思うと、アドビが15%安と、テクノロジーとサブスクの鉄板銘柄にも綻びが見られます。
FOMC後の3日間の観察で、今後の利上げ想定局面で継続的に買われそうなセクターが判断できるかというと難しく、グロースよりはバリューが良さそうではあるものの、グロースの反発という要素も見られるので、一様には語れない気もします。
今年は指数を買っておけば、個別銘柄リスクを避けて好パフォーマンスを享受出来ましたが、その指数自体が一部銘柄への依存度合いが高く、GAFAMの天下が継続するという保証はどこにもありません。
FRBによる異次元緩和という材料が期待できなくなった以上、混沌として儲けにくいというノーマルな相場に回帰していくというシナリオも有力かと思われます。
このような地合いでは大きなゲインは期待できず、年末年始ラリーは来ないものとして、当分はディフェンシブに構えるスタンスとします。
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