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December 12, 2021

今週の相場(12/10時点)

今週のS&P500は+3.8%で史上最高値、NASDAQは+3.6%、日経平均は+1.5%。

米長期金利は1.48%、ドルインデックスは96.1と、先週と同じレベルに落ち着いていますが、ドル円は112円80銭→113円40銭と円安方向と、ややリスクオン気分が感じられます。

政策金利に連動しやすい米2年債金利は、先週の0.59%から0.65%まで上昇。イールドカーブは先週よりも更にフラット化しましたので、金融機関の株は買いにくくなっています。

株式は、変異したオミクロン株が弱毒化している可能性が高くなったことから上昇しましたが、同時にFRBが想定よりも早く引き締め方向にシフトする懸念が高まり、二つの要素の綱引き状態の心理かと思われます。

そこで注目度が高まっていた米11月CPIは、+6.8%と、先月の+6.2%から加速。しかしながら、これは織り込まれていたということなのか、発表後の長期金利は1.52%から1.48%まで下落し、一時は株価指数もマイナスに転じました。

CPIから見て、ドルの購買力はこの1年で7%ほど下落したことになりますが、逆に為替相場においては、円はドルに対して1年で8%ほど価値が下落しています。掛け算すると、たった1年で15%ほども円の国際的な購買力は落ちており、この逆相関が、日本人が貧しくなっていると感じる最大の理由です。

なおFear & Greed Indexは、先週の20→38、VIX指数は31→19と、投資家の不安心理が減じているのは確かであると思われ、引き締め警戒心理を景気本格回復への期待感がやや上回ってきている状態かと思います。

主要株式指数の中でも、特にNASDAQは一部の銘柄へ買いが集中。今週はアップルが+11%。マイクロソフトが+6%と、ハイテク優良企業が避難所になっていますが、依然としてADライン(騰落率)は下げ基調ですから、指数の割に自分は儲かっていないと感じる人が増えているはずです。

リア充銘柄の代表格のカーニバルクルーズは今週+12%、デルタ航空は+6%と、徐々に旅行関係にも陽が射し始めていますが、どちらもまだ50日線を回復できておらず、先月に負った大きな傷を癒すまでには至っていません。

コモディティ市場では原油(WTI)が大きく反発して+9%。気候変動対策の影響から原油関連は投資不足となっており、中長期的な価格上昇を予想する声が増えています。特にJPモルガンは、来年1バレル=125ドル、2023年は150ドルまで上昇するという極端な見通しを公表しています。

今回のCPIを受けて、インフレはある程度長期化するのではないかという声が増えていますが、だとすると、今の長期金利1.48%は、あまりに低すぎます。

来週のFOMCでは、これまでとは様変わりして、テーパリングの早期終了→利上げというFRBのタカ派姿勢が示される可能性があり、その場合は相場に一定程度のショックが広がり、更に銘柄選別が強まるかもしれません。

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