« December 2021 | Main | February 2022 »

January 30, 2022

今週の相場(1/28時点)

今週のS&P500は+0.8%、NASDAQは変わらず、日経平均は3%安。ちなみにDOWは+1.3%で、米国株は数値上は落ち着いてきています。

米長期金利は1.77%で変わらず、ドルインデックスは95.6→97.2に大きく上昇、ドル円は113円70銭→115円20銭とこちらも大きく上昇。ユーロドルも1.134→1.114と、2%近くドル高が進んでいます。

注目されたFOMC後のパウエル議長会見では、明確なフォワードガイダンスを示すことが出来ませんでした。

議長の本音としては、3月以降のFOMC7回全てで利上げする見通しを市場に浸透させたかったのだろうと思いますが、事前のリーク記事への市場反応が良くなかったため、具体論は控えました。結果として投資家は海図なき航海を強いられ、3回だ、7回だ、無理だ(?)と、揺れ動くこととなっています。

この1週間で、米2年債金利は1.01%から1.17%に上昇したため、ドルは買われましたがイールドカーブはフラット化。金融セクターを買いにくい環境に向かっています。

インフレ要因を仮に、ドル安、グローバルなロジスティクス価格高騰、米国内人出不足としてみると、ドルインデックスは2019年末と同水準まで回復しましたし、バルティック指数の急騰は終了し、コロナは弱体化。一番厄介なのは、グリーンフレーションかもしれません。

コモディティ市場では、銀が8%安で、金と銅もマイナス。天然ガスが17%高騰し、WTIもプラス3%。

原油上昇の一因と言われているウクライナ情勢の先行きは不透明です。2008年夏の北京五輪の時は、開会式の日にロシアとグルジア(現ジョージア)がドンパチを始めました。

ウクライナは穀倉地帯として良く知られており、人口もポーランドを上回る4400万人という規模ですが、一人当たりGDPはギリシャの5分の1という大変貧しい国。ロシアの安いガスに頼るのか、EU加盟で欧州から援助してもらうのかが決められない、汚職だらけの国家です。

プーチンから見れば、「俺様がしっかり面倒見てやらないと、どこ行くか分からない国」なのかもしれません。

Continue reading "今週の相場(1/28時点)"

| | Comments (0)

January 23, 2022

今週の相場(1/21時点)

今週のS&P500は5.7%安、NASDAQは7.6%安、DOWは4.6%安、日経平均は2.1%安。S&P500は200日線を割り、NASDAQは200日線の7%も下、日経平均は同じく4%下です。

米長期金利は1.79%→1.77%とやや下落、ドルインデックスは95.2→95.6に上昇、ドル円は114円20銭→113円70銭と円高方向。

金利若干低下でもドルへの避難が進み、ドル円は株安のリスクオフ心理で円売り巻き戻しという感じでしょうか。

株式相場はコロナバブルの逆流現象です。

長引くインフレとの戦いがアメリカ最大の政治課題となり、FRBの姿勢が緩和から引き締めに急転したため、株価のPERはドンドン小さくなり始めています。

実際にどの程度の利上げとなるのかは難しいところですが、CMEのFedWatchによると、今年中に1.00ポイント以上の利上げが実施される確率は7割程度。

しかし、この程度ではインフレ率7%に全く追い付かないという意見と、そもそも景気に陰りが見られる現況で利上げなんか出来るのか、という意見が対立しています。

相場は視界不良を最も嫌うので、1月26日のFOMCと今後の企業決算が注目されます。特にガイダンスが未達の銘柄は、こっぴどく売られる覚悟が必要です。

Continue reading "今週の相場(1/21時点)"

| | Comments (0)

January 16, 2022

今週の相場(1/14時点)

今週のS&P500とNASDAQは共に0.3%安、日経平均は1.2%安。米国株指数は先週よりも落ち着きました。

日本株は日頃無視してますが、鉄鋼株の上昇には注目しています。

米長期金利は1.76%→1.79%とやや上昇、ドルインデックスは95.7→95.2に下落、ドル円は115円50銭→114円20銭と円高方向。

米長期金利の上昇は小幅で、全般にドル安が進みました。ユーロドルは先週の1.136→1.142近辺へとユーロ高が進み、ドル円に関しては、日銀が物価目標達成前の利上げ検討というロイターの報道が円ショートの巻き戻しを誘発した模様です。

米国12月CPIは+7%と11月の6.8%から加速したものの、ほぼ予想どおりであり、前月比では+0.5%と、11月の+0.8%よりは小幅だったこともあって、マーケットへの影響は限定的でした。

12月の米小売売上高は前月比1.9%減と、市場予想の0.1%減を下回りました。
特に、ネット通販などの無店舗販売が8.7%減と最も下げ幅が大きかったことから考えて、外出を控えたというよりは、インフレを嫌気した消費者の消極的な購買姿勢が現れたものと考えられます。

JPモルガンの四半期決算は、EPSが予想$3.04に対し$3.36とクリアしたものの、売上高は予想297.8億ドルに対し292.6億ドルと未達。同社CFOは、経費の増加や収益の減少といった逆風によって、今後は目標である17%のROEを達成できない可能性が高いと述べて、株価は6%安。企業全般の収益環境に懸念が走りました。

またTSA(米運輸保安庁)のデータによると、12月中旬から、空港利用者の数が大きく下落に転じています。

このように、幾つかの経済指標からはアメリカ人の消費行動に足踏み感が見られるのでが、FRBはハト派のブレイナード次期副議長候補までがタカ派に転向して3月の利上げを示唆する発言を行い、「品切れバイデン」と揶揄される現政権への忖度姿勢を明確にしています。

FRBはずっとインフレは一時的と言い続けて後手に回り、今またインフレがピークかと思われるような時期になって、政治的配慮を前面に出してファイティングポーズを取っているようにも見えます。

Continue reading "今週の相場(1/14時点)"

| | Comments (0)

January 09, 2022

今週の相場(1/7時点)

今週のS&P500は1.9%安、NASDAQは4.5%安、日経平均は1.1%安。2021年と違い、指数では勝てない2022年を暗示しているのかもしれません。

米長期金利は1.49%→1.76%に急上昇、ドルインデックスは96.1→95.7に低下、ドル円は114円30銭→115円50銭と円安方向。急激な金利変化によってドルポジションはギクシャクしたものの、金利差拡大による円売りは着実に進んだ様子です。

12月雇用統計は、雇用者数が19万9000人と、予想の42万2000人を下回ったものの、失業率は前月の4.2%から3.9%に改善 。賃金は前月比0.6%の上昇と、11月の0.4%上昇から伸びが加速しました。

目下の市場の最大関心事はインフレですので、賃金上昇に敏感に反応しやすくなっているものと考えられます。

金利が上昇すると、将来マネーを現在価値へ割り引く際の減価率が高くなるので、不確実な成長期待よりも今稼いでいるお金の評価が高まり、低PER銘柄の見直しが行われます。

投資マネーは高PER銘柄を売って低PER銘柄へシフトする動きが鮮明になり、例えばバンガードの小型グロースETF(VONG)は今週5%下げ、逆にVONV(バリュータイプ)は+1%と、厳しい地合いを乗り切りました。

自動車株では、テスラが3%下げる一方、フォードが+18%。低PERへの回帰は、OLD銘柄の復権と同義なケースも多く見られます。

Continue reading "今週の相場(1/7時点)"

| | Comments (0)

January 01, 2022

今年の相場(12/31時点)

2021年が終了しました。最終週のS&P500は+0.9%、NASDAQは変わらず。年間ではそれぞれ、+27%、+21%でした。11月以降、NASDAQは伸び悩み、S&P500の方がパフォーマンスが良かったことは注目されます。

日経平均は年間で+4.9%とショボイ成績でした。ちなみにTOPIXは年間で+10%ですから、日経平均そのものがクソな指数だということかもしれません。

米国のビッグピクチャーですが、雇用がほぼ完全回復しました。

全米での非農業雇用者数は概ね150百万人ですが、昨年4月に一気に2000万人減り、失業率が14.7%という大変な事態に陥りましたが、今年の11月時点ではほぼコロナ前の数値に復帰しています。

そうなると、FRBとしては物価の問題に集中するのは当然で、インフレ率を睨みながら金利の正常化への道を探っていくことになります。

不思議なことに、依然として米長期金利は1.5%程度。足元で7%近くになっているインフレ率とは大きな乖離が生じています。

これについては、日欧のゼロ金利の影響という見方はありますが、インフレは一時的であり、今後10年間の大部分は米国の標準的なインフレ率である2%を下回る状態が続くと投資家が考えていると見るのも自然なことです。つまりは、コロナバブルが終われば元の長期停滞というシナリオです。

為替市場では、ドルインデックスが、90→96と、年間でドル高が進みました。

ドル円は、年初の103円から115円と円安方向で、2019年末の108円と比較しても、6%程度の円安。デフレ下で購買力が上がっているはずの円が弱くなるという現象となり、弱くなった円によるインフレへの懸念が一般紙にも載るようになりました。

インフレとは縁遠いと思われていた我が国ですが、11月の企業物価指数は前年比で+9%。いずれ消費者物価に転嫁されると考えるのが普通であり、そうでなければ企業利益率の低下によって株価が下がる理屈であり、どちらも景気にマイナスでしょう。

日本の賃金が上がれば物価高を吸収できますが、過去30年間の日本を見ると、理由はともかく、賃金上昇が全業種に広がっていくとは考えにくいと思われます。

Continue reading "今年の相場(12/31時点)"

| | Comments (0)

« December 2021 | Main | February 2022 »