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January 09, 2022

今週の相場(1/7時点)

今週のS&P500は1.9%安、NASDAQは4.5%安、日経平均は1.1%安。2021年と違い、指数では勝てない2022年を暗示しているのかもしれません。

米長期金利は1.49%→1.76%に急上昇、ドルインデックスは96.1→95.7に低下、ドル円は114円30銭→115円50銭と円安方向。急激な金利変化によってドルポジションはギクシャクしたものの、金利差拡大による円売りは着実に進んだ様子です。

12月雇用統計は、雇用者数が19万9000人と、予想の42万2000人を下回ったものの、失業率は前月の4.2%から3.9%に改善 。賃金は前月比0.6%の上昇と、11月の0.4%上昇から伸びが加速しました。

目下の市場の最大関心事はインフレですので、賃金上昇に敏感に反応しやすくなっているものと考えられます。

金利が上昇すると、将来マネーを現在価値へ割り引く際の減価率が高くなるので、不確実な成長期待よりも今稼いでいるお金の評価が高まり、低PER銘柄の見直しが行われます。

投資マネーは高PER銘柄を売って低PER銘柄へシフトする動きが鮮明になり、例えばバンガードの小型グロースETF(VONG)は今週5%下げ、逆にVONV(バリュータイプ)は+1%と、厳しい地合いを乗り切りました。

自動車株では、テスラが3%下げる一方、フォードが+18%。低PERへの回帰は、OLD銘柄の復権と同義なケースも多く見られます。

いわゆるDOWの犬(ダウ30銘柄のうち最も配当利回りの高い10銘柄)のベスト3は、ダウ(Dow)、IBM、ベライゾン(VZ)ですが、今週はそれぞれ、+4%、+1%、+4%と堅調でした。高配当利回り銘柄は概ね低PERです。

コモディティ市場では、原油WTIが週間で+5%。代表銘柄のエクソン(XOM)は、+13%と絶好調。エクソンは昨年ダウから外されましたが、予想配当利回り5.3%と、準ダウの犬です。

割高となった米国市場においても素材関係にはバカ安銘柄が多く、例えばPER2倍のUSスティールが+7%と、放置されていた低評価銘柄の発掘も進んでいます。

オミクロン株のカラ騒ぎの後を狙っているトラベル銘柄を見ると、デルタ航空+6%、カーニバルクルーズ+9%、アメックス+7%と全般に好調で、ボーイングも+7%でした。

下げた方では、ネットフリックス10%安、マイクロソフトが7%安。半導体では、エヌビディアが7%安、AMDが8%安。これら全て、50日線を割り込んでいます。

更にチャラチャラ銘柄を見ると、ARKKが11%安、オクタとスクエアが12%安、ズームインフォが18%安、モンゴDBが19%安。美人と寝たと思って、朝起きて陽の光で見たら豚でした。

これだけ株式相場が二極化すれば、何をすれば良いかは明白です。私は、先月のうちにポートフォリオのバリュー化を終えていたので無事でした。

なおビットコインは、グロース銘柄崩壊と、一大マイニングカントリーとなったカザフスタンの政情不安で安くなっているようですが、元々キャッシュフローが価値の源泉となっている訳では無いので、ハイパーグロース銘柄と同じ運命になるとは限らないと思って眺めています。

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