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April 24, 2022

今週の相場(4/22時点)

今週のS&P500は2.8%安、NASDAQは3.8%安、日経平均は変わらず。

米長期金利は2.82%→2.9%、ドルインデックスは100.5→101.1、ドル円は126円30銭→128円50銭。金利上昇でドル買いの動きが続いています。

7週間で13円もの円安となり、「悪い円安」と認識されています。円安の主因が日米金利差だけであれば、どこかで限界が来るでしょうが、日本でも米国並みのインフレ率となり、現金からの逃避が進むなら、「最悪の円安」になるかもしれません。

粛々と金利上昇・ドル高が進む債券・為替市場に比べると、十分にFRBの利上げを織り込んでいなかった株式市場の動揺が目立ちます。

パウエル議長は5月FOMCでの0.5%利上げ可能性を示唆しましたが、これは事実上の決定と思われます。

米国野村証券のアナリストは今後、0.5%、0.75%、0.75%というハイペースで、政策金利を2.5%に上げていくとのスーパータカ派予想を出しています。

確定申告直後の米国株は上がりやすいというアノマリーによって、NASDAQは水曜まで100ポイントほど上げていましたが、そこから一気に600ポイント急落する展開となりました。

DOW指数は、NASDAQに比べてバリュータイプの銘柄が多いこともあって比較的安心感がありましたが、こちらも水曜まで700$上昇後、2日間で1300$下げて、50日線を割りました。

コモディティ市場では、WTIが6%安、天然ガスが11%安、銀が6%安など、今週はリスクポジションの縮小が目立っています。

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April 16, 2022

今週の相場(4/15時点)

今週のS&P500は2.1%安、NASDAQは2.6%安、日経平均は+0.4%。

米長期金利は2.7%→2.82%、ドルインデックスは99.8→100.5、ドル円は124円30銭→126円30銭。米国金利上昇で素直にドル買いが進みました。

一時逆イールドが言われた米イールドカーブはむしろスティープ化し、10年マイナス2年金利は、先週の0.14%から0.37%に拡大しています。

金利上昇に弱いと言われるNASDAQは2週間で6%以上下落。同期間にS&P500は3%の下落、DOWは1%の下落と、各指数に差が出ています。日経平均は2%安で、この間に3%円安になったことの効果は殆ど見られません。

今や円安が日本企業の収益性改善に結び付くという考え方は消え、トヨタでさえ、この2週間でマイナス。愚民と老人および生産性の低い企業が国内に残り、優秀な人材やグローバル企業の生産拠点は海外に去りました。

なお、米国株に投資している日本人にとっては、米国株安を円安が補ってお釣りがくる状態にもなっており、年初来でS&P500は8%安ですが、円は対ドルで10%安と、円安効果抜群です。こうした利益は、今後の国内インフレで相殺されますが、無いよりはマシです。

注目されていた米国3月CPIは前年比8.5%の上昇。前月の7.9%を上回り、6カ月連続で6%超えです。

しかしながら、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は、前月比0.3%上昇と、前月の0.5%上昇から鈍化し、さしものインフレもピークアウトしたのではないかという見方も出始めました。

30年住宅ローン金利の平均は5%を超え、住宅ローンの申請件数は前年比4割減の水準と報道されています。

マンハイム(中古車価格)指数は、1年でおよそ2倍となり、ようやく2か月連続で下がってきました。

Manheim2203

FRBのタカ派発言連発によって、市場が利上げを織り込み、インフレ率を抑制する効果が一定程度出てきたようにも見えます。

現在の2年金利2.45%は2019年1月と同水準で、当時の政策金利は2.5%でしたから、市場は既に今後2%の金利上昇を織り込んで動いているとも言えそうです。

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April 10, 2022

今週の相場(4/8時点)

今週のS&P500は1.3%安、NASDAQは3.9%安、日経平均は2.5%安。NASDAQは僅かながら50日線割れです。

米長期金利は2.38%→2.7%と大幅高、ドルインデックスは98.6→99.8、ドル円は122円50銭→124円30銭。

株価指数は金利上昇でリスクオフとなり、為替は素直にドル高。ドル円は、再度の125円台から次の節目の130円を目指しそうな勢いとなっています。

円安が良いことかどうかはともかく、日銀の10年債無制限買取オペレーションによって、借金王日銀が金利上昇に耐えられないことが改めて明らかになり、更なる円安が意識されています。

なお、米国の10年と2年金利は、直近で2.70%と2.51%となり、逆イールドは短期間で解消しました。

5月のFOMCが近づき、FRB関係者からのタカ派コメントが相次いでいます。

次の副議長候補で、従来はハト派として知られていたブレイナード氏は、量的引き締め(QT)と呼ばれる資産圧縮について「5月にも急ピッチで始める」と発言。インフレの抑制を急ぐ姿勢を強調しています。

セントルイス連銀のブラード総裁は、今年下期の政策金利を3-3.25%に引き上げることが望ましいと発言。これですと、年内残り6回のFOMCで、ほぼ毎回0.5%利上げするようなペースになります。

FOMC議事要旨によれば、FRBの保有資産を月額最大950億ドル(約11兆7600億円)のペースで縮小(債券売却)することが示唆されています。

FRBの総資産はこの2年で、4兆ドルくらい膨張しているので、仮に上記ペースでも、元に戻すのに計算上は3年程度かかります。

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April 03, 2022

今週の相場(4/1時点)

今週のS&P500は、ほぼ変わらず。NASDAQは+0.6%、日経平均は1.7%安。

米長期金利は2.48%→2.38%、ドルインデックスは98.8→98.6、ドル円は122円10銭→122円50銭。ドル円は一時125円台がありましたが、あまりに円安のスピードが早かったために現在は小休止状態となり、米長期金利上昇も一服しました。

一方、米国2年債金利は先週の2.28%から2.46%に上昇し、2年と10年が逆転したため、近い将来のリセッション懸念が台頭しています。先行指数と言われるダウ輸送株指数が、今週5%以上下落したことも先行きを暗示しているかもしれません。

逆イールドについては、逆ザヤによる金融機関の与信能力低下や短期的なインフレと長期的な景気停滞の現れなどと解釈されており、必ずでは無いものの、1~2年後にリセッションが来る確率が高まっていることは否定できないかと思われます。

2022年1~3期の株価指数を振り返ると、S&P500は5%安、NASDAQは9%安、日経平均は3.4%安と、揃って冴えない1Qとなりました。

なお、ロシアがウクライナに侵攻し始めた2月24日と現在の株価を比較してみると、S&P500、NASDAQ、日経平均全て約6%高と、戦争の影響はクリアしていますが、同期間の香港ハンセンと上海総合は4%安と、市場における嫌中がハッキリ出ています。

ゼロコロナ主義による経済停滞も指摘されており、中国の3月製造業購買担当者指数は48.1と、2020年2月以来では最も大きな落ち込みとなっています。

米3月雇用統計は、NFPが43万1000人増、失業率は前月の3.8%から3.6%に改善と依然強い数値で、過去2カ月分の就業者数も上方修正されて、今年に入ってからの就業者の月間増加数は平均56万2000人です。

しかしながら、雇用需給の逼迫はインフレ対策上は頭が痛い状態で、FRBが更にタカ派になるなら、株式には当面の悪材料かもしれません。

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