今週の相場(5/20時点)
今週のS&P500は3%安、NASDAQは3.8%安、日経平均は+1.2%。
ダウ平均(DJI)は8週連続の下落となり、大恐慌時の1932年以来、90年ぶりの連続下落と報道されています。
米長期金利は2.93%→2.8%と下げ、ドルインデックスは104.5→103と下落、ドル円も129円30銭→127円90銭に下落。
米長期金利は2週連続の下落。先週は金利安でもドルへの避難が見られてドルインデックスは上がりましたが、今週は金利安ドル安のノーマル反応(?)となり、金利が天井を付けたような展開にも見えます。
ドル円も、131円台からピークアウトしました。
株離れが激しくなった4月以降で見ると、S&P500が14%安に対して日経平均は4%安と、日本株の底堅さが顕著です。これは、米国株での運用が難しくなった結果、消去法的に日本株が選考されている可能性が高く、サウジアラビアの政府系ファンドが任天堂の株式の5%を取得したことも、今週明らかになっています。
グローバリゼーションに付いて行けずに衰退した日本は、東西冷戦の再来でブロック経済化した場合には一定の恩恵があるとの見解もあり、言い換えれば、資産防衛のために鼻をつまんで日本株を買わなければいけないほど、米国市場は追い込まれているとも言えます。
ロシア富裕層の資金がトルコに逃げ込んでいることが知られていますが、アジアの中で日本は、一定のオアシスではあります。
少し前まで投資家の懸念は、金利高によるグロース株の崩壊でしたが、今や次なる不安であるリセッション、即ち「全部下げ」に向いています。
今週、米4月個人消費が前月比+0.4%、前年比でも8.2%増と堅調であったことを株式市場は好感して一時的に反発しましたが、ウォルマートとターゲットの決算は期待以下であり、高額商品のみならず、ロープライス商品市況も期待できないとの観測により、よりリセッションへの懸念が強まりました。
株式市場には自己実現機能があり、不況が来るかもしれないと株安になると、その逆資産効果で不況が実現するというメカニズムが働きます。
投資家が債券を買い出したということは、インフレの次に来る不景気を一足先に織り込もうとする心理状態になってきたと理解することも出来そうです。
個別では、テスラが14%安、アップル7%安、グーグル6%安と主力が冴えず、増収減益のウォルマートは19%安、話題のターゲットは29%安。
底堅いはずの生活消費関連でも、プロクター&ギャンブルが8%安、コカ・コーラ7%安。
エヌビディアが下げ止まらずに6%安となり、更にはアプライド・マテリアルズの決算も悪くて5%安で、半導体指数は3%安でした。
コモディティ市場は小動きで、銅が+3%と反発し、WTIは高止まり。石油株のシェブロンは今週変わらずで、インフレによる原油価格上昇と、リセッションによる石油需要の減退とが綱引き状態にも見えます。
金曜日のNASDAQは大き目の下髭が出来ており、ザラ場中に相当の投げ売りが発生したものと推測されますが、仮に底打ちが実現しても、上昇のエンジンには乏しいのが実態です。
結局のところ、株式市場は金利環境に従属しているものなので、インフレのピークアウトと、それに伴うFRBのタカ派度合いの緩和という期待が実現しない限り、のたうち回る相場の転換点は見出しにくそうです。
個人的には、キャッシュ8割の状態で、殆ど動けていません。
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