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June 26, 2022

今週の相場(6/24時点)

今週のS&P500は+6.4%、NASDAQは+7.5%、日経平均は+2%。

米長期金利は3.23→3.13%に低下、ドルインデックスは金利に合わせて104.7→104.1に若干低下しましたが、ドル円は134円90銭→135円20銭と小幅ながら上昇でした。

米国株は予想以上に反発し、チャート的には過去の底入れと同様のパターンにも見えます。

株価が好調ならFRBはより強めの利上げを実行できるという現在のファンダメンタルズからすれば、これはFOMCの間隙を縫った一時的なアヤ戻しかもしれませんが、大きな意味でのリバランス開始という可能性もあり、両にらみ対応のため、米国株を少し買戻しました。

為替市場では世界的に円の弱さが注目ですが、米長期金利が若干低下でも円安と、円を売りたい勢力は依然強いように見えます。

コモディティ市場では、ほとんどが下落。銅は7%安、WTIは2%安、天然ガスと小麦は11%安と、不景気トレードの様子です。

金利先物市場では、年末の予想最多金利レートが、3.75%→3.50%に低下しており、今週の株価反発は、利上げが想定より早く終了して早期利下げに転じるとの思惑が強まったことにあるとの解説もされています。

既にリセッション後も睨んだような、大変な先見性です。

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June 19, 2022

今週の相場(6/17時点)

今週のS&P500は5.8%安、NASDAQは4.8%安、日経平均は+6.7%安。円安のペースが落ちると、日本株の支えが無くなります。

米長期金利は3.16→3.23%に上昇、ドルインデックスは金利に反応して104.2→104.7に小幅上昇、ドル円は134円30銭→134円90銭と、こちらも小幅上昇でした。

注目されたFOMCは、事前のリークどおりに0.75%アップと驚きは無かったものの、インフレ率8%台にはまだ遠く及ばず、長い利上げ過程の始まりにすぎません。またQT(量的引き締め)による資産圧縮も今月から開始して、3年ほど続く予定です。

インフレが通貨安現象という見方からすれば、QTの方がインフレ退治に効果が期待できるかもしれませんが、同時に株式市場に流入する資金も更に絞られる可能性があります。

スイス中銀が16日に0.5%の利上げを発表し、政策金利がマイナス0.75%からマイナス0.25%になったのはサプライズでした。

スイスは日本同様にマイナス金利かつCPI+2%台と、日本と金融環境が似ているため、俄かに日銀政策決定会合が注目されましたが、日銀は意地を維持。

株とREIT購入、加えてYCCと、あらゆるタブーに踏み込んだとも言える日銀は、いつか自壊するだろうとの観測が高まっていますが、紙幣を創造できる限り、まだ延命ができる状態と言えそうです。

複数のヘッジファンドが日本国債先物売りポジションを持っていたとされていますが、今回も成功せず、代わりに円ショートポジションがまた利益をあげました。

日銀による国債の買い支えは無限ですが、円の買い支えは有限。そしてアメリカはドル高を望んでいます。

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June 12, 2022

今週の相場(6/10時点)

今週のS&P500は5%安、NASDAQは5.6%安、日経平均は+0.2%。週明けの日経平均は1.5%程度の下落が予想されていますが、それでも比較的傷が浅いのは円安のおかげだと考えられます。

米長期金利は2.94%→3.16%に上昇、ドルインデックスは金利に反応して102.2→104.2に上昇、ドル円も130円80銭→134円30銭と上昇。

今や円安はメガトレンドだという声もありますが、投資家が意識しているのは2002年の135円15銭。ここを超えると150円近くまで大きな節目は見当たりません。

注目されていた5月米CPIは前年比+8.6%と前月の+8.3%を上回り、そろそろインフレもピークアウトするのではという根拠なき希望を打ち砕き、FRBがいかに大きく後手に回ったのかが改めて浮き彫りになりました。

良い点を探すと、コア指数が前年同月比で6.0%上昇と、4月の6.2%上昇を下回った点ですが、逆に言うと、生活に直結する食品とエネルギーの上昇が大きいということになります。

この結果を受けて、来週のFOMCでは0.75%の利上げ確率も2割強織り込まれています。FRBはしつこいインフレを退治するため、連続して0.5%以上の利上げを迫られており、FFレートは年内に3%以上となる予想です。

米国の平均ガソリン価格は、米国史上初めて1ガロン5ドル(176円)超えに迫っており、ミシガン大学消費者信頼感指数は50.2と、一足先に過去最低を更新しました。

コモディティ市場では原油が高止まり、コーンと小麦が上昇する一方で銅が下落と、スタグフレーションを示唆するような風景になっています。

本来、原油価格が上がれば上がるほど米国シェールオイルが増産されて石油価格を抑制するメカニズムになっていたはずですが、シェールオイルの生産量はコロナ前よりも日量100万バレルほど少ない状態と報告されており、バイデン政権の脱炭素政策が影響していると言われています。

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June 05, 2022

今週の相場(6/3時点)

今週のS&P500は1.2%安、NASDAQは1%安、日経平均は3.7%高。

米長期金利は2.74→2.94%に上昇、ドルインデックスは金利に反応して101.6→102.2に上昇、ドル円は127円10銭→130円80銭と上昇。
1か月ほど落ち着いていた長期金利が上昇に転じてドルが買われ、ドル円が130円台復帰です。

水曜日に発表されたISM製造業景況指数は56.1と、低下するとの予想を覆して前月の55.4から上昇しました。
本来、ISMは株価との連動性が高いのですが、相場の反応は金利上昇で株安でした。

更には金曜日の5月雇用統計が強く、雇用者数が39万人増と予想の32万人を上回り、失業率は3.6%で前月と変わらず。

賃金は、前月比で0.3%増と市場予想の0.4%増を下回り、前年比では5.2%増と4月の5.5%増からペースダウンしたものの、なお雇用状況は過熱気味とのコメントも聞かれ、やはり反応は金利高株安でした。

インフレとの闘いが最大の課題である現在の株式相場にとって、良いニュースは悪いニュースの状態が続いています。

コモディティ市場では、中国のロックダウン緩和を反映してか、銅が+4%。WTIは+5%で120$台に乗りました。

原油価格をドルの強弱指標と見るならば、為替市場で強いドルも原油には負けているという状態ですから、そのドルに負ける円で原油を買う際の負担感が際立つ格好となっています。

インフレ率が相対的に低く、ドルに比べて購買力が維持されている円が弱いという目の前の現象は、円がスーパーお買い得通貨になっていることを示すものですが、円はいくら安くても買われない、が現実です。

企業の国内投資嫌い、事実上のインバウンド締め出し、個人投資家の米国株選好など、円安要因は多岐に渡り、仮に貯蓄から投資が進むなら、それは「円貯蓄からドル投資」を加速するでしょう。

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