今週の相場(6/10時点)
今週のS&P500は5%安、NASDAQは5.6%安、日経平均は+0.2%。週明けの日経平均は1.5%程度の下落が予想されていますが、それでも比較的傷が浅いのは円安のおかげだと考えられます。
米長期金利は2.94%→3.16%に上昇、ドルインデックスは金利に反応して102.2→104.2に上昇、ドル円も130円80銭→134円30銭と上昇。
今や円安はメガトレンドだという声もありますが、投資家が意識しているのは2002年の135円15銭。ここを超えると150円近くまで大きな節目は見当たりません。
注目されていた5月米CPIは前年比+8.6%と前月の+8.3%を上回り、そろそろインフレもピークアウトするのではという根拠なき希望を打ち砕き、FRBがいかに大きく後手に回ったのかが改めて浮き彫りになりました。
良い点を探すと、コア指数が前年同月比で6.0%上昇と、4月の6.2%上昇を下回った点ですが、逆に言うと、生活に直結する食品とエネルギーの上昇が大きいということになります。
この結果を受けて、来週のFOMCでは0.75%の利上げ確率も2割強織り込まれています。FRBはしつこいインフレを退治するため、連続して0.5%以上の利上げを迫られており、FFレートは年内に3%以上となる予想です。
米国の平均ガソリン価格は、米国史上初めて1ガロン5ドル(176円)超えに迫っており、ミシガン大学消費者信頼感指数は50.2と、一足先に過去最低を更新しました。
コモディティ市場では原油が高止まり、コーンと小麦が上昇する一方で銅が下落と、スタグフレーションを示唆するような風景になっています。
本来、原油価格が上がれば上がるほど米国シェールオイルが増産されて石油価格を抑制するメカニズムになっていたはずですが、シェールオイルの生産量はコロナ前よりも日量100万バレルほど少ない状態と報告されており、バイデン政権の脱炭素政策が影響していると言われています。
個別銘柄は、ほぼ全部下げなので、上がっているものを探すと、エクソンが+1%と大健闘(?)ですが、シェブロンでさえ1%安。
全般に、足元での決算とはあまり関係なく売られている印象があり、不調銘柄は損切り、好調な銘柄は早めの利確という心理状態と感じられます。
とはいえ、VIXは「28」とウクライナ侵攻後の「35」にはまだ余裕があり、Fear & Greed Indexも「28」と、今年最低の「6」には及びません。
特に日本人が米国株に投資している場合、円建てS&P500は年初来でほぼ「変わらず」ですし、日経平均は年初来3%安と、悲鳴は聞こえてきません。
NASDAQの週足チャートは、もう一度底を確認しに行っている状態で、ここを割れたら結構きつそうです。
相場は悪いとは言え、ここが買い場というほどの陰の極ではありません。
これから真の地獄が来るのかどうかは無論分かりませんが、個人的には円安で証券口座がブクブク膨れているため、株安への危機感が薄くなっているのは反省点です。
FRBは株式市場を気にする余裕が皆無になりましたので、週明けは、もう少し真剣にリスク管理に取り組みたいと思います。
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