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July 31, 2022

今週の相場(7/29時点)

今週のS&P500は+4.3%、NASDAQは+4.7%、日経平均は0.4%安。

米長期金利は2.75%→2.66%に下がり、ドルインデックスも106.6→105.8と下落、ドル円も136円10銭→と133円20銭へと円高方向。ドルしか買えないと言われた状況が変化し、ドルを株や他通貨にシフトするリスクテイクの動きが目立ってきています。

一つのきっかけはFOMC通過。0.75%利上げは想定どおりで、パウエル議長の「今後の利上げはデータ次第」という言葉を、景気が弱ければ配慮するという意味に受け取り、投資家は株を買う行為に転じていると解説されています。

主要企業の決算に関しては、思ったほど悪くはないが継続。

アマゾンは2QのEPSも次四半期営業利益も予想以下。マイクロソフトは一度引き下げた売上とEPS予想にも届きませんでした。

ネット広告収入は頭打ちとなり、グーグルは売上、EPS共に予想以下。しかし、いずれも株価は上昇しました。

メタも、売上、EPS、ガイダンス、全て予想以下。半導体では、インテルが予想を6割も下回るEPSで失望の決算。さすがに両社は株価下落。

日本では、デンソーとソニーという有力企業が下方修正しています。

米GDPは2期連続のマイナス成長と、数値的にはリセッション入りを示していますが、これが今後の利上げ幅を抑制するなら株にはプラスというのが今の心理かもしれません。

CMEの金利先物市場では、9月FOMCで0.5%利上げ予想が72%、年末金利は3.25~3.5%が最多と、あと年内3回のFOMCで計1%利上げという、比較的穏やかな想定になってきました。

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July 23, 2022

今週の相場(7/22時点)

今週のS&P500は+2.5%、NASDAQは+3.3%、日経平均は+4.2%と買い戻しが進みました。

米長期金利は2.9%→2.75%に下落したため、ドルインデックスは108→106.6、ドル円も138円50銭→136円10銭と、ドル売りでした。

米国イールドカーブは、10年と2年が逆転したまま下方向に平行移動したような格好ですので、リセッションによる落ち込みは、より深いものになると予想されているのかもしれません。

長期金利は3%ちょうど近辺が居心地が良さそうであり、それ以上に高いと「そんなにインフレ酷いのか」となり、あまり低いと「景気そんなに悪いのか」と、どちらもネガティブな反応を誘うようです。

WTIは3%下がり、先月の高値から2割調整して弱気相場入り(?)でしょうか。景気悪化による需要減退が下げの主因と思われます。

火曜のネットフリックスの決算が思ったほどは悪くないとされて1日で7%上昇したことをきっかけに、売り込まれたグロース銘柄への買い戻しが活発化し、ARKKは週間で+5%。

買い戻しの動きは売り込まれていた半導体関連にも波及し、エヌビディアは+10%、AMDは+9%。SOX指数は+5%でした。

しかしながら木曜には、高配当で手堅い通信株のはずのAT&Tが8%安。利用料金の支払い延滞によって通年のフリーキャッシュフロー予想を20億ドルも下方修正したことが嫌われました。
ケータイ代さえ払えない人が多いのでは景気が良い訳はない、というムードが広がりました。

金曜には、売上の伸び悩みによってスナップが39%安となって広告関連モデルの銘柄全般に売りが波及。またHDDのシーゲイトも決算、見通し共に悪く、1日で8%安となり、ストレージ市場における供給過剰感が広がりました。

同日発表された総合PMI指数は前月から4.8ポイント下げて47.5。2020年5月以来の低い水準だったことも、金利を低下させました。

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July 17, 2022

今週の相場(7/15時点)

今週のS&P500は1%安、NASDAQは1.6%安、日経平均は+1%。

米長期金利は3.1%→2.9%に下落したものの、ドルインデックスは106.9→108に上昇、ドル円も136円10銭→138円50銭に上昇。

株価は小動きですが、為替市場でのドルの強さが際立つ展開です。ユーロ/ドルはほぼ等価なので、どっちも140円で換算しておけば概ね間違いないといった状況です。

数年前に海外旅行していた時は、ドルもユーロも100円で頭の中で換算していましたが、今海外に行けば、随分と違う感覚になるかと思います。

注目の米6月CPIは、先月の+8.6%から+9.1%に加速。

食品とエネルギーを除くコア指数は先月の+6.0%から+5.9%と、僅かに落ち着きを見せていますが、そもそも食品とエネルギー価格の上昇が生活を直撃しているので、コア指数への注目度は低くなっているようです。

なお金曜発表の輸出入物価統計では、輸入物価が前月比で0.2%上昇、石油製品を除くとマイナス0.5%と市場予想を下回っており、ドル高によるインフレ抑制効果が出始めているという報道もありました。(U.S. import prices rise less than expected in June

全般的にコモディティ価格は6月よりも下がってきているので、来月のCPIこそ期待できるかもしれません。

FFレートに連動しやすい2年債金利は先週の3.10%から3.13%に上昇しましたが、長期金利は3%近辺から大きくは変動せず、足元の1~2年はともかく、長期的なインフレ率はアメリカの平均的な+2~3%程度に落ち着くというのが債券市場の見方かと思われます。

但し、10年マイナス2年金利の逆イールドは深まっているので、ハードランディングの確率も上がっているということにはなりそうです。

コモディティ市場では、銅が8%安、WTIが7%安、小麦が12%安と、リセッショントレードの様相で、1ヶ月前との比較では、それぞれ19%安、11%安、25%安です。ドクター・カッパーは、3月高値から4割近く下げ、2020年秋以降の上昇分を全て吐き出しました。

イスタンブールで行われた関係国協議では、黒海にウクライナ産の穀物を輸送する「回廊」を設置する方向で合意したというニュースも流れています。

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July 10, 2022

今週の相場(7/8時点)

今週のS&P500は+1.9%、NASDAQは+4.6%、日経平均は+2.2%。

米長期金利は2.8%→3.1%に上昇、ドルインデックスは105.1→106.9に上昇、ドル円は135円20銭→136円10銭に上昇。

米長期金利は先月中旬の3.5%よりは低い水準ではあるものの、ドルは依然として強く、ユーロドルは1.018とパリティ目前ですし、ドル円相場は日米金利差が縮小しても崩れません。

日経新聞も記事にしています。

『円安「賞味期限」いつか 市場参加者は気もそぞろ』

Doruen20220710

金利差以外の要因がドル円相場を支えているという理解になりますが、だから賞味期限が近いのか、だからこそ円安トレンドが継続すると考えるべきなのか、それは多分誰にも分かりません。

6月雇用統計は、一部企業の雇用調整が報道されていたものの、就業者数は前月から37万2000人増と予想の25万人増を大きく上回りました。失業率は3.6%で横ばいですが、コロナ直前2020年2月の3.5%と同水準であり、雇用の需給は非常にタイトです。

これを受けて米長期金利は上昇、ドル円は素直に買われ、株は金利上昇を嫌気して小安く始まったものの前日水準を維持、といった反応でした。

相場はインフレと景気後退の両方に目配せしながらの神経質な展開ではありますが、下げ相場も7か月が過ぎ、ある程度落ち着きを見せてきました。

CMEの金利先物市場では、年末の予想FFレートが3.75%で、そこで利上げ打ち止めと見ており、長期金利は3%程度が居心地が良さそうな様子です。

コモディティ市場では、金・銀・銅・WTIが仲良く3%安。先月330まで高騰したCRB指数は287。ロシアのウクライナ侵攻直前の270近くまで下がってきました。

CRB指数は依然として2021年の240レベルから1割ほど高いものの、インフレ予想に拍車をかけたロシアの蛮行の影響はほぼ剥落した格好です。

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July 03, 2022

今週の相場(7/1時点)

今年も前半終了ですが、株式相場にとっては惨憺たる6か月でした。

S&P500は、2021年の1年間で27%上がり、この半年(22年上半期)で21%下がりました。1年半の通算では「変わらず」です。

同様に見ていくと、
DOWは+19%→▲15%で変わらず、NASDAQは+21%→▲30%で通算15%の下げ。
日経平均は、+5%→▲8%で通算3%の下げです。

今週のS&P500は2.2%安、NASDAQは4%安、日経平均は2%安と、先週の反発は持続しませんでした。

米長期金利は3.13%→2.8%に大きく低下、ドルインデックスは金利と逆に104.1→105.1に上昇、ドル円は135円20銭近辺で変わらずですが、一時137円タッチがありました。

投機的と言われるシカゴ筋の円(対ドル)ショートポジションは6週連続で減っていますが、円安トレンドに大きな変化は感じられません。

株式市場では大きな意味でのコロナバブル清算の動きが継続中ですが、市場の関心はインフレからリセッションに移行し、長期債が買われました。

これまではインフレによる金利上昇が嫌気されて株が売られてきましたが、金利が下がってきても不景気懸念で売られています。こうした局面では、買えるセクターは極めて限定的です。

景気後退がほぼ確実と考える市場目線では、今後の企業決算は、売上の伸び悩みとコストアップによる挟み撃ちで低迷することが予想されています。

特に景気敏感な半導体株は苦戦が長期化。マイクロンが木曜日に発表した6─8月決算見通しによれば、四半期ベースで売上が17%程度減少し、EPSは2.59$から1.63$と4割程度落ちるという内容でした。

高級家具の「RH」も売上見通しの下方修正が入り、今週18%の下落。この銘柄は、昨年夏の700$から220$まで降りてきており、半値八掛け二割引きを体現しています。

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