今週の相場(7/22時点)
今週のS&P500は+2.5%、NASDAQは+3.3%、日経平均は+4.2%と買い戻しが進みました。
米長期金利は2.9%→2.75%に下落したため、ドルインデックスは108→106.6、ドル円も138円50銭→136円10銭と、ドル売りでした。
米国イールドカーブは、10年と2年が逆転したまま下方向に平行移動したような格好ですので、リセッションによる落ち込みは、より深いものになると予想されているのかもしれません。
長期金利は3%ちょうど近辺が居心地が良さそうであり、それ以上に高いと「そんなにインフレ酷いのか」となり、あまり低いと「景気そんなに悪いのか」と、どちらもネガティブな反応を誘うようです。
WTIは3%下がり、先月の高値から2割調整して弱気相場入り(?)でしょうか。景気悪化による需要減退が下げの主因と思われます。
火曜のネットフリックスの決算が思ったほどは悪くないとされて1日で7%上昇したことをきっかけに、売り込まれたグロース銘柄への買い戻しが活発化し、ARKKは週間で+5%。
買い戻しの動きは売り込まれていた半導体関連にも波及し、エヌビディアは+10%、AMDは+9%。SOX指数は+5%でした。
しかしながら木曜には、高配当で手堅い通信株のはずのAT&Tが8%安。利用料金の支払い延滞によって通年のフリーキャッシュフロー予想を20億ドルも下方修正したことが嫌われました。
ケータイ代さえ払えない人が多いのでは景気が良い訳はない、というムードが広がりました。
金曜には、売上の伸び悩みによってスナップが39%安となって広告関連モデルの銘柄全般に売りが波及。またHDDのシーゲイトも決算、見通し共に悪く、1日で8%安となり、ストレージ市場における供給過剰感が広がりました。
同日発表された総合PMI指数は前月から4.8ポイント下げて47.5。2020年5月以来の低い水準だったことも、金利を低下させました。
思ったほど悪くないというのは、やはり悪いわけなので、金曜日の相場は買戻しへの反省ムードが出ましたが、週間で見ればポジティブな結果ではありました。
個別では、決算が好感されたテスラが+13%、アメックスが+7%。逆にIBMは8%安と、決算後の反応が対照的でした。
エアラインも悪決算組で、ユナイテッド航空が6%安、アメリカン航空が5%安。リベンジ消費関連には、今は良くても先行きはリセッションでどうか、という懸念が付きまとっているようです。
相場は、悪いニュースを良いニュースにしようと懸命に努力しており、景気悪化による金利のピークアウト感を買い材料にしようとする意見も見られます。
ドル円は高値から3円強と、久々に大きめの調整となっており、健全な調整なのか、潮目が変わったのか、見方が分かれるところかと思われます。
来週はFOMCとGAFAM決算。0.75%利上げは間違いのないところだと思いますが、パウエル議長がどういった見通しを語るのかが注目されます。
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