今週の相場(8/12時点)
今週のS&P500は+3.3%、NASDAQは+3.1%、日経平均は+1.3%。
米長期金利は2.83%→2.84%とほぼ変わらず、ドルインデックスは106.6→105.7と下落、ドル円も135円→133円50銭と下落。
S&P500とNASDAQは4週連続の上昇でリスクオン気分が高まり、為替市場でもドルへの避難心理が後退しています。ドル高の勢いがやや弱くなっているため、ドル円上昇の推進力にも陰りが感じられるところですが、保険としての通貨分散の必要性を疑う人はいないでしょう。
注目された米7月CPIは、前年比で+8.5%と、前月の9.1%よりは鈍化。前月比では0%と、下がっているわけではないものの、そろそろピークではとの観測を裏付ける数字とはなりました。
また、7月の卸売物価指数(PPI)は前月より0.5%低下と、2020年4月以降で初めて低下。
前週の強い雇用統計と合わせて考えると、インフレはようやくピークを迎えつつあり、景気は依然強いからソフトランディング可能という推測が成り立ち、株式相場はアップトレンドが継続する結果となりました。
コモディティ市場では、先週10%も下がったWTI(原油)が3%反発した他、銅も4%高と概ね小反発となり、悲観が若干修正されたような風景です。
個別に見ると、GAFAMがメタ+8%の他、+2~+4%。テスラは+4%。
半導体は、エヌビディアが第2Q(5~7月)売上を予想の82億ドルに対して67億ドルの見通しと大きく下方修正。マイクロンも新規投資と採用を抑制するといったニュースが流れたため、半導体市況の悪化は確実なものと捉えられましたが、既に株価は相当程度織り込んでおり、SOX指数は+0.5%と、他指数に比べて見劣りはするもののプラス引けでした。
エネルギー株は、エクソン+6%、シェブロン+4%と、原油価格がやや持ち直したこともあって反発。
長く見放されていたトラベルや小売り系も、多くの銘柄が今週で50日線を越えてきました。
CMEの金利先物市場では、9月FOMCでの0.5%利上げで2.75~3.0%が58%と過半数。年末FFレートは3.5~3.75%が最多。
来年7月は3.5~3.75%が最多と、来年は利上げ打ち止め想定が多数派となっています。
インフレに鈍化の兆しとは言っても、物価は+8%で賃金は+5%ですから、生活レベルは悪化しているわけですし、家賃の更改等これから来るものも多いので、消費者気分としては、株式相場ほど明るくなっているとは思えません。
秋の中間選挙を控え、FRBはインフレ退治を最優先に行動するものと考えられ、米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は10日、「勝利宣言にはほど遠く、政策金利を年末までに3.9%、2023年末までに4.4%に引き上げる必要がある」と述べています。
株式相場の過度の反発はインフレファイティングに好ましいものではないので、8月下旬のジャクソンホールで口先牽制があるだろうとの観測もあります。
また、FRBがCPIよりも重視するPCEは、26日発表です。
いずれにせよ投資家はこの1か月間、ファンダは悲観、チャートは楽観、さてどっちに付くのか、という問いを突き付けられてきました。
通常、株式は金利の逆数ですから、いまだ利上げの終点も見えないうちに株が底打ちすることに違和感を感じている慎重な人と、素直にチャートについて買っている人と、相場観は分かれるところかと思いますが、個人的には半身で低PER銘柄に乗っているという状態です。
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