今週の相場(8/5時点)
今週のS&P500は+0.4%、NASDAQは+2.2%、日経平均は+1.3%。
米長期金利は2.66%→2.83%と急上昇、ドルインデックスも105.8→106.6、ドル円も133円20銭→135円ちょうど近辺と、金利に追随しています。
7月雇用統計は、失業率が3.5%と3.6%から低下し、雇用者数は+52.8万人と大きく増加。5月、6月分も計2.8万人の上方修正です。
平均時給は前年比+5.2%と6月と同じで、労働参加率は62.1%と、62.2%から低下。
統計からは、総労働者数も失業率もコロナ前水準に復帰して、労働者の奪い合い状況が激しくなっているように見え、金利上昇とドル高に振れました。なお2020年1月の労働参加率は63.4%であり、この点はコロナ前に戻っていません。
ドル円は、直近高値139円30銭から安値130円30銭まで9円下がって4.7円上昇と、半値戻し達成になっています。
コモディティ市場では、原油(WTI)が10%下がったのが目立ちます。今週のOPECプラス会合では、現在の日量2898万バレルに対して、10万バレル増産と、僅か0.3%の供給増が決定されましたが、市場では景気後退による需要減観測を反映した下げだと解説されています。
金曜日の米株式市場は、NASDAQが0.5%安、SOX指数が0.9%安と、大きく金利高が進んだ割には軽微な下げにとどまった印象です。
週間では、アップル+2%、アマゾン+4%ですが、テスラ3%安、ウォルマート4%安と、全般に小幅マチマチの様子。
ただエネルギー株は、エクソン9%安、シェブロン6%安と大きく下げました。
半導体は、インテルが冴えない決算を引きずって3%安ですが、AMDが+8%、エヌビディアが+5%など、SOX指数は週間で+3%と堅調でした。
強い雇用統計を受けてFEDウォッチでは、9月FOMCでは0.75%利上げで3~3.25%になるとの予想が約7割。年末政策金利は3.5~3.75%が最多予想ですが、今年のボードメンバーであるセントルイス連銀のブラード総裁は、年末までに3.75%~4.00%への政策金利引き上げが望ましいと発言しています。
また来年7月は3.25~3.5%が予想最多と、市場は来年の利下げを想定していますが、米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、FRBが来年に利下げに転じる可能性は極めて低いと述べています。カシュカリ総裁は、2023年のボードメンバーです。
9月FOMCまでは、あと1回の雇用統計と2回のCPI発表がありますが、4回戦の初戦は「インフレ手ごわいぞ派」の勝利と言ったところです。
世間の目は利上げペースに集中しがちですが、もう一方のインフレ対策であるQT(量的引き締め)について、FRBはあまり熱心ではない様子です。
公表されたQT方針では、6月から月475億ドル、9月からは月950億ドルが上限ですが、実際のFRB保有証券残高を見ると、6月が232億ドル減少、続く7月は170億ドル減少と慎重な姿勢が目立ちます。
7月CPI(10日発表)次第では、インフレ対策として有効なのは利上げよりもドルの吸い上げじゃないの?という声が高まりそうに思われます。
市場はコモディティ価格に注目してインフレ鈍化予想であり、FRBは賃金に注目してインフレ長期化予想と見方が分かれているように見えます。
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