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September 25, 2022

今週の相場(9/23時点)

今週のS&P500は4.6%安、NASDAQは5.1%安、日経平均は1.5%安。DOW指数は年初来安値です。

米長期金利は3.45%→3.69%に上昇、ドルインデックスは109.6→113に上昇、ドル円も142円90銭→143円30銭へとドル高が進みました。

21日のFOMCでは、予想どおり0.75%の利上げ。FRBメンバーが予想する年末金利は4.4%と前回の3.4%から上方修正され、来年末時点も4.6%と前回の3.8%から切り上がりました。

CMEのFedWatchでの年末金利は、4.25-4.5%が予想最多ですので、残り2回のFOMCで1.25%の利上げが織り込まれています。11月FOMCでは、4回連続の三段跳びが見られそうです。

日本政府は為替市場に単独で円買い介入しましたが、貴重な外貨を無駄遣いする愚策という評価になると思います。「介入は買い場」が法則ですから、ドルを買い増ししました。

介入は一時的に145円を140円まで押し下げましたので、倍返しで150円という分かりやすい目標が設置されました。

英国政府はインフレ対策として大型減税と国債発行増額を決めましたが、英国は株、債券、通貨のトリプル安に見舞われました。ポンド/ドルは先週の1.14から1.08に急落し、パリティ予想が増えています。

ポンドと言えば1992年、ジョージ・ソロスによるポンド売りが有名ですが、あの時もポンドを買い支えようと市場介入していたイングランド銀行が白旗を揚げました。

コモディティ市場では、WTIが7%安、ドクターカッパーが5%安。

市場の懸念はインフレと不景気両方となり、買えるリスク資産が殆ど無くなってきました。ビットコインも節目の2万ドルを下回っています。

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September 18, 2022

今週の相場(9/16時点)

今週のS&P500は4.8%安、NASDAQは5.5%安、日経平均は2.3%安。

米長期金利は3.3%→3.45%に上昇、ドルインデックスは109.0→109.6に上昇、ドル円も142円60銭→同90銭へと小幅に円安が進みました。

大注目だった8月CPIは、ガソリン価格の下落等によって、総合CPIは前年比で+8.5%から+8.3%に下がったものの、予想の+8.1%には届かずでがっかり。

またコア指数は、前年比+5.9%から+6.3%に加速。前月比では+0.3%から+0.6%と倍速化して、スーパーがっかり。

インフレの主役は石油などの資源価格から賃金と住居費に交代。改めてコア指数の重要性が意識され、下方硬直性が強い「粘着質のインフレ」が見える化されることとなりました。

ドル円チャートは既にかなりの過熱域にあったため、個人的には急速な円高を懸念していましたが、この結果を受けて再び145円に接近する逆のリスクが生じました。とは言え過熱気味のチャートであることに変わりはなく、現在は日柄調整入りとなっているものと思います。

なお日本政府による市場介入の可能性はほぼゼロ。仮に実施しても、倍返しの失敗となるのが関の山と考えられています。

このCPIの結果を受けて、来週のFOMCでは0.75%の利上げが確実視されており、年末FFレートは、4.0-4.25%が予想最多で、残り3回のFOMCで計1.75%の利上げが織り込まれています。

よほどのインフレ急速鈍化が起こらない限り、来年は4%以上のFFレートが相当期間持続するという高金利時代になり、株式の配当利回りよりも債券利回りが魅力的に見えるようになりそうです。

S&P500もNASDAQも、今年最安値まであと5%ほどに迫ってきましたので、今のペースなら来週にも到達しそうです。

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September 11, 2022

今週の相場(9/9時点)

今週のS&P500は+3.6%、NASDAQは+4.1%、日経平均は+2%。3週連続の反省モードから自律反発ムードに変わり、3指数とも50日線を上抜けました。

米長期金利は3.2%→3.3%に上昇、ドルインデックスは逆に109.6→109.0に下降、ドル円は140円20銭→142円60銭と円安が進みました。

ECBがユーロ史上初の0.75%の大幅利上げを行って政策金利が1.25%に上昇したことで、ユーロドルのパリティ割れが解消されました。ドルインデックスの構成は、58%がユーロです。

コモディティ市場では、WTIは2%安でしたが、銀と銅は5%反発しました。

個別銘柄では、テスラが+8%、アマゾン+4%など。アップルは0.4%安と、iPhone14への期待度は低そうです。

半導体関連ではエヌビディアが+3%、アプライドマテリアルズとオンセミが+5%などで、SOX指数は+4.7%。

トラベル系も総じて買われ、エアラインでは、ユナイテッド+12%、アメリカン航空+10%。クルーズは、ロイヤルカリビアン+15%、カーニバルクルーズが+11%。ブッキングHDも+8%でした。

セクター別で見ると、エネルギーが+1%台と低く、上位はテクノロジー、ヘルスケア、素材、情報技術などが4~5%上昇と、比較的万遍なく買われている印象です。

エネルギーだけが高くて他の全てが凹んでいた2週間前とは反対の風景になっています。

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September 04, 2022

今週の相場(9/2時点)

今週のS&P500は3.3%安、NASDAQは4.2%安、日経平均は3.5%安。3週連続の反省モードとなりました。

米長期金利は3.0→3.2%に上昇、ドルインデックスも108.8→109.6へ上昇、ドル円も137円50銭→140円20銭とドル買いが進みました。

FRBは株式相場の過度の反発によってインフレが後押しされるのを嫌がっていますので、ドル高株安傾向は、「FRBに逆らうな」を実践しているものと解されます。

ドル円の140円は、購買力からすればバブル的な水準という声もありますが、バブルであるほどトレンドは強いので、逆張りは禁物だと思われます。

次なる目標は、98年8月の147円ですが、ちなみにその直後にロシア国債のデフォルトが起こり、ドル円は同年10月に110円まで急降下しますが、今の円は安全資産では無く、むしろ何かあったら「有事のドル買い」で、円安が加速しそうな気さえします。

いつでもノホホンとした平和ボケ日本は危機に弱く、3月からの円売りは、ロシアのウクライナ侵攻直後から始まりました。

米8月雇用統計は、雇用者数が31万5000人の増加。失業率は前月の3.5%→3.7%に上昇し、労働参加率も62.1%→62.4%に上昇。

平均時給は前月比0.3%増と、前月の0.5%増から低下し、前年比では5.2%と7月と変わらず。

労働参加率の0.3%増加は、人数にすると60万人強。失業率も上昇し、かつ賃金の伸びが鈍化していることから、僅かながら労働市場の逼迫に緩みが生じ、求人しやすくなっていることが想像されます。

FRBの利上げを加速させるようなホットな数字ではなく、かといって手綱を緩めることが予想されるほど冷えた数値でもないとの印象で、9月利上げ予想は+0.75%が56%と過半数です。

また来年のFFレートは、3.75-4.0%が長期間持続するとの予想となっています。

ガソリン価格の下落傾向は続いているので、13日発表予定の米8月CPIは、前月に引き続いて改善方向だと予想しますが、そこから目標の2%に抑え込んでいくのは、相当長い道のりになるのではないかと思われます。

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