今週の相場(9/16時点)
今週のS&P500は4.8%安、NASDAQは5.5%安、日経平均は2.3%安。
米長期金利は3.3%→3.45%に上昇、ドルインデックスは109.0→109.6に上昇、ドル円も142円60銭→同90銭へと小幅に円安が進みました。
大注目だった8月CPIは、ガソリン価格の下落等によって、総合CPIは前年比で+8.5%から+8.3%に下がったものの、予想の+8.1%には届かずでがっかり。
またコア指数は、前年比+5.9%から+6.3%に加速。前月比では+0.3%から+0.6%と倍速化して、スーパーがっかり。
インフレの主役は石油などの資源価格から賃金と住居費に交代。改めてコア指数の重要性が意識され、下方硬直性が強い「粘着質のインフレ」が見える化されることとなりました。
ドル円チャートは既にかなりの過熱域にあったため、個人的には急速な円高を懸念していましたが、この結果を受けて再び145円に接近する逆のリスクが生じました。とは言え過熱気味のチャートであることに変わりはなく、現在は日柄調整入りとなっているものと思います。
なお日本政府による市場介入の可能性はほぼゼロ。仮に実施しても、倍返しの失敗となるのが関の山と考えられています。
このCPIの結果を受けて、来週のFOMCでは0.75%の利上げが確実視されており、年末FFレートは、4.0-4.25%が予想最多で、残り3回のFOMCで計1.75%の利上げが織り込まれています。
よほどのインフレ急速鈍化が起こらない限り、来年は4%以上のFFレートが相当期間持続するという高金利時代になり、株式の配当利回りよりも債券利回りが魅力的に見えるようになりそうです。
S&P500もNASDAQも、今年最安値まであと5%ほどに迫ってきましたので、今のペースなら来週にも到達しそうです。
個別銘柄は言うまでもなく全滅に近い状態。マイクロソフト、グーグル、アマゾンが仲良く7%安となり、グーグルは一足先に(?)年初来安値です。
テスラは+1%と粘りましたが、アップルは4%安。
下方修正のフェデックスが何と23%安。一般的に輸送株は全体の先行指数と見られており、投資家心理を更に暗くしました。
半導体はAMDの10%安を筆頭に総崩れ状態で、SOX指数は6%安。
辛うじてストライキが回避されたと伝わった鉄道関連も、ユニオンパシフィックが9%安など大幅安。
誰がどう見ても株式投資には厳しい環境ですが、VIX指数は26と中途半端(?)で、底打ちするには恐怖が足りない状態とも見られています。
有力な投資ブロガーなどの観測を総合すると、今後のメインシナリオは、10月に米国株式指数が年初来安値を更新した後で、ゆっくりゆっくり持ち直すといったところではないかと思われます。
投資家は憶病になっていますので、何かのきっかけで更にドスンという事態も有りうると身構えておくべき局面かと思います。
Comments