今週の相場(9/2時点)
今週のS&P500は3.3%安、NASDAQは4.2%安、日経平均は3.5%安。3週連続の反省モードとなりました。
米長期金利は3.0→3.2%に上昇、ドルインデックスも108.8→109.6へ上昇、ドル円も137円50銭→140円20銭とドル買いが進みました。
FRBは株式相場の過度の反発によってインフレが後押しされるのを嫌がっていますので、ドル高株安傾向は、「FRBに逆らうな」を実践しているものと解されます。
ドル円の140円は、購買力からすればバブル的な水準という声もありますが、バブルであるほどトレンドは強いので、逆張りは禁物だと思われます。
次なる目標は、98年8月の147円ですが、ちなみにその直後にロシア国債のデフォルトが起こり、ドル円は同年10月に110円まで急降下しますが、今の円は安全資産では無く、むしろ何かあったら「有事のドル買い」で、円安が加速しそうな気さえします。
いつでもノホホンとした平和ボケ日本は危機に弱く、3月からの円売りは、ロシアのウクライナ侵攻直後から始まりました。
米8月雇用統計は、雇用者数が31万5000人の増加。失業率は前月の3.5%→3.7%に上昇し、労働参加率も62.1%→62.4%に上昇。
平均時給は前月比0.3%増と、前月の0.5%増から低下し、前年比では5.2%と7月と変わらず。
労働参加率の0.3%増加は、人数にすると60万人強。失業率も上昇し、かつ賃金の伸びが鈍化していることから、僅かながら労働市場の逼迫に緩みが生じ、求人しやすくなっていることが想像されます。
FRBの利上げを加速させるようなホットな数字ではなく、かといって手綱を緩めることが予想されるほど冷えた数値でもないとの印象で、9月利上げ予想は+0.75%が56%と過半数です。
また来年のFFレートは、3.75-4.0%が長期間持続するとの予想となっています。
ガソリン価格の下落傾向は続いているので、13日発表予定の米8月CPIは、前月に引き続いて改善方向だと予想しますが、そこから目標の2%に抑え込んでいくのは、相当長い道のりになるのではないかと思われます。
コモディティ市場では、銅が8%安、WTIが6%安と景気後退観測を強く反映しており、ロシアから欧州へのガス供給は、そもそもこの冬に十分な供給があるのかどうかという根本的な不安が欧州経済への悲観的な見方を強めています。
ユーロ圏は、アメリカよりもインフレ率が高いのに景気はより悪いので、どこまで金利を上げることができるのか懐疑的にみられており、ユーロドルは今週末もパリティ割れです。
米国個別銘柄の様相は、先週に引き続いて総崩れ状態です。
先週は上昇していたエクソン、シェブロンといった資源銘柄も3%程度の下落。半導体は対中国禁輸ニュースのあったエヌビディアが16%安、AMDが12%安で、SOX指数は7%安。
NASDAQは50日線を割れ、6月に安く買えた人も、ほとんど利益が無くなったというレベルまで下がってきました。
しかしながら、VIXは「25」と6月の「34」より低く、Fear & Greed Indexは「41」と6月の「18」には程遠い状態で、投資家の恐怖感はさほど高まっていません。
そもそも9月10月は株式の鬼門的なシーズンであり、投資家が投げ切っていないと見られる現状は、想定外のショックに対して思わぬ深い溝ができやすい状態かと思われます。
レイバーデイ明けの来週は、多くの機関投資家が夏休みから戻って真剣に相場に取り組むスタート時点であり、相場の方向性が変わりやすいとも言われているので、8月CPIと合わせて良く観察することが重要かと思われます。
キャッシュポジションを多めにしておくことはマストと思います。
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