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November 06, 2022

今週の相場(11/4時点)

今週のS&P500は3.3%安、NASDAQは5.6%安、日経平均は0.3%高。なお、DOW指数は1.4%安と健闘しました。

米長期金利は4.01%→4.16%に上昇したものの、ドルインデックスは110.7→110.8とほぼ変わらず、ドル円は147円48銭→146円70銭とドル安方向でした。2年債金利も、4.41→4.65%と上昇しましたが、ドル買い反応は鈍くなりました。

2週連続の株高を見て、FRBのパウエル議長は「インフレに良くないから少し冷やそう」という気分になり、まずは10月30日のWSJで、「キャッシュリッチな消費者は、長期にわたって金利上昇を意味する可能性がある」と牽制。

そして予想どおりの0.75%利上げを決定したFOMC後の会見では、「利上げはより早くではなく、より高く、より長く」と、仮に12月FOMCで利上げ幅が縮小されたとしても、金利の最終到達点(ターミナルレート)は想定よりも高くなり、利下げは遠くなる可能性を示唆しました。

このため、楽観していた株式投資家は落胆して株を放り投げることになり、全てはデータ次第という振出しの気分に戻ったところで10月雇用統計が出ました。

雇用者数は26.1万人増加と予想の20万人増を上回ったものの、失業率は3.7%と前月の3.5%からは悪化し、賃金は前年比+4.7%と予想どおり。

1勝1敗1引き分け程度の内容でしたが、2年債金利は前日の4.71%から4.65%まで下がり、4日連続安のS&P500は反発と、強すぎる雇用統計ではなかったと受け止められた様子でした。

FedWatchでは、12月FOMCでの利上げ予想が、0.5%が52%、0.75%が48%と拮抗していますが、パウエル議長が、「より高くより長く」と、争点をずらしてしまったので、これまでほどは重要視されなくなったかもしれません。

ちなみに来年末の最多予想レートは4.75-5.0%となっており、1週間前の4.5-4.75%から0.25%上振れしています。

コモディティ市場では、銀が+9%、銅が+8%、WTIが+5%と反発。ゼロコロナ政策の修正の噂が飛び、売られる一方だった中国関連株が反発したことに呼応した動きのようにも見えます。

個別銘柄では、アップルの11%安に代表されるように、GAFAMやテスラが揃って概ね1割安。

上昇銘柄としては、納入を一時停止していた中型機「787」増産を発表したボーイングの+11%が目立つ程度です。

半導体は、決算発表したクアルコムが11%安に対してマイクロンが+4%などと明暗が分かれていますが、SOX指数は1.5%安と、比較的小幅な下げで済んだ印象です。

NASDAQは10月安値の10321にあと1.5%の10475と再接近していますが、SOX指数は10月安値2162に対して2396と、まだ10%上回っており、新安値不安に関しては余裕があります。

株式投資家は弱い経済指標によるFRBのハト派化を望んでいますが、雇用統計は十分に弱いとは言えない手堅い内容でした。

足元では、アマゾンの新規採用凍結やツイッターの従業員半減報道などが話題になっているものの、全米ベースで雇用市場が大きく緩んでいるとは確認できない状態であり、 9月の求人件数が1072万件と予想を大きく上回ったことも、インフレファイティングの観点からは歓迎されない環境です。

早く景気の悪い経済指標を見たいという株式投資家の希望は、来週の10月CPIに持ち越されました。

なお、金利上昇の割にはドル円が伸びなくなった点に関しては、覆面介入が継続しているとの意見や利上げの終わりを先読みしたドル高の一旦終焉などの見解が見られますが、いずれにせよFXでのドル円ロング戦略の難易度は増してきたと感じられます。

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