今年の相場(12/30時点)
今週でキリ良く年末となりましたが、2022年の株式相場は最後まで冴えない展開でした。
S&P500は年間で2割下げ、NASDAQは3分の1の価値を失いました。NASDAQは、これだけ下げてもまだ予想PER22倍で、割安とは言い切れない水準です。
FFレートは1年で0.25%から4.5%にジャンプし、米長期金利は昨年末の1.5%から3.9%となり、ドルインデックスは96から103と、7%上がりました。
ドル円は115円から131円と、およそ14%の上昇(円安)と、ドルインデックスの上昇率の2倍となっており、ドル高と円安の夢の共演(?)と言えそうです。
米長期金利は、10月の4.2%でピークを打った可能性が高いとの前提で、秋以降はドル安株高をメインシナリオとして相場を観察してきましたので、この4Q(10-12月)の結果を確認してみると、ドルインデックスは8%安、S&P500は+7%、ダウ(DJI)は+15%、NASDAQは1%安。参考までに、SOX指数も+10%です。
NASDAQを除けば、10月以降のドル安株高という視線は、さほど間違ってはいませんでした。
では、誰が悪いのか。
現時点で、GAFAMがナスダックの時価総額全体に占める割合は46%あり、これにエヌビディアとテスラを足すと52%と過半数。
この7社の時価総額は、年初来で612兆円ほど減少しており、これはNASDAQ全体の時価総額の減少分の68%と、下げ相場への貢献度抜群で、東京市場が丸ごと1個消えたようなものです。
メタとテスラは3分の1になり、アマゾンは半分になり、グーグルは4割減、アップルとマイクロソフトは4分の1減少。ちなみにビットコインは48000$から16000$台と3分の1で、メタ、テスラと同じ最弱クラスに分類されます。
こうしたビッグテック群では、コロナバブルによる厚化粧がモロに剥げ落ちましたが、今後に向けて更なる悪材料も観測されています。
ネット広告の頭打ち、クラウドサービスの競争激化、チャットGPTによるグーグルの牙城への挑戦、アップルのショバ代30%への暴利批判、テスラにはEV競争激化と中国市場不安、半導体業界では需要と投資の減少などなど。
テスラのチャートを見ると、年末になってセリクラ模様となっており、流石に底打ち気分が窺えるものの、では来年反発するのかというと疑問符が感じられます。
2023年の展望については全くの視界不良ですが、米国市場の大きな構図としては、FFレートのピークアウトと、リセッションの到来という複合的な風景が予想されます。
FRBが利下げに転じるとすれば、それは不況到来であり、不景気で企業業績が低下すれば、株価は好材料と悪材料が打ち消し合ってしまう可能性があります。
ただ、ドル高の勢いは失われていくとするなら、これはドル債務の多い新興国に有利ですから、米国以外で成長の芽を探そうとする動きは活発化するかもしれません。例えば2022年のトルコ株は、ドル建てで見ても絶好調でしたが、全く見落としていました。
独特のエルドアン理論が正しかったかどうかはともかく、来年は米国以外を見ることにも注意しようと思います。
個人的には、株式口座残高は昨年末比で7%増加しましたが、これは口座内のドルが太っただけ。株式実現損益は若干のマイナスで、FXでは久々に7桁勝てました。
そもそも相場の波乱は金利変動と表裏一体であり、今年はFFレートが事実上のゼロから4%以上になり、米住宅ローン金利は3%から6%超になりました。
来年も同様の金利急上昇があるとは考えにくいので、今年よりは株式投資で果実を得られやすい環境になるのではと思われますし、インフレが想定よりもしつこく、米長期金利が思ったより高くなるなら、米国債を買うという手もありそうです。
本年も、このようなマイナーブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
どうぞそれぞれに、良いお年をお迎えください。
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