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January 15, 2023

今週の相場(1/13時点)

今週のS&P500は+2.7%、NASDAQは+4.8%、日経平均は+0.6%。

米長期金利は3.56%→3.50%に下落、ドルインデックスは103.9→102.2と下方向、ドル円は132円10銭→127円80銭と、大きく円高。全体的にはドル安株高でした。

12日発表の米12月CPIは前年比で+6.5%、コアが+5.7%と全くの予想どおりという珍しい結果で、インフレ鈍化傾向が確認されました。

予想どおりなら相場は動かないはずですが、為替に関しては、12日当日の読売新聞朝刊の報道がインパクト絶大でした。

『日本銀行は17、18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する。昨年末の政策修正後も市場金利にゆがみがあるためだ。必要な場合は追加の政策修正を行う。』

これは、10年金利の上限を0.50%から再度引き上げる可能性が大きいと読めるので、国債ショート勢にとっては大援軍。

NYタイムでドル円は、130円台から129円台に突入し、さらには翌13日の東京時間で10年債金利が0.5%を超えたことで「日銀白旗か」の思惑が走って128円台に入り、再度のNYタイムで127円台です。

東海東京証券の佐野一彦氏は「市場は日銀が来週の金融政策決定会合でYCCを撤廃するとの予想の一択になっている」と指摘しています。

そもそも昨年の円安は、日銀が10年金利を固定しているからこそ日米長期金利差が過度に拡大したとも言えるので、いわば「日銀ギブアップしろ」の催促相場だったとも解されそうです。

米株相場のセンチメントは、FRBの利上げ終了を先読みしたリスクオンとなっており、VIX指数が20を割れ、Fear & Greed Indexは42→63と、一気にGREEDゾーン入りしています。

FedWatchでは、2月FOMCでの0.25%利上げ確率が94%と確実視され、FFレートは年内に5.0%に達した後、年末には4.75%が予想最多。0.25%刻みで2回上がって1回下げる、です。

個別では、ビッグテックに資金が戻り、アマゾン+14%、テスラ+8%、マイクロソフト+6%など。

半導体は、エヌビディアが+14%、AMDが+11%など人気銘柄の上げ幅が大きく、SOX指数は+6%でした。

エアライン系も引き続き強く、ユナイテッドが+22%、アメリカン航空+20%、ETFの「JETS」は+9%でした。

ざっくり言って、ディフェンシブ系以外は全部プラスといった風景です。

コモディティ市場も全般堅調で、銅もWTIも+8%と景気弱気論が後退の様子。ドクターカッパーは中国のフルコロナ(?)政策を歓迎しているのでしょうし、ゴールドは年初来で+5%と、節目の1900ドルを超えて昨年4月以来の高値となっています。

株高心理は仮想通貨にも波及し、ビットコインが週間で2割も上昇。追い込まれた日銀を除けば、みな笑顔になっていそうです。

そもそもYCCは愚策なので、続けようが止めようがどうでも良い話ですが、日本が高金利に耐えられない体質なのは間違いなく、どうやってこの借金財政と低金利を維持していくかは、財政との協力も含めて、極めて重要な課題です。

この国家的難題は日銀新総裁に引き継がれますが、明らかなババを引いて積極果敢に取り組もうという人がいるはずもなく、さんざん散らかした後の片付けだけ押し付けられるなどトンデモナイと、候補の誰もが総裁就任を固辞しています。

その意味では、せめて自分がした事の始末くらいはして去れ、というプレッシャーがミスタークロダにはかかっていますので、日銀会合で何らかの具体的な政策変更がある確率は高いと専門家も見ているようです。

今年はまだ2週間ですが、米国株が好調でも円高がその成果を相殺してしまう出足となっており、年初来でS&P500が+4%に対してドル円は3%安。

円ベースでは年初来でパフォーマンスゼロも想定されますが、あの怒涛の円安が151円で止まったように、今の円高トレンドもどこかで折り返しの地点を探っているはずで、私のドタ勘では、まずは125円がポイントではないかと注目しています。

今週の「米国以外」はカザフスタンを取り上げますが、あまりに長くなるので、別稿とします。

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