« 投資観点でのカザフスタン | Main | 投資観点でのルーマニア »

January 22, 2023

今週の相場(1/20時点)

今週のS&P500は0.7%安、NASDAQは+0.6%、日経平均は+1.7%。

米長期金利は3.50%→3.48%に下落、ドルインデックスは102.2→102.0、ドル円は127円80銭→129円50銭と円安方向。株も為替も小動きで、明確な方向性は掴みにくい展開に見えます。

今週は、日銀会合が世界的に注目されるという極めて珍しいイベントがありましたが、結局日銀はホテル「YCC」からチェックアウトして現実を直視する勇気を出せず、得意の問題先送り。インフレ下で金利を強引に抑え込むという愚策の継続を選択しました。

日銀次第では大きく円高株安という正常化(?)が進む可能性があったので、キャッシュを多めに用意してバーゲンを狙いましたが、無駄でした。日銀が買い支える日本株は、同じ場所を堂々巡りしています。

ドル円は失望によるショートカヴァーで128円から131円に一気に弾んだものの、基本的には材料が出なかったのですから、ポジション整理が終わると反動ですぐに127円まで戻り、そこから少し冷静な円安が進んで129円という推移。

19日公表の2022年貿易速報によると、貿易収支は19兆9713億円の赤字となり、比較可能な1979年以降で最大の赤字。投機的なポジションはいずれ消えるものなので、結局は貿易収支で為替が動くというのが伝統的なメカニズムです。

コモディティ市場では、銅が+1%、WTIが+2%と、依然として中国の経済再開方針への期待が資源価格を支えている様子です。

個別では、テスラ、グーグルが+8%ですが、アマゾンが+2%で、マイクロソフトは変わらず。ビッグテックの中ではリストラの遅れていたグーグルも、社員6%の削減を発表しています。

半導体ではエヌビディアが+8%ですが、SOX指数は0.2%安。大きく売られた銘柄の買戻しは目立つものの、物色が広がっているとは言い難い風景です。

金融機関の決算発表が始まっていますが、ゴールドマンは8%安、JPモルガン3%安、バンカメ2%安、ウエルズファーゴ+3%、シティ+4%とマチマチの評価。

金利が上がっているので、通常の融資業務の収益性は改善しているものの、株式市場低迷でトレーディングやM&Aサービスなどは不振というのが、金融業界の大きな構図かと思われます。

米長期金利は低下傾向ですが、これは株式への支援効果と、リセッション到来のサインという両面があり、必ずしも素直に好感できないという心理が働き、短期的にはまだ利上げが続く環境と相まって、株価の本格的離陸にはまだ時間がかかりそうだという見方が支配的かと思います。

Fedwatchでは、2月FOMCでの0.25%利上げ予想が99%と、事実上確定。その後もう一回0.25%利上げでFFレートが5.0%となって、11月からは利下げが始まるという見込みが最多です。

投資家は、大きく売られたテック株の買戻しや、米国以外の新興国市場に目移りしているものの、米国主要指標は一進一退。

もうしばらくは辛抱が続きそうなムードです。

|

« 投資観点でのカザフスタン | Main | 投資観点でのルーマニア »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 投資観点でのカザフスタン | Main | 投資観点でのルーマニア »