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March 31, 2023

投資観点でのポーランド

ポーランドとは「平原の国」という意味で、最も勢力が強かった16世紀から17世紀にかけては、ポーランド・リトアニア共和国が成立して欧州一の大国となり、隣国のウクライナは属国でした。

しかし1648年にウクライナ・コサックが反乱を起こして自治権を得ると、1654年にロシアはウクライナを併合。それを機にポーランド・リトアニアとロシアが戦争になると、それをチャンスと見たスウェーデンが攻め入ってくるなど、常に周辺の強国に狙われ、国土はしばしば削り取られました。

1795年には、ロシア、プロイセン、オーストリア三国に分割されて、とうとうポーランドは消滅。100年以上も経った1918年に独立を勝ち取りますが、戦時中はナチスドイツに、戦後はソ連に蹂躙されました。

有名人には、ショパンやコペルニクス、ノーベル賞を2回取ったキュリー夫人などがいます。

1810年にショパンが生まれたのは、ナポレオンがプロイセンとの戦争に勝って打ち立てたワルシャワ公国ですが、ショパンが20歳でウイーンへ発った後にロシアの支配地域となり、ショパンは故郷に帰ることなく39歳でパリで死去。心臓だけが、姉の手で祖国に帰りました。

ソ連解体後は、「欧州への回帰」を合い言葉に、1999年3月にNATO加盟、2004年5月にはEU加盟を果たしたものの、現在の与党「法と正義」は保守色が強いカトリック右派政党であり、ほぼ全面的に中絶を禁止するなど、その強硬な政策がしばしば国内でも摩擦を生み、EUとも緊張関係を深めているとの指摘が見られます。

良し悪しはともかく、西に位置するプロテスタントの強国ドイツとも、東の大国である正教のロシアとも違うカラーが感じられます。

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March 26, 2023

今週の相場(3/24時点)

今週のS&P500は+1.4%、NASDAQは+1.7%、日経平均は+0.2%。

米長期金利は3.44%→3.37%に低下、ドルインデックスは103.9→103.1に低下、ドル円は131円80銭→130円70銭とドル安。金利低下でドル安株高という素直な反応でした。

コモディティ市場では、銀と銅が+5%、WTIが+4%。

今年になってゴールドは+9%、銀は+7%と、銀が出遅れを取り戻してきました。金の上昇につられて銀のショートカバーが入っているといった解説がされています。WTIは先週13%も下落したので、反動の反発かと思われます。

クレディを買収したUBSは+4%と落ち着いていましたが、次の破綻候補と騒がれているファーストリパブリック銀行は46%安と、依然として地銀不安は払しょくされていませんが、相場の全体像としては、金利安が株への資金移動を後押ししていると言えそうです。

22日のFOMCは、予想どおりの0.25%利上げ。一部では利上げ休止が期待されていましたが、その場合は、それほど金融システムは脆弱なのかと却って不安を煽り、かつインフレファイティングも一時停止と、どちらも得られない結果になった可能性がありますので、FRBの決定は妥当だと思います。

また、イエレン財務長官が保険保護を全預金に拡大することに否定的な発言をしたことで株売りになったとの解説もありますが、彼女の発言は当然のことで、この程度でジタバタすること自体が投資家の甘えの構造を示しています。

ルールを曲げた預金保護は本来モラルハザードですが、そうした批判をかわすために当局は、「破綻時の預金者保護かつ投資家非保護」の姿勢を取っているものと思います。

クレディの発行したAT1債が一部無価値になったことが話題になっていますが、そもそもは増資が困難な発行体が金利の高い債券で見かけの自己資本を充実させることが出来るという大甘(インチキ?)ルールにホイホイ乗った投資家が損をしただけの話なので、これも笑われておしまいでしょう。

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March 19, 2023

今週の相場(3/17時点)

今週のS&P500は+1.4%、NASDAQは+4.4%、日経平均は2.9%安。米国のITやテック系の多くの株は買われています。

米長期金利は3.70%→3.44%と大きく低下、ドルインデックスは104.6→103.9、ドル円は135円10銭→131円80銭。2年金利も4.59%→3.85%に急降下し、金利安ドル安という自然な反応です。

資産規模28兆円のシリコンバレー銀行破綻の直後、NY本拠のシグネチャー銀行(資産規模15兆円)が当局によって事業停止を命令されました。同行は、仮想通貨を使ったマネロン疑惑が報道されています。

次々と破綻する銀行のニュースは、脆弱な地方銀行への取り付け騒ぎ的な不安を誘発し、西海岸を拠点とするファースト・リパブリック・バンク(資産規模28兆円)の株価が週間で72%も下落。大手民間銀行11行が総額4兆円の預金支援を発表しましたが、株価下落は収まっていません。

欧州では、もともとダメ銀行のクレディスイス(資産規模75兆円)に不安が伝染し、UBSが救済合併を検討しています。かつてのスイス3大銀行(UBS、スイス、クレディ)が一つになってしまうことは、ほぼ確定的です。

金融関係者は不安払しょくのために、過去の経験を生かして様々な努力をしていますが、何か対策が発表されると、それほど悪かったのかとまた不安が走るという悪循環心理は収束しておらず、中小銀行からのシフトで預金が大幅に増えているというJPモルガンやウエルズファーゴといった大手銀行でも株価下落が止まっていません。

モルスタの22%株主であるMUFJは今週10%下落、SMBCは11%下落と、日本の金融株への負の影響も続いています。

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March 13, 2023

投資観点でのフィリピン

最近、収容所からのリモート犯罪で話題になったフィリピン。

80年代には、空港で射殺されるベニグノ・アキノ氏のショッキングな映像が世界に向けて配信されましたし、イメルダ・マルコス夫人の3千足の靴も話題となり、一般的なフィリピンのイメージは、犯罪と格差かもしれません。

2016年から1期6年大統領を務めた元検事のドゥテルテは、犯罪者を即時殺害することを容認。しかしながら間違った「処刑」もあったとされ、人権団体からは強く批判されました。

またドゥテルテの選挙資金には、マルコス家の隠し財産が使われたとの疑惑があり、ドゥテルテはそれまで許されなかったマルコスの遺体の英雄墓地への埋葬を許可しました。

フィリピンが西洋人に発見されたのは16世紀の初め。

1521年、スペインの支援を受けたポルトガル人のマゼランが上陸しましたが、現地住民と対立して戦闘となり、セブ島の隣のマクタン島で戦死。世界一周は彼の部下が翌年達成しました。

マゼラン一行を撃退したマクタン島のラプラプ王は、現地では英雄です。

スペインは1543年、時の皇太子フェリペ2世にちなんで「フェリペナス諸島 」と、この地を命名し、これが国名の由来となっています。

1565年には、当時スペイン領のメキシコから来たミゲル・ロペス・デ・レガスピが初代総督となってフィリピンを制圧しますが、1898年の米西戦争で宗主国はアメリカに代わり、第二次世界大戦では日本が占領しました。

1942年、米極東陸軍司令官としてフィリピンにいたマッカーサーは、一時オーストラリアに撤退しましたが、その時の"I shall return" は有名です。

戦後の1946年に独立した後、1965年から約20年間は、元軍人で自称抗日ゲリラのマルコスによる開発独裁が続きましたが、83年のベニグノ・アキノ暗殺に刺激された86年の「ピープルパワー革命」で失脚してハワイへ逃れ、89年にその地で死にました。

ハワイで12歳年下の夫の死を看取ったイメルダ夫人は91年に帰国。何回かの裁判を乗り切り、下院議員にも複数回当選し、現在93歳。現大統領のフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏(64)は実の長男です。

そして副大統領は、ドゥテルテの娘のサラ・ドゥテルテ。教育大臣を兼任しているのは、マルコス家の黒い歴史を書き換えるためだろうと不安視する人もいます。

振り返ってみると、スペイン統治はこの島々にキリスト教(カトリック)を残し、アメリカ統治は英語を残したと言えそうです。

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March 12, 2023

今週の相場(3/10時点)

今週のS&P500は4.5%安、NASDAQは4.7%安、日経平均は+0.8%。

米長期金利は3.96%→3.70%、ドルインデックスは104.5→104.6、ドル円は135円80銭→135円10銭と若干のドル安。2年金利も4.86%→4.59%に大きく低下。

金利は急低下しましたが、ドルは安全通貨でもあるので、為替相場でのドルの下げは限定的でした。

注目の雇用統計から主役の座を奪い、金利低下の主因となったのは二つの銀行の破綻でした。

仮想通貨分野に集中していたシルバーゲートキャピタルは銀行業務を任意清算することを決断。株価は2021年の220$が今は2.5$です。

もう一つは、テック企業への融資で著名シリコンバレーバンク。保有債券を全て売却して身売りも検討しましたが、預金流出が止まらずに当局の管理下となりました。

少し前まで、米国の金融システムは健全なのでソフトランディング可能といった意見がありましたが、俄かに金融業界への懸念が台頭し、日本のMUFJも金曜日に6%も売られました。

FRBは10日、米国に拠点を置く銀行に緊急調査に入り、資金繰りを点検するために預金や資本の状況を確認していると報道されています。自らの利上げで仕事が増えましたが、FRBが無能でなければ、ある程度想定できていたはずです。

2月雇用統計は、雇用者数は31万1000人増と予想を上回ったものの、失業率は3.6%と前月の3.4%から悪化し、賃金は前月比+0.2%と予想の+0.4%の半分。

労働参加率が62.5%と、前月より0.1%上昇し、コロナ前の63%台の水準に近づいてきたことも良いニュースで、0.1%は約17万人に相当します。

タイトだった雇用状況にも、ようやく軟化の兆しが見えたこともあり、株式投資家が待っていた金利低下が実現したものの、それは一部銀行への懸念という新たなリスクオフ材料によってもたらされた面が強いため、株は売られました。

コモディティ市場では、WTIが4%安、ドクターカッパーも1%安でした。

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March 05, 2023

今週の相場(3/3時点)

今週のS&P500は+1.9%、NASDAQは+2.6%、日経平均は+1.7%。

米長期金利は3.95→3.96%、ドルインデックスは105.3→104.5へ低下、ドル円は136円40銭→135円80銭とドル安。2年金利は4.81→4.86%に上昇していますが、長期金利はほぼ変わらずで、ドル安株高の週でした。

3週連続で反省ムードが続いたので、その反動で今週はリスクオン気分がやや勝ったのかもしれませんし、中国2月製造業PMIの上振れや米ISM製造業指数のコスト上昇などで、一時4%台に復帰した長期金利がすぐに3%台に下がったことも株にはプラスだったかと思われます。

CMEのFedWatchでは、3月22日のFOMCで0.25%利上げして5.0%になるとの予想が72%。ターミナルレートは5.5%で、利下げは来年といった予想が最多です。

コモディティ市場では、WTIが+5%、銅が+3%など、中国景気への期待やドル高一服などで、全般に堅調でした。小麦価格は比較的安定しているものの、3月中旬に「黒海回廊」の延長を控えており、ロシアの出方がリスク要因です。

アダニショックで大きく揺れたインド株は、米投資会社GQGパートナーズが同グループに2500億円程度の出資をするといったニュースで、持ち直しの兆しを見せてきました。

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