投資観点でのポーランド
ポーランドとは「平原の国」という意味で、最も勢力が強かった16世紀から17世紀にかけては、ポーランド・リトアニア共和国が成立して欧州一の大国となり、隣国のウクライナは属国でした。
しかし1648年にウクライナ・コサックが反乱を起こして自治権を得ると、1654年にロシアはウクライナを併合。それを機にポーランド・リトアニアとロシアが戦争になると、それをチャンスと見たスウェーデンが攻め入ってくるなど、常に周辺の強国に狙われ、国土はしばしば削り取られました。
1795年には、ロシア、プロイセン、オーストリア三国に分割されて、とうとうポーランドは消滅。100年以上も経った1918年に独立を勝ち取りますが、戦時中はナチスドイツに、戦後はソ連に蹂躙されました。
有名人には、ショパンやコペルニクス、ノーベル賞を2回取ったキュリー夫人などがいます。
1810年にショパンが生まれたのは、ナポレオンがプロイセンとの戦争に勝って打ち立てたワルシャワ公国ですが、ショパンが20歳でウイーンへ発った後にロシアの支配地域となり、ショパンは故郷に帰ることなく39歳でパリで死去。心臓だけが、姉の手で祖国に帰りました。
ソ連解体後は、「欧州への回帰」を合い言葉に、1999年3月にNATO加盟、2004年5月にはEU加盟を果たしたものの、現在の与党「法と正義」は保守色が強いカトリック右派政党であり、ほぼ全面的に中絶を禁止するなど、その強硬な政策がしばしば国内でも摩擦を生み、EUとも緊張関係を深めているとの指摘が見られます。
良し悪しはともかく、西に位置するプロテスタントの強国ドイツとも、東の大国である正教のロシアとも違うカラーが感じられます。
面積は日本の8割程度で、人口3800万人。一人あたりGDPは18000$と、ギリシャやハンガリーにも劣り、OECD34カ国中で31番目です。
最近のGDP成長率は平均4%程度。
欧州中央という地の利や、高すぎない人件費によって、自動車や家電製品等の生産拠点になっています。
ゲームメーカーも多く、ゲーマーには「ウィッチャーシリーズ」や「サイバーパンク2077」を開発した「CD Projekt」が有名です。
特に2015年発売の「ウィッチャー3 ワイルドハント」は、現在でも史上最高のゲームと評価する声があり、丁寧に作り込まれたストーリー展開からは、この国の人々の几帳面な性格を感じ取ることができます。
ポーランドの「ゲーム愛」は、共産主義時代に遡り、ゲームプレーを通じて西側世界と繋がっていたからだと言われています。
第二次世界大戦で瓦礫と化した首都ワルシャワの旧市街が、「レンガのひび割れひとつに至るまで復元された」と表現されるのも、この国の人々の緻密な仕事ぶりを象徴しています。
歴史的経緯から反露感情が強く、それゆえウクライナ難民への支援が最も手厚い国としても報道されました。
ポーランドに投資する「EPOL」。この半年間で見ると、4割ほど上昇しており、なかなかの健闘ぶりと言えそうです。
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