今週の相場(5/12時点)
今週のS&P500は0.3%安、NASDAQは+0.4%、日経平均は0.8%高。バフェット効果もあって日経平均もTOPIXも年初来高値ですが、さほどの熱気は感じられず、長期的な日本株強気相場の到来は想定していません。
なお、おまけ程度に保有している日本株の中で、三菱商事だけは最後まで残そうかと思います。
米長期金利は3.43→3.46%と若干上昇、ドルインデックスは101.3→102.7、ドル円は134円80銭→135円70銭。全般に小動きでした。
注目の米4月CPIは、ほぼ予想どおりで、前年比で+4.9%と、前月から0.1%改善。FRBが注目しているとされる住宅以外のコアサービス価格も、+0.1%と前月の+0.4%から改善です。
一部ではCPIの上振れ観測からドル上昇を見込むポジションもあったためか、直後の反応は金利低下ドル安でした。
ただし、金曜の米5月ミシガン大学5-10年期待インフレ率が3.2%と予想の2.9%を超えたため、ドルの買戻しが入って、週間では若干の金利高ドル高といった格好でした。
現在のFedwatchでは、6月FOMCでの金利据え置き予想が85%と優勢です。また、7月FOMCでの利下げ予想が約3割と、依然として年後半の利下げを見込む一定数の投資家が存在しており、FRBとのギャップが感じられます。
市場における地銀不安はなかなか収まりません。弱気派のターゲットになっているパックウエスト銀行(PACW)は、預金が1割流出したとの発表もあって、今週2割安。地銀ETFの「KRE」も5%安でした。
コモディティ市場では、金はほぼ変わらずで、銀が7%安、銅が4%安。銀は利食いが入り、銅はリセッショントレード継続中のように見えます。
個別では、AIチャットボット「Bard」を一般公開したグーグルが+11%。配信事業の赤字が続くディズニーが8%安。
次四半期EPSが予想を下回ったペイパルが17%安。株価はフィンテックブーム時の高値から8割下落し、今はPER12倍程度と、低成長銘柄と評価されています。
半導体では、AMDが+6%ですが、ライバルのインテルは7%安などマチマチな動きが目立ち、SOX指数は1.2%安。AMDには一定のAI需要恩恵があると見られているようです。
週前半はCPI待ちで動き難く、CPI後も大きなトレンドは生まれにくい相場付きだったかと思われます。NASDAQは特定銘柄に買いが偏っており、ADLINEは右肩下がりです。
投資家は概ね株式相場の先行きに弱気であり、ほぼノーリスクのMMFで金利取りに行く人が多く、待機資金が多いことは間違いない様子ですが、Fear & Greed Indexは58と、GREEDレンジにあります。
こうした一見矛盾する現況に関して、「今の株式市場はいいとこ取りをしている」との解説も見られます。
そもそも、年後半に利下げが来るとの確証は乏しい上に、何が株価本格上昇への号令になるのか見極めにくい相場かと思われます。
仮にFRBが利下げした場合でも、それは本当に株への援軍となるのか、リセッション到来を告げる負のサイレンなのかも、見解が定まっていないように思われます。
将来景気と金利のバランス、そして肝心の企業業績との絡み合いによって、小競り合いが継続するような相場展開を想定しており、当面は観察中心になりそうです。
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