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May 07, 2023

今週の相場(5/5時点)

今週のS&P500は0.8%安、NASDAQは+0.1%、DOWは1.2%安。

米長期金利は3.43%で変わらず、ドルインデックスは101.7→101.3、ドル円は136円30銭→134円80銭。2年金利は4.02%→3.92%と低下し、若干ドル安が進みました。

今週は、ファーストリパブリック銀行の破綻処理で幕開け。

金融当局は、経営不振のファースト・リパブリック・バンクを公的管理下に置き、その資産をJPモルガン・チェース銀行に売却すると発表。米銀の破綻はシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行に続いて、これで今年3行目、自主清算のシルバーゲートを含めると4行目です。

既に大きな業界シェアを持つJPモルガンは、原則的に他行の買収は出来ないルールですが、破綻処理は例外とされ、当局は市場の混乱を避けることを優先して、クジラがさらに大きくなることを承認しました。

こうした処理は概ね予想どおりであり、特段の反応は見られませんでしたが、これでマーケットの地銀不安が収まったようには見えません。

注目のFOMCは、予想どおり0.25%の利上げ。パウエル議長は、これで利上げ打ち止めとなる可能性を示唆したものの、年内に利下げが開始される予想については言質を与えませんでした。

金曜の4月分雇用統計は好結果。雇用者数は25万3000人増と、予想の18万5000人増を上回り、失業率は3.5%から3.4%に低下しました。ただし過去2か月分の雇用者は、合わせて14.9万人分下方修正されていますので、流石の雇用の勢いにも少々陰りが見え始めたとの解説もされています。

なお平均時給は前年同月比では4.4%増加、前月比で0.5%増と、双方とも加速しており、賃金をベースにしたサービス業に関しては、しつこいインフレが想定されそうです。

コモディティ市場では、金・銀・銅が小幅高で、WTIは7%安。依然としてリセッションを見込んだ、ドル安資源安の傾向が強いムードかと感じます。

個別では、決算出したアップルが+2%。iPhoneの売上が、スマホ全体の低調にもかかわらずに堅調でした。

金融系は依然弱く、バンカメとウエルズファーゴが5%安。地銀への懸念は強く、次の破綻候補のパックウェスト・バンコープは4割安、地銀ETFの「KRE」は10%安でしたが、両方とも金曜には大きく反発しているので、この反騰が持続的なのかどうか、来週が正念場と言ったところでしょうか。

半導体は、低調な決算だったクアルコムが7%安、好決算のオンセミ(ON)は+13%と明暗が分かれていますが、SOX指数は+0.4%と、底堅く推移しました。

クルーズのロイヤルカリビアンが+16%と、旅行需要は強いことを示しました。

全体的にマチマチな結果ですが、基本的には決算への反応が強く出やすい地合いであり、個別株への投資は業績への見極めが重要となっています。

Fedwatchでは、6月FOMCでの据え置き予想が91.5%、年末FFレートは4.25-4.5%が最多の50%と、利上げ停止と利下げ開始が織り込まれていますが、これはFRBの姿勢とギャップが感じられ、相場がギクシャクしやすい原因となっていると思われます。

市場は足元の金融不安と将来のリセッション懸念を重要視していますが、FRBはあくまでインフレファイティング最優先です。

こうしたギャップが存在する以上、相場全体がシンプルにリスクオンとなるには時間がかかると考えるのが妥当と思われ、当面は辛抱強く対応する必要がありそうです。そもそも今は、「セル・イン・メイ」でもあります。

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