今週の相場(5/19時点)
今週のS&P500は+1.6%、NASDAQは+3.0%、日経平均は+4.8%。
米長期金利は3.46%→3.69%と上昇、ドルインデックスは102.7→103.2、ドル円は135円70銭→137円90銭と、米金利高でドル高でした。
米地銀不安や債務上限問題は、完全に解決された訳では無いものの、その懸念は概ね織り込まれ、5月になってからはドルが買い戻されている格好です。
足元では、日経平均の上昇加速が目立ってきました。
主なエンジンは海外勢主導の見直し買いで、5/8~5/12の週の外人買い越し額は5658億円。3月最終週から7週連続の買い越しであり、「先遣隊」は、既に一定の利益を獲得できているはずです。
海外勢は、日本株を買うと同時に出口を見据えて円の先物売りをセットで行うことが多いため、株高と円安の好循環も生まれやすく、思ったよりも日本株上昇が長続きする可能性も少し出てきましたので、今保有している日本株はHOLDの方針として、この熱気の持続性を観察することとします。
なお物色スタンスは相当に偏りがあり、例えば円安恩恵の自動車関連でも、ホンダは元気よく、マツダはさっぱりといったような傾向がみられます。
こうした偏重が是正されて循環物色的な広がりを見せるのかどうかは、今後の市場参加者の広がり如何にかかっており、今のところは賛否両論といったところです。
コモディティ市場では、ドルの反対に動くゴールドが2%安で、銀と銅は小動き。WTIは小反発して+2%でした。
原油市場(WTI)は、ウクライナ戦争で急騰して120$を超えましたが、そこからほぼ半額になり、さすがに少し反発したものの、リセッション懸念によって上値は抑えられて70$近辺、といった経緯かと見られます。
個別では、ビッグテック系が堅調で、グーグル、アマゾン、メタが+5%で、テスラも+7%。CM付き低額コースが好調だったネットフリックスが+7%。
半導体はエヌビディアが+10%、AMDが+11%と両雄が強く、広島工場を持つマイクロンも+12%と主要銘柄が大きく変われ、SOX指数は+8%。
金融株も概ね買い直され、ウエルズファーゴが+7%、JPモルガン+4%などで、地銀ETFのKREも+8%でした。
パウエル議長は金曜日、「一休みしてデータを見る余裕がある」と、6月のFOMCでの利上げ休止を具体的に示唆する発言をしたため、Fedwatchでの利上げ可能性は17%と、この点では市場とFRBの見方は一致してきましたが、年内の利下げについては依然として乖離が感じられます。
日本人にとっては久々の日本株活況が気になるところですが、日本経済のファンダメンタルが特に改善された訳でもなく、チャートは短期的に過熱気味です。
年金基金など長期投資家が日本を調べれば調べるほど、巷間語られている好調理由がいずれも脆弱なことに気が付くでしょう。
インフレにもかかわらず人為的な金融緩和姿勢で通貨を押し下げ、株価大幅上昇となった例としては、2022年のトルコがありますが、インフレを増幅させて国民生活を犠牲にした悪例ですので、言うまでもなく真似すべきではありません。
客観的に見て、日本株ブームの持続性は疑問符ですが、何が起こるか分からない世の中ですので、まさかの時のために一定量の日本株を保有することは、普通に推奨される判断かと思います。
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