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June 25, 2023

今週の相場(6/23時点)

今週のS&P500とNASDAQは同じく1.4%安、日経平均は2.7%安と小休憩。6月末を控えて、株から債券へのリバランスも指摘されています。

米長期金利は3.77%→3.74%と若干下げたものの、ドルインデックスは102.3→102.9に上昇し、ドル円は141円90銭→143円70銭と円安進行。

今週は、英中銀が政策金利を0.5%上げて5.0%、スイスが0.25%上げて1.75%、ノルウェーが0.5%上げて3.75%、トルコが6.5%上げて15%など、各国で政策金利の上昇が目立ちました。

FRBのパウエル議長も議会証言にて年内に0.5%の利上げを再度正当化するなど、日本の緩和姿勢との違いが改めて際立ったこともあり、円売りが進んだ印象です。

但し、CMEのFedWatchによれば、7月FOMCでの0.25%利上げ予想は72%ですが、年内2回利上げ予想は12%しかありません。来年の投票権を持つ米アトランタ連銀のボスティック総裁が、年内の政策金利据え置きを支持するなど、FRB内部でも意見の相違がみられます。

昨年の円安は、FRBの連続三段跳びによる急激な金利差拡大が主因でしたが、今年は米利上げが最終局面の中で日銀の金融スタンスが世界と真逆であることがクローズアップされており、それだけに今年の円安の方がグローバルで根が深い状況です。しかし反面、日銀のスタンス次第で景色が逆転する可能性もありますが、「動けない日銀」が見透かされてもいます。

コモディティ市場では、金と銅が2%安、銀が7%安と調整が進み、WTIも3%安。現在の商品市場は、個別の需給よりもマクロな金融環境に敏感になっており、各国の金利引き上げによる引き締めトレンドに対応して売りが優勢となった展開の様子です。

個別銘柄の状況も、全般に調整模様。

半導体にも売りが目立ち、AMDが11%安、インテル8%安などで、SOX指数は5%安。AIブームも一部でピークアウトしたのか、シースリーエーアイは25%安。

金融も弱く、バンカメとシティが5%安、JPモルガン3%安。ディズニーとネットフリックスが5%安と、エンタメ系も冴えず。

来週はマイクロンの決算があり、その結果次第では、半導体全般銘柄への波及があるかもしれません。

年初来で日経平均は+26%、NASDAQは+29%と好調ですから、2023年の折り返し地点を控えて、売り需要が顕在化してくるのは当然です。

日本株は全体としての割安感はほぼ消えましたが、個別の過小評価銘柄への物色はもう少し続くのではないかと考えています。バイデン政権は、反中親印の姿勢を明確にしており、成長できなくなった中国を避ける資金の受け皿として、日印は有力です。

依然として、FRBと市場では金利感に差がありますが、市場の見立てどおりインフレが落ち着いていくにしろ、FRBが強引に(?)2回利上げして景気が下向きになるにせよ、今後は株よりも債券が有利なアセットになっていくシナリオにも注意を払いたいところです。

なおブラックロックが現物ETFを申請したことを材料に、ビットコインが週間で16%ほど上昇して3万ドルを超えており、久々に仮想通貨業界が刺激されています。

ロシアの傭兵部隊「ワグネルの乱」は、大将のブリゴジンがベラルーシに移動(亡命?)することで、正規露軍との武力衝突は避けられましたが、プーチン体制に生じた大きな亀裂はロシア国民にも顕わになりました。

元々サンクトペテルブルクで盟友とも言われた二人の闇将軍の関係は今、決定的な対立を避けながら互いの勢力圏について神経質な探り合いを続ける格好となっており、この先の落ち着きどころは当の二人にさえ、いまだ見えていないのだと思います。

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