今週の相場(7/28時点)
今週のS&P500は+1%、NASDAQは+2%、日経平均は+1.4%と堅調でした。
米長期金利は3.83%→3.96%、ドルインデックスは101.1→101.7、ドル円は141円80銭→141円20銭。基調は米金利高ドル高でしたが、ドル円に関しては若干の円高でした。
日銀がYCCを微修正し、0.5%上限を柔軟に対処するとアナウンスしていますが、どれだけ柔軟に対応するのかは未知数です。
現在、日米ともにCPIは+3%前後ですが、一方の短期金利は5%超え、他方はマイナス金利という事実が逆に際立ちます。ドル円は一時138円ちょうど近辺まで円高になったものの、週間では141円台の中を少し動いただけでした。
FOMCは予想どおりの+0.25%。パウエル議長は特段にタカ派的な表現は用いずに今後はデータ次第と原則論を語り、今年後半のリセッション入り観測も否定しました。
経済指標は好調です。2Qの米GDP速報値は年率換算で前期比+2.4%と、市場予想の+1.8%を上回りました。22日までの週間新規失業保険申請件数は前週から7千件減の22万1千件と、2月以来の低水準。
6月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で+3.0%と、5月の3.8%から鈍化。コア指数も4.1%と前月の+4.6%から低下し、21年9月以来の低い伸びでした。
パウエル議長が頻繁に言及する雇用コスト指数も、4〜6月期が前年比+1.0%で、1〜3月の+1.2%から鈍化。
度重なる利上げでも、景気が大きく損なわれる気配は今のところ無く、労働市場は穏やかにバランスを取り戻しつつあると感じられ、仮に今後、経済に変調が見られるなら、利下げの余地はたっぷりあるという現状が投資家の自信を支えているものと思われます。
コモディティ市場では、銅が+3%、WTIが+5%と、好景気持続トレードのムードが感じられます。
個別では、ネット広告に底打ち観測が出てきたグーグルとメタが+11%。キャッシュフローが大きく改善したボーイングは+13%。
半導体関連は、黒字転換したインテルが+8%、好決算のラムリサーチが+16%などで、SOX指数は+4%。逆に下げが目立つのは、ヘルスケアや公益などディフェンシブセクターです。
じわじわと上がる原油価格が気になりますが、今のところエクソンやシェブロンに大きな動きは感じられません。
航空券価格は今がピークという観測からか、デルタ航空は6%安。秋の海外旅行に備えてブッキング・ドットコムを検索していますが、一時期よりは値段がこなれてきたかなという感触はあります。
FedWatchでは、年末FFレートが現状と同じ5.25-5.50%との予想が62%と最多。年内あと1回以上の利上げ予想が約3割と、年内利下げは実現しそうにありません。
パウエル議長が6月のように、年内2回利上げを主張しなかったのは、このままインフレが穏やかに収束していく可能性が高くなったと思っているからに他ならず、ソフトランディングシナリオへ自信を深めている様子が窺えます。
とはいえ、主要株式市場に割安感は見当たらないため、投資家は中国を除く新興国やフロンティアマーケットに食指を伸ばしていく兆しが感じられます。
インドは今さら言うまでもなく中国に代わる有望市場ですし、トルコは依然として通貨安に苦しんでいますが、先月の中銀総裁交代に加えて副総裁3名を入れ替えたので、エルドアンのくびき(?)から脱して、より大胆な金利上昇政策を採っていくのかどうかが注目されます。
長く眠っていた「FM」(iShares MSCI Frontier and Select EM ETF)も、この1か月で10%上がりました。EPOL(ポーランド)も、S&P500より好パフォーマンスです。
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