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July 09, 2023

今週の相場(7/7時点)

今週のS&P500は1.2%安、NASDAQは1%安、日経平均は2.4%安。

米長期金利は3.84%→4.07%へ上昇、ドルインデックスは102.9→102.3に下降、ドル円は144円30銭→142円10銭と、米金利上昇でもドル安方向でした。

投資家は債券も株もドルも売りという、プチ混乱状態となり、慌ててポジションの巻き戻しを行ったような様相です。

雇用統計は雇用者数が209千人と予想以下で、4月と5月の雇用者数も合計で、63万人から11万人下方修正されました。

但し平均時給は3カ月連続で前月比0.4%増、前年同月比では4.4%増と高水準が続いており、しつこいインフレを示唆しています。

失業率は3.6%と0.1%改善ですが、黒人失業率は6.0%と前月の5.6%から悪化しており、雇用市場軟化の兆候との解説も見られます。

CMEのFedwatchでは、今月FOMCでの利上げ予想が9割以上となっており、あと1回の利上げは確定的です。

コモディティ市場では、金利上昇局面では売られるはずの金・銀がリスクオフ気分を反映してか若干のプラス。また本格的な旅行シーズンを迎え、ドル安の支援もあってWTIが+4%。

民間雇用統計(ADP)が+50万人と異常なほど強かったことが長期金利上昇の原因と解説されていますが、その後の本チャンの雇用統計後も4%以下には戻りませんでした。

本来、10年間の金利が目の前のたった一つの統計値で大きく動くことには合理性が薄く、私も含めて多くの人が再び4%に乗ることはないだろうと楽観していた債券市場には、予想外の金利上昇マグマが溜まっていたと考えるしかなく、この事実が投資家の動揺をもたらしました。

そもそも上半期の相場があまりにも「ぬるま湯」だったこともあり、反省気分が生まれやすい心理状態であったことも背景にあると言えそうです。

ドル円は25日線の142円まで調整し、日経平均は25日線よりも更に低い位置まで売られており、いかなる相場も25日線の重力には逆らえないという公式どおりです。

日経平均は、日本株ブーム2.0があるとするなら、買いが入っても良い水準ですが、利益確定ニーズの方が強いというのが現状です。

個別銘柄では、販売好調のテスラが+7%、新アプリ「Threads」を始めたメタの+3%が目立つ程度で、その他は全般に軟調です。

高水準の在庫にも関わらず先週は持ち堪えていたナイキが8%安、半導体関連はエヌビディアが+4%ですが、メモリー市況の回復が遅いマイクロンが6%安で、SOX指数は3%安。

4~6月期営業利益が前期比95%減少したサムスンも、韓国市場で3%安でした。

2023年1月第一週は金利低下と株高で始まって半年間好調を維持しましたが、下半期のスタートは金利高・株安と、逆方向で始まったことには、一定の警戒感が必要かと思われます。ようやく夏枯れか、という観測も語られています。

市場の金利観はまた少しFRBの見解に近づいており、年内2回以上の利上げ予想は先週の34%→36%と、じわり増加しているものの、いまだ少数派であり、金利上昇への織り込みは不十分な可能性があります。

「Fear & Greed Index」は、先週の83から78まで下がったものの、いまだ「ExtremeGreed」ゾーンにあり、市場の警戒感は低レベルに感じられます。

個人的には、予定通りポジションを縮小中です。株式市場は単なる小休止かもしれませんが、薄気味悪い米長期金利の上昇に関しては、今後も要観察です。

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