今週の相場(7/21時点)
今週のS&P500は+0.7%、NASDAQは0.6%安、日経平均は0.4%安。ちなみにTOPIXは+0.9%、DOWは+2%と、出遅れ物色の雰囲気は感じられます。
米長期金利は3.83%で変わらず、ドルインデックスは100→101.1、ドル円は138円80銭→141円80銭と、先週の反動もあって、ドル高円安方向でした。
ドル円は、145円から137円20銭に8円近く急落の後で4円以上上昇と、半値戻し達成の格好となっています。再びじりじりと145円までは行くのかもしれません。
コモディティ市場では、ドル高の影響もあってか金・銀・銅が小幅安、WTIが+2%。黒海穀物協定からロシアが離脱した影響で、小麦が+9%。WTIは直近1か月で11%上昇しており、インフレへの悪影響が懸念されるところです。
6月の米小売売上高は前月比+0.2%と予想の+0.5%を下回りました。とはいえ、6月はCPIが+3%で賃金が+4.4%と、平均賃金の伸びがインフレ率を上回ったこともあり、底堅い消費意欲を示したものと受け取られた様子です。
個別では、ビッグテックが冴えず、グーグル、メタ、アマゾンが4%安。値引きで利益率低下が目立ったテスラが8%安。売上の伸びが期待以下のネットフリックスは3%安。
一方、好決算のJ&Jが+6%、ユナイテッドヘルスが+5%、純利益が2割増のバンカメが+10%、ウエルズファーゴも+6%など、オールド銘柄の上昇が目立ちます。出遅れ気味だったDOW(DJI)は10連騰ですが、その間の上昇率は4%です。
但し、売上が予想以下だったアメックスは21日に4%安と、金曜のDOW銘柄の中では最もパフォーマンスの悪い銘柄となり、貸倒引当金も積み増しています。盛り上がっている旅行需要は、今夏がピークである可能性も考えておく必要がありそうです。
半導体は、TSMCの下方修正など、足元での需要回復が遅れていることが再認識されました。エヌビディアが3%安、AMDが4%安。
台湾市場でTSMCは5%安、欧州市場ではASMLが9%安、韓国市場のサムスンは4%安、東京市場でアドテストが9%安。但し、SOX指数は1%安と軽微でした。
AIブームで前のめりだった半導体銘柄への過度な期待は修正されて、穏やかな動きなるような気がします。保有している「SMH」は少し売りました。
来週のFOMCでは、0.25%利上げ予想が99.8%と確定。
年末までに更に1回利上げする予想は全体の4分の1程度ですので、パウエル議長が想定以上にタカ派だと、一定のショックがありそうです。
来週は日銀会合もありますが、「何もできない」という当たり前をある程度織り込んで円安が進んだので、さほどの波は来ない可能性が大きくなりました。借金王ニッポンは金利が上がったら終わりなので、日銀は「あるべき行動」が出来なくなっています。
Fear & Greed Indexは82と、先週の79よりも更に警戒感は緩んでいますが、既に相場の大半は伸びきっているため、少しでも出遅れに資金を廻したいという行動となっているものと考えられます。
全体的には、ようやく本格的な夏枯れが来る、というのが、当面のメインシナリオかと思います。
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