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August 13, 2023

今週の相場(8/11時点)

今週のS&P500は0.3%安、NASDAQは1.9%安、日経平均は+0.9%。

長期金利は4.04%→4.16%、ドルインデックスは102.0→102.8、ドル円は141円80銭→144円95銭と限りなく145円に接近。米金利高でドル高でした。

日米の大きな金利差は長期化する可能性が高いとの見込みが主流であり、いずれは節目の150円を試す展開も想定されます。

注目の7月CPIは前年比で+3.2%と、前月の+3.0%から加速し、前月比では+0.2%。コアCPIは、前年比+4.7%と、前月の+4.8%から僅かに減速し、前月比+0.2%。

どちらも前月比+0.2%と、目標の年2%に近づいているものの、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が、「米金融当局にはインフレ抑制に向けて、まだやるべき仕事が残っている」と発言したこともあり、ほぼ予想どおりではあるが楽観はできないといったムードとなり、米長期金利は4%以上をキープしています。

金曜発表のPPIは、前月比で+0.3%と前月の「変わらず」から加速、前年比では+0.8%と前月+0.2%から加速。コアPPIは、前月比+0.2%と前月の+0.1%から小幅加速し、前年比は+2.7%で前月と同じ。加速したと言っても、その水準は高くはありません。

同日発表のミシガン大学調査によれば、5年後の物価見通しを示す予想インフレ率は2.9%と前月から低下。

10年債と2年債の「逆イールド」は、0.7%台となり、1%を超えていた7月後半に比べると、小さくなっています。これは、好景気の持続観測を反映して上に行きたがる長期金利と、インフレ収束を見込んで下方向への圧力がかかりやすい2年金利による乖離縮小と理解することが出来そうです。

WSJのニック・ティミラオス記者が10日付けで、「7月のインフレ鈍化でFRBが金利一時停止への扉を開く」という記事を書いていることもあり、FedWatchでは、9月FOMCでの金利据え置き予想が90%、年内に1回以上の利上げがあると予想する人は、3分の1程度となっています。

コモディティ市場では、金・銀・銅が小幅安、WTIも変わらずですが、豪州LNG関連のスト可能性によって欧州天然ガスが急騰していることの波及なのか、米天然ガスが8%上がっています。

個別銘柄では半導体関連の弱さが目立ち、エヌビディアが9%安、マイクロンが8%安などで、SOX指数は5%安で50日線を割っています。

アップルが2%安、1か月では7%安となり、50日線割れ。他にも、マイクロソフト、テスラなどの人気銘柄が50日線割れとなって、目先は弱気模様です。

堅調な原油価格を反映し、エクソンとシェブロンが3~4%のプラス。

長期金利の4%超が持続していることもあり、テック系から景気敏感な大型株への物色シフトが見られ、足元では「NYダウ>ナスダック」の傾向です。

中国で昨年、不動産販売額で首位だった碧桂園(カントリー・ガーデン)が、ドル債の利払いが出来なくなって、事実上のデフォルト。

碧桂園は、あの恒大よりは低レバで、かつ地方中心の保守的な経営と見られていましたが、同社の苦境は不動産不況が広範に拡大していることを示していると考えられます。

日本のバブルは、東京でオフィスビルが不足するというテーマが背景だったために都市部中心でしたが、中国の場合は地方政府が地価上昇を利用して成長率を競うという構図であったため、需要の消失度合いという意味では、むしろ地方が深刻かもしれません。

米ハーバード大学ケネス・ロゴフ教授らの分析によると、不動産関連経済が中国のGDPに占める比率は3割と推計されています。

中国は、外務大臣の不倫スパイ疑惑(?)更迭に加えて、唐突に軍の粛正人事が発表されるなど、習近平側近の忠誠が疑われる事態に追われてしまって景気対策が出遅れており、ますます中国を投資対象としないことが重要になってきているものと判断されます。

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