今週の相場(8/18時点)
今週のS&P500は2.1%安、NASDAQは2.6%安、日経平均は3.1%安。S&P500、NASDAQともに50日線を割り込んで、夏の反省ムードが続いています。
15日発表の日本の4-6月GDPは年率換算で+6%でしたが、個人消費がマイナスで設備投資がゼロ%ですから、国内景気の中身は脆弱です。
米長期金利は4.16→4.25%、ドルインデックスは102.8→103.4、ドル円は144円95銭→145円30銭と145円を突破。先週に続いて、金利高ドル高です。
反省の材料は、金利高、中国景気不安、銀行格下げ懸念、漫然としたリセッション可能性といったところです。
米長期金利の上昇については、国債発行増など需給要因も語られていますが、むしろ今までが少し低すぎたと考える方がシンプルで、要は株も債券も買われ過ぎており、両方に反省気分が広がっているのだろうと思われます。
歴史的に、2年債と10年債の逆イールドは最大1%であり、2年がほぼ5%なのに10年が4%割れの状態は、やや居心地が良くなかったとも言えそうです。
7月の米小売売上高が前月比0.7%増と、予想の0.4%増を上回ったことも、金利の高止まり傾向を助けました。
コモディティ市場では、金・銀・銅が小動きで、WTIが2%安。株式のリスクオフムードによって、原油も一休みです。
Fear & Greed Indexは、1か月前の「83(ExtremeGreed)」から「45(Neutral)」へと大きく下落しましたが、3月の「23」まではまだ距離があります。
個別では大手テック系に売りが目立ち、テスラが11%安、メタが6%安、アマゾン4%安、アップル2%安、ネットフリックス4%安など。
半導体はエヌビディアが先週の9%安の反動で+6%ですが、インテルが6%安などで、SOX指数は1%安。
来週23日のエヌビディアの5-7月決算数値が期待以下の場合には、AIブームで嵩上げされた半導体株全般が大きく売られる可能性がありそうです。
格下げ懸念で金融系も弱く、バンカメ7%安、シティ5%安など。
好決算だったウォルマートも週間では2%安。ウォルマートの予想以上の売上増加は、多くの人が節約志向になっているので、今後の消費動向に強気になれないとの見方も成り立ちます。
中国不動産関連では、恒大が法的整理の準備として米破産法15条を申請し、デフォルト懸念が拡大したカントリーガーデンの株価は週間で2割以上下落しました。
また中国当局は、年齢層で分けた失業率の公表を停止すると発表しており、若年層失業率が目も当てられないほど酷くなっていることを確信させました。
北京大国家発展研究院の張丹丹副教授は「学校におらず自宅などで暮らして職探しもしていない若者」らを含めた潜在的な若年失業率は46.5%と試算しています。
シャドーバンキングの本命は地方政府傘下の「融資平台」ですが、その債務総額は940兆円、発行された債券(城投債)は300兆円と推計されており、中には利回りが10%以上に上昇する危険水域の債券が出てきています。
今のところ、中国当局の景気支援姿勢が及び腰に見えるのは、今後のために力を残しておく必要があるからだと思われ、これからが損失の押し付け合いが本格化する修羅場と言えそうです。
そもそも中国は皇帝制なので、決断すれば政策実行は早いでしょうが、金融システムは救済できても、デフレ圧力による低成長から逃れることは出来ないでしょう。
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