今週の相場(9/29時点)
今週のS&P500は0.7%安、NASDAQはほぼ変わらず、日経平均は1.7%安。
米長期金利は4.44%→4.58%に上昇、ドルインデックスも105.6→106.2、ドル円は148円36銭→149円37銭と、またまた米金利高でドル高でした。
コモディティ市場では、金が4%安、銀が6%安と、金銀が金利高に耐えられずに下落した一方、WTIは+1%と高止まり傾向です。
金曜発表のコアPCEは、前年比+3.9%と、前月の+4.3%から減速し、2021年6月以降で初めて4%を下回りました。また前月比では+0.1%と、前月の+0.2%から鈍化しています。
また米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、インフレ圧力は依然として高いものの、目標の2%に向かって戻りつつあることから、FRBは利上げを終了する可能性があると述べており、FedWatchでは、次回11月FOMCでの金利据え置き予想が82%となっています。
なお、週間新規失業保険申請者数は20万4000件と予想を下回っており、物価は落ち着きつつあるが、人手不足感は解消していない、そして原油高がインフレ圧力として存在しているといった概況かと思われます。
価格が上がれば生産が増えるのは当然で、テキサス州でのシェールオイル生産が過去最高に急増し、米国の原油生産は7月、過去2番目の高水準に達したと報道されています。
個人的には、シェールの更なる増産が原油価格上昇を食い止めてくれることを期待します。
個別では、決算を出したナイキが+5%。在庫が減少し、直前の1か月で1割下落していたこともあって反発しました。
アップルは2%安。iPhone15は意外に売れているというニュースも出てはいますが、週単位ではプラスになりませんでした。
半導体関連は、エヌビディアが+5%、インテルが+4%、AMDが+7%と反発が見られ、SOX指数は+2%。
決算を出したマイクロンは直後に+4%と反発したものの、週間では1%安でした。次四半期のEPS見通しは事前予想よりも赤字幅が大きく、現実のメモリー市況は依然厳しい様子です。
小売りのターゲットは、万引きや集団強盗の影響で9店舗の閉鎖を決定しました。全て民主党知事の地域です。
長期金利が4.5%を超えても上昇の勢いが止まる様子がないのを見て、5%だ、7%だと、根拠のない数字が飛んでいますが、改めて金利上昇の主要な理由を整理してみると、想定よりも強い景気と、米政府借り入れ増による需給悪化となりそうです。
また、価格が下げトレンドの長期債よりも、確実に5%が取れる短期債への資金シフトもあると思われ、私も今は長期債ETFへの投資を中断し、短期債ETFやFXによるチャリンチャリンで凌いでいます。
株安の分を円安が緩和していて大きなダメージが無いため、今のところ何もしていませんが、これ以上に金利上昇が進むなら、少しだけポートフォリオのアジャストをすることも考えます。
政府閉鎖は暫定的に回避されましたが、どうせまた繰り返されるでしょうし、相場の材料としては、大きなものに成り得ない性格のものかと思います。
なお、代表的な株価指数であるS&P500は、高値から7%ほど調整しましたが、まだ年初来で+11%のパフォーマンスと、過去40年の平均的な上昇率である8%を上回っています。
長期金利上昇が株価調整のトリガーであることは事実ですが、基本的には7月までS&P500が年初来2割高、NASDAQは3割高という飛ばし過ぎによるスピード調整であり、避けられなかった下げ局面かと思われます。
S&P500の200日線は4200ですが、水曜のザラ場安値4239が、その水準に最接近しており、ひとまずは満足(?)したかのようなチャート形状です。
ここで下げ止まってもおかしくはないという楽観論と、いやいや10月は歴史的に悲惨な月だという悲観論が交錯しているような心理状態かと思われます。
但し、相場に特段の割安感は無いため、どちらにしても大幅な上昇は見込めず、下げ過ぎた分が優先して戻るような相場付きかと思います。
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