今週の相場(10/13時点)
今週のS&P500は+0.4%、NASDAQは0.2%安、日経平均は先週の下落の反動で+4.3%。
米長期金利は4.8%→4.6%に低下、ドルインデックスは106.1→106.7、ドル円は149円29銭→同59銭。
米金利低下でドル高という、最近では珍しい反応だったのは、リスクオフ心理による避難需要が現れたものと解されます。
コモディティ市場では、金と銀が5%高で銅が2%安。WTIは6%高。
イスラエルがガザ地区への地上戦を計画しており、サウジがイスラエルとの国交正常化交渉を凍結と報道され、原油価格は上昇しました。
注目された米9月CPIは、+3.7%と、8月と同じ水準だったものの、市場予想の3.6%よりは上でした。
コアCPIは、前年比+4.1%と8月の+4.3%から鈍化したものの、CPIの3分の1以上を占める住居費が、8月の+3.6%から+7.2%と加速していたことは驚きを持って受け止められました。
確実なインフレ鈍化を期待していた市場からすると、やや期待外れの結果であり、米長期金利は一時4.7%に迫る上昇で、インフレのしつこさを再認識させられた格好です。
個別では、決算シーズンの先陣を切ったJPモルガンが好決算で+2%、大手テック銘柄はほぼ横ばいの結果。
決算を前にしたネットフリックスが7%安。デルタ航空はコスト高から通期予想を下方修正したため8%安。
半導体関連は、サムスンの決算で減益率が低下し、市況の底打ちが期待されて全般に下げ渋る結果となり、SOX指数は0.6%安。
ハマスとイスラエルの軍事衝突によって、懸念されたとおりに原油価格は上昇しましたが、米長期金利は低下しました。そもそも今の景気は下向きですし、かつてのオイルショックのように、コストプッシュによる不景気を連想しやすいムードでもあります。
株式市場は、金利低下による買い需要と景気悪化懸念による売り需要、そして決算への反応という「せめぎ合い」になりそうですが、金利低下の恩恵は大きいので、メインシナリオは、金利安・ドル安・株高で、そこに原油高や中東情勢緊迫という大き目のノイズが入ってくるといった構図ではないかと思います。
サウジの立場は微妙で、イスラエルとイラン、双方と関係改善を進めてきましたが、イスラエルとの交渉はストップ。イランとは中国の顔を立てて表面上は握手しましたが、ライバル関係であることに変わりは無く、ハマスとイランの協力関係を快くは思っていないでしょう。ムハンマド皇太子は、サウジはパレスチナの味方だとは発言するものの、ハマスを支持するとは言いません。
エジプトも、「パレスチナの大義」を尊重はするものの、実際にはイスラエルと協力してガザ地区の国境を管理して200万人以上を狭い同地に閉じ込め、エジプト領シナイ半島に問題が拡大することを許さない立場です。
様々な国家の思惑が渦巻く中で、傷つくのは一般民間人。
イスラエルとハマスの戦闘が周辺諸国に拡大せず、事態が早期に収まることを祈ります。
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