今週の相場(11/17時点)
今週のS&P500は+2.2%、NASDAQは+2.4%、日経平均は+3.1%。
米長期金利は4.64%→4.44%へ下落、ドルインデックスは105.8→103.8、ドル円は151円50銭→149円60銭。
米金利低下でドル安株高、という現在のトレンドどおりの結果でした。
今週の重要指標は、まずは10月米CPIですが、前年同月比で+3.2%。前月の+3.7%から鈍化し、市場予想の+3.3%も下回りました。
瞬間風速の前月比では横ばい。ガソリンが下げ、住居費の伸びも前月の半分でした。
コアCPIは+4.0%と前月の+4.1%から低下。前月比の伸びも+0.2%と、+0.3%から減速。
全般に、原油価格の下げが反映されて、物価の落ち着きが感じられる良い結果でした。
続いて10月の米生産者物価指数(PPI)。前年比は+1.3%と、+2.2%から鈍化。前月比では0.5%低下と、前月の+0.4%から大きく鈍化。
コアPPIは、前年比が+3.0%から+2.9%、前月比が+0.3%から+0.1%と上げ幅縮小と、こちらも良い結果。
コモディティ市場では、ドル安を反映してか、金・銀・銅が2~6%の上昇で、WTIは2%下落。今後の景気低迷観測等により、原油価格の下落は続いており、産油国の反応が注目されます。次回OPECプラス会合は11月26日の予定です。
個別では、テスラが+9%と反発したものの、その他のIT大手は小動き。
CEOが、今後はデフレが来るかもと表現したウォルマートが7%安ですが、同じ小売りのターゲットは+21%、GAPが+32%と明暗分かれました。
業績下方修正のシスコシステムズが9%安。ネットワーク・ハードウェアの受注鈍化が懸念されています。
半導体関連は、レイティングアップのインテルが+13%と気を吐き、エヌビディアが+2%で、SOX指数は+4.4%。SOX指数はNASDAQよりも強い反発力を見せているだけに、来週のエヌビディアの決算は注目されています。
米長期金利は今週50日線を割って低下傾向は強まっており、ドル安株高のトレンドは穏やかに継続するというのがメインシナリオだと思いますが、あまりに景気減速のスピードが速すぎると、利下げを期待する市場参加者とFRBのスタンスの間に齟齬が生じて、相場がギクシャクする恐れもありそうです。
CMEのFedWatchでは、来年3月に利下げ開始を予想する人が28%います。
ドル円は17日金曜日、一時50日線のある149円36銭を割る149円20銭まで下げました。足元でドル円が底堅いということは、逆に言えば他通貨に比べてドル安の吸収度合いが十分ではなく、円の上昇余地が大きいと見ることも出来るので、風向きの変化には要注意です。
原油価格の低下、米金利のピークアウト、貿易サービス収支の改善など、円安材料は相当程度縮小しており、これまで溜まった円ショートポジションが利確に走ると、それなりの破壊力にはなりそうです。
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