今週の相場(12/15時点)
今週のS&P500は+2.5%、NASDAQは+2.8%、日経平均は+2.1%と、株式は好調。
米長期金利は4.23%→3.92%と節目の4%割れ、ドルインデックスは104.0→102.6と8月の水準まで低下、ドル円は144円97銭→142円20銭と、ドルインデックス以上の比率で下がっており、ドル安と円高の共鳴です。
今週は、CPI、PPI、FOMC、そして小売り統計という順でイベントが進みました。
12日発表のCPIは、前年比+3.1%と市場予想通りで、前月の3.2%から鈍化。
コアCPIは、下げ要因のガソリン価格が除かれているため、前年比+4.0%で前月と変わらずですが、これも市場予想通りでした。
翌日のPPIは、前年比+0.9%と、前月の+1.2%から鈍化。また前月比では横ばいで、予想の+0.1%よりも良好。
PPIはCPIの先行指数と考えられるので、今後もインフレ圧力が沈静化の方向に向かうだろうということが示されました。
FOMCは予想通りの金利据え置きでしたが、今後の見通しに関しては、かなりのハト派に転換。
いわゆるドットチャートによると、来年は0.75%の利下げ。9月よりも0.50%軟化しました。
パウエル議長は「利下げは視野に入り始めており、今回のFOMC会合でも議論した」と述べ、12月の利上げさえ仄めかしていた前回から急にソフトトーン。
いつも通り、タカ派牽制発言に身構えていたマーケットは逆サプライズの格好となり、ドル安株高が走り出しました。
14日の11月小売売上高は、前月比0.3%増の7057億ドル(約100兆円)と2カ月ぶりに増加して市場予想の0.1%減を上回り、景気のソフトランディングの可能性が高まったと好意的に解釈されて、リスクオンの姿勢が続いています。
コモディティ市場では、ドル安もあって全体に小反発模様。金と銅が+1%、銀が+4%。WTIも+1%と、ひとまずは下げ止まりました。
個別銘柄では金融系が好調で、バンカメとウェルズファーゴが+9%、JPモルガン+4%、アメックスが+7%。
トラベル系では、相変わらず強いボーイングが+8%、ノルウェージアンクルーズが+9%、ユナイテッド航空+6%など。
小売りのタペストリーも+8%と、余裕が出た投資家による物色は広がっています。
下げたところでは、クラウドサービスが予想を下回ったオラクルが9%安、AI効果が期待以下だったアドビも4%安、疫病騒ぎ終了でファイザーが7%安など。
半導体関連では、VMwareを買収したブロードコムが証券会社のランクアップもあって+20%、AI対応の新半導体を発表したインテルが+8%などで、SOX指数は+9%。
それにしても、パウエル議長のハト派転換は唐突で、何か非常に景気に悪い事実を知っているのではないか、あるいはホワイトハウスからの圧力か、などと様々な憶測を生んでいます。
素直に解釈すると、インフレ率低下で実質金利が上昇してきたので、引き締め過ぎになるのを予め警戒してFRB内のハト派が主導権を握るようになった、ということになるでしょうか。
ドル円は1か月で10円落ちて、下げトレンドは明確ですが、ギリギリ200日線を維持しているので、更にドカンと下げていくか、一旦は反発するかの分水嶺といった位置かと思います。
ひとまずは日銀会合で、「チャレンジング」なアクションがあるのかどうかがカギですが、日本国内の見方としては、結局は動かないだろうという意見が多数派の様子です。
個人的なパフォーマンスとしては、米国株投資が株高と円高でチャラとなっており、全くの想定どおりです。































































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