今週の相場(3/22時点)
今週のS&P500は+2.3%、NASDAQは+2.9%、日経平均は+5.6%。
米長期金利は4.31%→4.20%、ドルインデックスは103.5→104.4、ドル円は149.07円→151.42円。米金利低下でもドルは強く、円は弱いという結果でした。
金利以外の要素がドル買いを後押ししているのかどうか。もう少し観察してみる必要がありそうです。
注目された19日の日銀会合結果は、事前の報道どおりで、既に形骸化していたマイナス金利、ETFとREIT購入を廃止。YCCも廃止ですが、とは言え国債購入は継続ですから、結局は特に変わらず。
むしろこれで、当面は日銀から円高材料が出てくる可能性が低くなったことで、市場は待ってましたとばかりに、円安再開。「17年ぶりの利上げ」という見出しとは裏腹に、日銀の限界が顕わになっています。
続いてのFOMC。
最近の強めのCPIやPPIから、私を含めて、タカ派的な姿勢を覚悟していた投資家が多かったと思いますが、結果はハト派的でした。
量的引き締め(QT)を近く減速する方針に加えて、政策金利については年内に3回引き下げるとのスタンスが維持されたため、市場は金利低下株高で反応しました。
FRBは2024年の成長率について、1.4%から2.1%に見通しを引き上げたにもかかわらず、金融政策が緩和的な方向に向かっているのは、大統領選を控えた政治的な配慮なのではといった憶測も生まれています。
ローレンス・サマーズ元米財務長官は、「米金融当局は利下げを開始したくてうずうずしている印象を受ける。なぜそんなに急いでアクセルを踏もうという話になるのか理解できない」と述べています。
いずれにせよ、インフレファイターであるはずのFRBが更なる株高を支援するようなトーンであることに違和感を感じながらも、株を買い戻した人が多かったと思われます。
コモディティ市場では、銀と銅が先週の反動で2~3%下落。金とWTIは小動きでした。
個別では、ビッグテックが堅調で、グーグル+7%、メタ+5%。マイクロソフトとアマゾンが+3%などですが、司法省から反トラスト法で訴えられたアップルは全体の波に乗れずに小幅マイナス。
半導体では、好決算のマイクロンが+18%と断トツで、AIデータセンターは多くのメモリーを消費します。
新製品を発表したエヌビディアは+7%ですが、ライバルのAMDは6%安と明暗分かれました。SOX指数は+3.2%でした。
日本株に関しては、流動性の高い主要銘柄は既に大きく買われてしまい、これ以上何を買うのだろうかという水準まで上がってしまいました。今後は出遅れを静かに物色するようなスローな相場を予想します。
マーケットアナリストの豊島逸夫氏は、海外勢のマネーは欧米株に里帰りし始めたと分析されています。
金(ゴールド)と比較すると、ドルは年初来で5%安。その弱いドルに対して円は7%安ですから、12%安。
TOPIXは年初来で+19%、S&P500は+10%なので、日米ともに、株価上昇の最大のエンジンは通貨安と言っても差し支えないように感じられます。
要するにインフレですから、現金ホルダーが一番損をする展開です。日本もデフレ時代が終わったとすれば、現金にしがみつくだけでは自分の労働の結果が目減りすることになるので、一定程度の投資運用は必須科目ということになりそうです。
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