今週の相場(4/19時点)
今週のS&P500は3%安、NASDAQは5.5%安、日経平均は6.2%安。想像していたよりもズルっと深押ししたという感じです。
米長期金利は4.52%→4.62%、ドルインデックスは106.0→106.1、ドル円は153円29銭→154円64銭。金利高ドル高でした。
株式市場の動揺によって、ドル円は一時1円ほど円高に振れたものの、終わってみれば安心の円安。利上げも介入も口先だけと、舐められています。
15日発表の米3月小売売上高は前月比0.7%増。2月分も0.6%増から0.9%増に上方改定と大変強い数字で、これを受けてFRBの利下げ観測は後退。
FedWatchでは、6月利下げ予想は16%となり、年末FFレートは、年内1回だけ利下げ予想が36%で最多となっています。
先月、利下げは遠くない(not far)と語っていたパウエル米FRB議長は翌16日、「インフレ目標達成の自信を得るまでにいまだ時間がかかる」と、敗北宣言(?)。
コモディティ市場では、金・銀が+1%、銅が+6%と、引き続き金属が強く、WTIは3%安。
今週は半導体関連で注目の決算があり、まずはオランダのASMLの売上が期待以下、続くTSMCは好決算ながら半導体市場全体の見通しを引き下げたことで、これまで相場を牽引したAI銘柄が崩れ、半導体関連銘柄全体が売られました。
週後半は地政学リスクにも関心が強まり、イスラエルがイランを攻撃したとの報道でリスクオフ気分が拡散しました。
米国株価を押し上げていた利下げ期待と半導体需要という二大エンジンに影が差してグラグラしていた心理に、中東緊張が背中を押したといった具合ですが、幸いにもイランの対応は抑制的であり、原油価格の上昇が一服したことも安堵されます。
個別では、テック系大型銘柄が軒並み売られ、アマゾン、メタ、アップル、マイクロソフトが5~7%安で、テスラは14%安。ネットフリックス11%安。
半導体は、大将のエヌビディアが14%安、マイクロンが13%安、ブロードコムとAMDが10%安など総崩れとなり、SOX指数は9%安。
ロックアップが解除されたアームは31%安、スーパーマイクロコンピュータ(SMCI)は21%安と、暴落的な風景が広がりました。
目だった上昇銘柄は、好決算のユナイテッドヘルスの+14%、同じく決算が良かったアメックスが+6%、過去の不正営業による規制が解除されたウェルズファーゴ+7%など少数です。
これでS&P500は3週連続の下げとなり、「Fear & Greed Index」 は先週の46から31に下がってFEARゾーン入りとなっています。
年初来の上昇率を確認してみると、S&P500が+4%、NASDAQは+2%、NASDAQ以上にブイブイだったSOX指数も+3%。
いずれも平凡な数値となっており、逆に言えば、過剰な期待感が剥落して割高感は緩和されました。
25日線からの下方乖離は、S&P500が4%、NASDAQが5%、日経平均は6%と、目先の反発が期待される程度には売られました。
来週は日米ともに、底打ちを探る動きになるのではないかと想定しています。
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