今週の相場(5/3時点)
今週のS&P500は+0.5%、NASDAQは+1.4%、日経平均は+0.8%。
米長期金利は4.66%→4.51%、ドルインデックスは106.1→105.1、ドル円は158円29銭→152円88銭。
ドル円は、米金利低下と日本当局の介入によって大幅円高でした。
介入1回目は日本が休日の29日で、ドル円は160円タッチから154円台まで急落。次はFOMC直後の2日朝、157円から153円台まで急落。合計で9兆円ほどのドルが円転したと推測されます。
今年のドル円は140円スタートですから、4か月で20円もの円安は流石に性急すぎると短期筋に説教する効果はありましたが、それでも年初からは10円の円安であり、円がゼロ金利でインフレ負けするという実態に変わりありません。
4月30日発表の米雇用コスト指数は年率換算で+4.8%と急伸。「インフレ鈍化の停滞を示す新たなデータだった」との声がありました。
一方、同日発表の4月の米消費者信頼感指数が97.0と市場予想の103.5を下回り、FRBの金融引き締めが長期化し、米景気を冷やすことも警戒されています。
FOMCでは予想どおりに政策金利を5.25〜5.5%で据え置き。
パウエル議長は「インフレ率は目標への進捗を見せず、利下げの時期は推定できない。ただ、次の行動が利上げになることはありそうにない(unlikely)」と語り、米国債の保有額を減らす量的引き締め(QT)の上限を月600億ドルから250億ドルに減らす決定もしました。
インフレとの闘いが長引きそうと言いつつ、QTを減速するのは矛盾するようですが、保有債券の価格低下に悩む銀行への配慮と見られます。
議長の発言は、利上げ可能性に言及するのではと警戒していたほどのタカ派では無かったという受け止め方が多数派でした。
雇用統計は、NFPが+17.5万人で予想の24.3万人以下、失業率は3.9%で予想の4.0%以下、平均時給は+3.9%で、予想の4.0%以下。
過熱気味の労働市場にやや軟化の兆しが見えたことは、ソフトランディングへの序章として歓迎されるとの評価が多く、株式市場は好感して買われました。
CMEのFedWatchでは、年末時点の最多予想が1回利下げから2回利下げにシフトし、少しだけ利下げ方向に振れました。
コモディティ市場では、金・銀・銅が小幅調整し、WTIは7%も下落。米国の原油在庫と生産量が増加したほか、中東での停戦合意に期待が高まっていることが理由と解説されています。
個別では、アップルがアジアでの売上が減少しましたが、増配と自社株買い1100億ドルの大量追加で+8%。
アマゾンはクラウドサービスのAWSが好調で+4%。
スタバは中国中心に既存店売上が減少して17%安。決算が予想以下のCVSヘルスも17%安。
半導体では、クアルコムの今後の見通しが予想以上で+8%。スマホ販売の底打ちを窺わせると評価されています。
AMDは売上見通しが期待以下で4%安。全般に半導体関連はマチマチの結果で、SOX指数は0.4%安でした。
年初の140円から20円もの円安は、さすがに神田財務官を怒らせたようで、実施された為替介入は、安易な円ショート勢を撃退することには成功した形ですが、そもそも151円に75日線があり、その近辺まで後退させたに過ぎないという見方も出来ます。
結局のところ、円高トレンドへの転換は、ドル安待ちということになりそうで、介入で時間稼ぎをしている間に米CPIがスローダウンしてくれるかどうかがドル円相場の鍵ということになりそうです。
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