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August 04, 2024

今週の相場(8/2時点)

今週のS&P500は2%安、NASDAQは3.4%安、日経平均は4.7%安。日経平均は先週よりも下げ率は小さいのですが、騒ぎは大きくなっています。

米長期金利は4.19%→3.79%、ドルインデックスは104.3→103.2、ドル円は153円76銭→146円56銭。金利は大きく低下し、ドル安と円高が進みました。

水曜日の日銀は、予想されていた国債買い入れ額の減額と同時に、政策金利を0.25%に引き上げる決定をしました。総裁会見も更なる利上げに触れるなど、比較的タカ派的な印象を与えました。

これまで、何だかかんだと理由を付けて決定を引き伸ばしてきた日銀ですが、政界からの後押しによって円安対策に踏み込んだものと解されます。

続いてのFOMC。予想どおりの金利据え置きでしたが、声明では雇用情勢への懸念に最近では初めて言及され、パウエル議長は9月利下げの可能性を示唆しました。

木曜日の米新規失業保険申請件数は24万9000件と前週の23万5000件から増加し、ISM製造業景況感指数は46.8と、節目の50を4カ月連続で下回り、市場には嫌な雰囲気が漂いました。

そして注目の雇用統計。就業者数は11万4000人増と、久々の低水準となり、6月も2万7千人の下方修正。

失業率は4.3%と0.2%悪化し、賃金は前年比+3.6%と前月の+3.8%から低下。

懸念が大当たりし、投資家は一気にリスクオフ気分。FRBは後手に回って利下げが遅れているのではとの意見が急増しています。

CMEのFedWatchでは、年内に3回利下げ(0.75%)という予想が最多の66%になっています。

コモディティ市場では、金銀が+3%、銅が+1%、WTIは4%安。ドル安で貴金属価格は押し上げられ、景気不安で原油は売られたのかと思います。

個別では、AI投資が利益を抑制していると見られたアマゾンが8%安。ようやく、AI投資が割に会うのかという、本質論に目が向き始めました。

今後の景気懸念からか、大手銀行も、ウェルズファーゴが12%安、JPモルガンが6%安。

半導体は、悪決算・配当停止・従業員15%のリストラと三重苦のインテルが31%安。AI期待の剥げたマイクロンが15%安、クアルコム12%安、エヌビディア5%安。SOX指数は10%安と大反省モード。

年初来で見ると、エヌビディアの株価は2倍となり、インテルは半分です。

急騰銘柄ばかり見れば暴落にも見えますが、S&P500は高値から6%下げて75日線上にあり、今年4月後半の調整時と同様の状態です。

今回の急落は、モメンタムに依存した一部市場において、定期的に起こる「ふるい落とし」現象と言えそうです。

日本に関しては、日経平均もドル円も今年1月下旬の水準であり、振出しに戻った状態です。残念ながら日経平均の上昇は、円安で嵩上げされただけの幻想だったという評価になりそうです。

但し、現状の個別日本株は売られ過ぎの感があり、短期的にはいつ反発してもおかしくないレベルかと思います。

ドル円に関しては、これまでのように円を売ってエヌビディアのような米国成長株を買うといった安直なキャリートレードは撃退されましたが、円の実質金利がマイナスであることは何ら変わっておらず、依然として円は持っていると損をする通貨。

円を何かに替えたいけれど株が不安となれば、ますます金の輝きが増すかもしれません。インド株の下げも限定的です。

米国景気には急激に不安心理が台頭してきましたが、大きく利下げ余地を持っているところが一番の強みと言えます。

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