January 04, 2017

どうなる2017年

何といっても、ドルがどうなるかが焦点です。

過去20年の、ドル実効為替レ-ト。
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リーマンショックが落ち着いた2011年から上昇が始まり、既にドル上昇期の終盤にも見えますが、これでトレード出来るような材料ではありません。

基本的に通貨安なら株高。
日本だけではなく、BREXIT後の英国株が2割ほど上がったのが典型ですが、トランプラリーでは、「金利上昇=株価上昇=ドル高」が共存する珍現象(?)が発生しました。

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January 01, 2017

2016年は揺り戻しの1年だった

新年にあたり、皆様方のご健勝をお祈り申し上げます。

昨年を振り返ってみると、6月のBREXITと11月の米大統領選が印象的です。
特に、当初は泡沫候補の扱いでしかなかったトランプ氏が勝利したことは驚きました。

接戦の結果、最後はヒラリーが逃げ切るものと思っていましたが、8年続いた民主党政権への拒否感は想像以上に強かったのです。

黒人大統領の次に実現されるべきは女性大統領だろうという、マイノリティ優先的な歴史観も一旦ストップ。

『LGBTの権利は認めるし、Black Lives Matterも当然だ。
しかし、だからって俺たちの方が列の最後に並ぶってのはおかしいだろう』

トランプは、こうした白人層の不満を上手く票に結びつけました。
米大統領選は接戦州を取り合うゲームですが、この戦い方もトランプ氏の方が優れていたようです。

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December 15, 2016

FOMC後は、金利上昇でドル高株安

朝起きたら、ドル円117円でしたね。

FF金利は0.25%引き上げられて、ターゲット金利は0.50-0.75%に。

今後の理想的な(?)利上げ見通しが年2回→年3回に変更されたという解釈によって、金利高・ドル高・株安となりました。

長期金利は2.57%まで上昇。
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これは、2014年夏の水準。
この頃ドル円105~106円でしたから、トランプ弾は、いわばバズーカ第三弾です。

FRBは、現在の期待(妄想?)相場にお墨付きを与えたとも言えますし、常に市場に引きずられているだけ、という見方もあるかもしれません。

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November 28, 2016

聖路加病院1泊2日入院体験記

少し前になりますが、軽度の心臓手術が必要となり、築地の聖路加病院に1泊入院しました。
人生初入院となります。

同病院は、「セレブ出産御三家」と呼ばれたり、全室個室仕様ということもあり、貧乏人お断りの「お高い病院」というイメージも一部にあるようですが、全室個室=全室差額ベッド代、ではありません。

健康保険で対応できる「無差額個室」もあり、リクエストしておけば空きがある範囲でアサインしてくれます。
実際、私は無差額個室となりました。
どこから見てもセレブではないことが幸いしたかもしれません。

一般有料個室は、最低でも1日(1泊は2日カウント)32000円以上となりますが、無差額個室の場合は自己負担が無い分、以下の点で有料個室よりも劣ります。

・シャワールームなし
・タオル、シャンプーなどの細かな備品無し
・テレビ、冷蔵庫が有料(テレビ400円/日、冷蔵庫200円/日)

私の場合、そもそも入浴は不可でしたし、実質的な比較デメリットは殆どありませんでした。

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November 25, 2016

どうなるオーストリア大統領選

イタリア国民投票と同じ12月4日、オーストリア大統領のやり直し選挙が行われます。

オーストリアの政治実権は首相にあり、大統領の権限は限定的と言われてはいるものの、大統領は大統領。

そもそもこの大統領選挙、今年の5月22日に行われ、とっくに終わっているはずでした。

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決選投票に残っていたのは二大政党(社会民主党、国民党)に属さない、極右自由党のノーバート・ホーファー氏(45)と、「緑の党」の元党首のアレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏(72)。

ホーファー氏は航空学校を卒業し、空軍と航空会社で働いた経験のあるエンジニアですが、その後自由党に入り、2005年に弱冠34歳で党首となりました。

自由党は現在、下院183議席中42議席(22%)を占めています。

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November 24, 2016

フィヨン氏って誰?

0022780082フランスの最大野党である共和党の大統領候補予備選挙では、サルコジ復活なるかばかりが注目されていましたが、蓋を開けてみれば、最も事前の人気が低かったフランソワ・フィヨン氏(62)が首位。
ジュペ氏との決選投票でも有利と見られています。

サルコジ氏は、トランプ氏の勝利に勇気づけられたのか、ブルカ水着全面禁止、フランスに同化しない移民は去れ、と反移民感情を前面に出して戦いましたが、やや過激すぎたようです。

フィヨン氏は、2007-2012年、サルコジ大統領の元で首相を務めたくらいなので、政治的な立ち位置は中道右派。

リベラル派のジュペ氏よりも、伝統的な(カトリック的な)道徳規範を維持することに重きを置いた候補の方が、予想されるルペン氏との対決に有利、と有権者は思ったのかもしれません。

フィヨン氏の公約は、(1)週35時間労働を39時間に延長(2)定年年齢を60歳から65歳に引き上げ(3)移民受け入れ枠を拡大等となっており、公的部門の雇用を50万人減少、歳出を11兆円削減、法人税減税など公的部門縮小と民間部門拡大を目指す内容。

税金にたからず、もっと働けという、サッチャー的な主張です。

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November 21, 2016

イタリア国民投票が迫る

サプライズの続く選挙(国民投票)ですが、12月4日にはイタリアで国民投票が実施されます。

イタリア政治というと、政党乱立による頻繁な政権交代、強大な権力を持つエロ爺い「ベルルスコーニ」、最近ではEU反対派の新興政党「五つ星運動」に所属する女性ローマ市長誕生などが思い浮かびますが、現在の首相は41歳のマッテオ・レンツィ。

フィレンツェ出身、フィレンツェ大学卒、フィレンツェ市長を経て、2年前に39歳で首相就任。
フィレンツェは個人的に大好きな街ですが、人口は36万人の小都市。

無理やり日本に例えると、奈良市長の橋下徹氏が、あれよあれよという間に首相になった、といった感じでしょうか。

S1reutersmedianet_3レンツィ氏は、フィレンツェ市長時代に市会議員の定員を半分にするなどの行政スリム化を図る一方、教育や福祉予算を増額し、幼稚園の待機児童を90%減らすことに成功。

フィレンツェ中心部への車両乗り入れを禁止し、無線LANスポットを500カ所設置するなどして観光を推進。歴史的な施設を有料で貸し出して、市の歳入を増加させました。

何よりも生活を楽しむイタリア人イメージと違い、twitter中毒の猛烈仕事人間と評価されています。

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November 20, 2016

財政赤字でドルは強くなるのか

米大統領選挙後、財政出動期待→金利上昇→ドル高、という図式が当然のように語られていますが、果たして歴史はどうなのか。

グラフは、1970年以降の米政府財政状況(対GDP)とドルの実質実効為替レートです。

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青が財政、赤がドル。

基本的には正の相関(財政が良ければドルは強い)で、2回ほど異常期間があったと解するのが妥当かと思われます。

これに従えば、「財政赤字拡大→金利上昇→ドル買い」は長続きしないという解釈になります。

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November 15, 2016

トランプはニクソンの後継者

トランプ自身はレーガン大統領を理想とすると何度か語っていますが、実際にはニクソンを踏襲していくのではないかと見られています。

Nikusonjk42(Donald Trump as Nixon’s Heir:WSJから)

この表でのポジションはニクソンと同じ分類で、よりエリートから遠く、より大きな政府指向です。

ニクソンは、元々激しい反共主義者でした。
「赤狩り」旋風を巻き起こしたマッカーシーとともに、トルーマン政権の高官アルジャー・ヒスについて追求の手を緩めず、ついには偽証罪に追い込んだことで「反共の闘士」として有名となりました。

ニクソンは、1960年大統領選でテレビ映りが悪くてケネディに負けたとされていますが、当時の最新メディアであるテレビをうまく活用していたのは、むしろニクソンです。

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November 12, 2016

トランプ勝利、その時マーケットは(3)

大統領選の結果は大方の予想を覆したため、投資家は突然にシナリオの修正を迫られ、かなりヒステリックな反応となったのだと思います。

また、11日(金曜日)はベテランズデーのために株式以外はNY休場であり、そのため債券市場は余計に慌てて判断しなければなりませんでした。

来週は少し落ちついて、今後の方向性を考えることになろうかと思いますが、なにせ考えるための材料が不足しているというのが実態かと思います。

そもそもトランプの過激発言は、選挙用にある程度誇張されたものであり、差別主義と言うよりはビジネスライクですし、女性蔑視と言うよりは助平で面食い。

どこの国でも選挙用のキャンペーンがそのまま実行されることなど有り得ず、言葉よりも今後の行動を見て判断すべきかと思います。

その意味では、依然として外交や金融政策は不透明であり、間違いないのは減税と財政支出拡大だ、ということで、この部分が市場で過度にハイライトされてしまったようにも見えます。

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