野村證券第2事業法人部
「野村證券第2事業法人部」は、あのオリンパス事件の「指南役」とされた横尾宣政氏の告発本です。
前半は、コンプライアンスなどクソ食らえ、新入社員が過労で自殺しても全く話題にならない時代のモーレツ物語で、筆者が多数の顧客の資産を犠牲にして社内での実績を積み重ねていったプロセスが語られます。
後半では、筆者が独立し、オリンパス事件に関わっていきます。
「野村證券第2事業法人部」は、あのオリンパス事件の「指南役」とされた横尾宣政氏の告発本です。
前半は、コンプライアンスなどクソ食らえ、新入社員が過労で自殺しても全く話題にならない時代のモーレツ物語で、筆者が多数の顧客の資産を犠牲にして社内での実績を積み重ねていったプロセスが語られます。
後半では、筆者が独立し、オリンパス事件に関わっていきます。
アメリカが分断しているのは確かですが、それはトランプが内向きで保護主義で差別主義だからではなく、メディアがトランプの悪い面ばかり強調して嫌悪感を煽ることも一因と考えないと、アメリカ人の半分はいまだにトランプを支持しているという背景が見えてきません。
「アメリカで感じる静かな「パープル革命」の進行とトランプ大統領誕生の理由」の著者は、米政府関係に勤めるアメリカ人と結婚した日本人女性(現在はアメリカに帰化)であり、民主党にも共和党にも特段の肩入れをせず、一歩引いてアメリカを見ることが可能な立場にいます。
本書が語るように、アメリカンドリームなど、もはや存在しません。
あるのは、政府と大企業の癒着、法外な教育費と医療費、異常な収入格差と貧困、繰り返す銃乱射事件、白人警官と黒人の消えない憎悪、忘れ去られたハードヘルメットの男たち。
かつて世界の誰もが憧れたアメリカの平均像は、吹っ飛んでしまいました。
総理 (幻冬舎単行本)の著者である山口敬之氏は元TBS記者。
「ベトナム戦争当時の韓国軍慰安所の存在を指摘するアメリカの公文書」について、TBSが報道しない方針となったため、2015年3月に週刊文春に寄稿。
直後にワシントン支局長の任を解かれ、営業局へ左遷されました。
左寄りでは無い、気骨ある人物と推測します。
あの朦朧会見後に落選し、不慮の死を遂げた故中川昭一議員とも大変親しかったようで、戒名が「青邦院釋昭尊」となった経緯など詳しく書かれています。
イトマン事件を告発する怪文書を書いたのは元楽天副会長でした、とカミングアウトした今話題の「住友銀行秘史」。
住友銀行は実力主義で知られていますが、実力や成果というものは、所詮それを判断する人が決めるものですから、上司への猛アピールが前提。
特に行員が数万人もいる巨大銀行では、然るべき人物に「あいつは出来る奴だ」と言って貰うことが極めて重要なので、好き嫌いが却って強く人事に現れやすくなります。
著者の国重氏は、住銀の出生街道の先頭を走るエリート行員でしたから、もちろん「実力」があり、融資先である商社イトマンの放漫経営に憤りを感じ、かつ将来自分がトップを取ったときに住銀がヘナヘナではどうしようもないではないかと怒りに震え、経営陣の一挙手一投足に関して克明なメモを取りつつ、一部長の立場ながら執念深く「改革」の工作を進めていきます。
「中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来 」の著者「岩村充」氏は、日銀出身。
前著の「貨幣進化論―「成長なき時代」の通貨システム 」においても、様々な例え話を駆使しながら、貨幣の本質と今後の展開について興味深い議論を展開しました。
今回は、新たに登場した暗号(仮想)通貨を取り上げ、現行の中央銀行システムと比較することで、貨幣の未来を思考実験します。
「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)」は、池上彰氏と佐藤優氏の対談第二弾。
本書は、なぜ今世界史なのかというイントロの後、まずは中東地域の話で始まります。
「中東は世界の中心であり、常に世界史大転換の震源地だから」と佐藤氏。
話題の中心は、アラブ(サウジ)対ペルシア(イラン)ですが、2016年は正にこの対立の激化で幕を開けました。
新国立競技場のA案、B案は、隈研吾VS伊東豊雄の巨匠対決でしたが、俗に言う第四世代が第三世代に競り勝った結果となりました。
以前から雑誌等で、隈 研吾氏のエッセイはなかなかオモロイと思っていましたが、今回初めてお金を払って「建築家、走る」を読みました。
バブル崩壊後、東京で「干され」、仕方なく地方や海外で走り回っているうちに、彼は「ひねくれた反体制派」から、徹底した「現場主義=人間主義」に生まれ変わります。
そしてアイコンとなった今は、「毎回出走を義務づけられた競走馬」として、世界を走り回っています。
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)は、エマニュエル・トッドの幾つかのインタビューの纏めです。
トッドは、ソ連崩壊、米国発金融危機(いわゆるリーマンショック)、アラブの春を次々と予測した(ということになっている)ので、常に予見的であることを期待されています。
本書では、そのタイトルが示すように、フランスの弱体化を嘆き、ヨーロッパ全体をドイツが支配しつつあると現状を分析しています。
トッドは常に人口や幼児死亡率を重視しますが、ドイツが支配する国を含めれば、ドイツが人口でアメリカを凌駕することさえ可能なようです。
「超マクロ展望 世界経済の真実 」は、2010年の出版ですから、東日本大震災も、最近の原油安という事実も反映されていません。
本書を5年後の今読む意味は、当時の議論に時間を超える普遍性があったのかどうか、今の方が確認しやすいという点にあります。
水野和夫さんは、世界的な利子率の低下を見れば成長の限界は明らかという「悲観論者」であり、リフレ派に反対し、円高歓迎論者です。
萱野稔人さんは、暴力装置としての国家観を中心に経済を語る現実主義的な哲学者で、いわゆる左翼史観とは大きく異なる観察眼を持っています。
米国四季報の第二弾、「米国会社四季報2015年春-夏号 : 週刊東洋経済 増刊」が、4月に発売されていたことを今頃気が付きました。
昨年の「米国会社四季報2014年版」と比べると、春夏号と名乗っているので、今後は年2回定期的に刊行されると期待して良さそうです。
個別企業の基本的なページ構成は昨年と同じですが、売上・EPS推移の小さなグラフが追加されています。
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