August 18, 2015

上海株はどこへ~4000は売りサイン~

Ssec081801先週は人民元の変動に気を取られていましたが、上海総合指数は今日4000にワンタッチ、その後は6%以上も下落と、派手な上下動を繰り広げています。

中長期で上海総合指数を見る時のポイントは、約1年前の2014年7月から上昇が始まったこと、そこを起点にすれば十分に上がっていること、そして4000以上は鬼門、という3点かと思います。

そもそも習近平は、2012年秋に党と軍を掌握(中央委員会総書記、党中央軍事委員会主席)し、深刻な汚職問題に取り組むと語りました。
翌2013年3月には国家主席にも就任し、不動産価格の高騰を抑制すると宣言。

2013年12月から消息が途絶えていた周永康が、中国共産党中央規律検査委員会によって「重大な規律違反」で立件されたと報道があり、失脚が確定したのが2014年7月です。

ここに至って人々は、習近平の権力基盤が確立し、彼の方針が実現されるだろうと信じ始めました。

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August 16, 2015

人民元は高いか安いか

8月11日、中国人民銀行による人民元の基準値下方改訂で始まった先週の人民元ショック。
結局、実勢レートは、前週比で対ドル▲3.1%、対円▲3.5%という小幅な下方修正でした。

周辺のタイバーツやシンガポールドルが、7月以降で4~5%下げており、そうした動きと比較して無理がない、IMFのアドバイスに沿った柔軟な為替管理の一環と説明できる範囲に、一旦は収まりました。

なお、市場では更なる元安への疑心暗鬼が漂っており、9月の習近平訪米が一層注目されます。

この程度なら、なぜ今なのかという疑問が湧きますが、おそらく我々には知り得ない、政権内部の微妙な事情があるのだろうと思われます。

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August 11, 2015

人民元が”少し”切り下げ

今日の人民元は、中国人民銀行による変動幅拡大の方針を受け、対ドルで前日比1.8%安で終了しました。

これを突然という報道がありますが、7月24日に変動幅拡大方針がアナウンスされており、事実上の切り下げ予告だと理解されていました。

本ブログ上でも、7/25の「シカゴ筋ポジションの確認(7/21時点)」の中で、人民元切り下げ観測を取り上げていますから、今日の事態をサプライズだなどと平気でのたまうプロは、さっさと引退すべきです。

史上最大幅という報道もありますが、90年代前半にはもっと大きな切り下げをしています。
下図は、対ドルでの人民元レートです。

Rmbusd081001

周辺国から見れば、勝手に切り上げさせられたのと一緒ですから、これが90年代後半のアジア通貨危機の遠因となったとの見方が今は定着しています。

そもそもアベノミクスで50%も通貨を切り下げた国のメディアが、このくらいで大げさに騒ぎ立てるのは滑稽にしか見えません。

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June 27, 2015

中国の株価と訪日観光客数

銀座の中国人は、買い物の合間にも株価チェックに余念が無い様子が報道されています。
昨年来のバブル的な中国株の上昇、そして足下での株価急落で、いわゆる「爆買いツアー」はどうなるのか。

Photo
上海総合指数と来日中国人観光客数(月別)をグラフにしてみました。

株が上がった→日本に行こう、のタイムラグを反映するため、株価の方を1ヶ月前にシフトさせ、直近は現在値を入れています。

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September 15, 2014

1億人が漂流する ~中国・都市大改造の波紋~

9月13日に放送されたNHK-BSドキュメンタリー「1億人が漂流する ~中国・都市大改造の波紋~」は、中国で格差社会是正の切り札として繰り出された「都市大改造」を取り上げています。

農村から都市にやって来た「農民工」は、約1億人。
その多くは「城中村」と呼ばれる、非合法建築の安アパートに住んでいます。

「スラム街」にも見える城中村を再開発し、希望する農民工には都市居住証を発行して、将来的には、都市戸籍と農村戸籍の一体化を目指す。

中国共産党が「城鎮化」と呼ぶ、この都市化政策は、「農民工市民化」とも呼ばれ、農民の都市定住を促し、格差を是正し、人口集中による消費主導型経済への転換を目指す、一気に三得(?)の重要政策と位置づけられ、李克強は「人にやさしい政策だ」と理解を求めています。

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March 12, 2014

中国の不思議な輸入増(2)

Photo中国を代表するコモディティ銘柄、江西銅業のチャートです。
今日も2.5%安となり、1ヶ月で2割ほど下げました。

なぜ銅を輸入すると、金融資産運用になるのか。

まずは輸入する銅を担保として銀行からL/C(Letter of credit:銀行の支払保証)を取り、輸入代金分のドル建て融資を受けます。

銅が手に入ったら売却し、理財商品等を購入。
ドルの金利より人民元の金利は高いので、いわばドルキャリートレードです。

上手くリターンが確定したら、ドルの借金を返済して終わり。

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March 11, 2014

中国の不思議な輸入増

2月の中国の輸出が前年同月比18.1%減少したことは、株式市場の心理を冷やす材料になっていますが、一方で輸入は前年比10%増でした。

先行きが良いとは到底思えないのに、なぜ原材料であるコモディティを多く確保する必要があるのか不思議です。

ロイターの「China Feb commodity imports rise despite weak underlying demand」によれば、資金調達上の理由など一時的なものだろうと解説されています。

特に銅に関しては、中国で借り入れの担保に使われることが一般的であり、理財商品の保証用としても利用されているので、実需とは別の理由による在庫確保といった面があるようです。

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February 26, 2014

人民元が下落

Cnyusd人民元の対ドルレートを確認しておくと、2013年は、0.16→0.165と、3%上昇。

今年は、0.165→0.1658→0.1633と、0.5%上昇して、そこから1.5%下落。

年間3%程度に管理されていると思っていたら、短期間で1.5%も動いたので、ちょっとした騒ぎになっています。

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January 23, 2014

理財商品はソフトランディング可能か

理財商品の破綻話がチラホラ表に出てきました。

一つは、中誠信託が募集し、中国工商銀行が販売した30億元(約500億円)の信託商品。非上場の石炭会社「山西振富能源集団」向けの融資に充てられたものの、今月末の償還が危ぶまれているとのロイターの記事
中国工商銀行は責任を否定する発言をしています。

もう1件は、無名の投資会社、北京ロール・イン・インベストメントが2012年に売り出したもので、約10億元(170億円)を集めたものの、償還期限の昨年末に支払われていないとWSJが報道

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August 22, 2013

薄熙来の公判始まる

M82649収賄と横領、職権乱用の罪に問われた元重慶市共産党委員会書記(元党中央政治局員)の薄熙来被告(64)の初公判が今日、山東省済南市中級人民法院(地裁)で開かれました。

起訴状によると、収賄と横領の総額は約2680万元(約4億3千万円)。

また妻、谷開来受刑者(54)の英国人殺害事件などをめぐって職権乱用があったとのことです。

大紀元日本は、
「起訴状に息子の瓜瓜氏(赤い囲みの部分)が収賄にかかわったとの内容が記載されているのは予想外。
薄被告が罪を認めれば、息子の起訴が免れられるとの裏取引が指導部と薄被告の間にあったと噂されていたが、瓜瓜氏の収賄関与が起訴状に盛られたことで、薄被告が起訴内容の一部を否定する態度に転じるなど予想外の展開を見せている」
と報道しています。

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