October 06, 2024

今週の相場(10/4時点)

今週のS&P500は+0.2%、NASDAQは+0.1%、日経平均は3%安。

米長期金利は3.75%→3.97%、ドルインデックスは100.4→102.5、ドル円は142円24銭→148円65銭。金利高ドル高円安でした。

就任早々の日本の新首相は、早くもその豹変ぶりが話題です。

石破氏は、「異次元金融緩和によって、もともと抱えている病気が治るわけではない」と、金融正常化に前向きとみられていましたが、日銀の植田総裁との面会後、「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言。

梯子を外された円ロング保持者は、慌てて巻き戻しを迫られたとの報道がされています。シカゴ筋ポジションでも、円ロングの減少が確認できます。

金曜の雇用統計は、雇用者数が+25万4000人と強い結果で、前月も+14.2万人から+15.9万人に上方修正。失業率は4.1%で、直近3ヶ月は、4.3%→4.2%→4.1%と順調に推移しています。

平均賃金は前月比+0.4%で、前年比では+4.0%。直近3ヶ月は、+3.6%→+3.8%→+4.0%と上昇傾向にあり、サマーズ元米財務長官は、9月の0.5%利下げは間違いだったとの見解を示しました。

コモディティ市場では、金・銀・銅は小動きでしたが、WTIは+9%。ネタニエフの戦争好きが更にエスカレートして、レバノンでのヒズボラとの戦いが激化していることを反映しました。

イランは反イスラエル陣営の盟主として、一定の反撃をせざるを得ない状況ですが、元より本格的な戦闘は望んでいないので、対応に苦慮していることと推察します。

Continue reading "今週の相場(10/4時点)"

| | Comments (0)

September 29, 2024

今週の相場(9/27時点)

今週のS&P500は+0.6%、NASDAQは+1.0%、日経平均は+5.6%。日本株はタカイチトレードでした。

米長期金利は3.74%→3.75%、ドルインデックスは100.7→100.4、ドル円は143円90銭→142円24銭。金利は小動きでしたが、やや円高でした。

27日金曜発表の8月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で+2.2%。7月の2.5%から鈍化し、市場予想を下回りました。

前月比では総合・コアとも+0.1%。総合は予想通りで、コア指数は0.2%の市場予想を下回りました。

PCEは総じて弱く、インフレが鈍化、消費は強くないわけですから、FRBは利下げを行いやすい環境と理解され、FedWatchによる11月FOMCでの予想は、再度の0.5%利下げが過半数になっています。

コモディティ市場では、金・銀が+1%、銅が+6%、WTIが5%安でした。

中国人民銀行は、預金準備率と金利の両方の同時引き下げを決めるという、従来よりは気合の入った景気刺激策を発表しましたので、銅がポジティブに反応。WTIの下げはサウジの増産報道によるものと解説されています。

中国関連株は久々の反発となり、今週のハンセン指数は+13%でしたが、今後の中国経済指標が具体的に良くなるのかどうかが注目されます。

Continue reading "今週の相場(9/27時点)"

| | Comments (0)

September 22, 2024

今週の相場(9/20時点)

今週のS&P500は+1.4%、NASDAQは+1.5%、日経平均は+3.1%。

米長期金利は3.65%→3.74%、ドルインデックスは101.1→100.7、ドル円は140円88銭→143円90銭。ドル高ではなく、円安でした。

金利の下げ幅が注目されたFOMCは、多くのエコノミストが予想する0.25%ではなく、0.5%の大幅利下げでした。

理由としては、「後手に回っていると思われたくない」とのことで、自らへの批判を避けたいパウエル議長の「保身の大幅利下げ」という解釈になりそうです。

また、結果的に民主党に媚びを売ったという解説もありますが、それも保身です。

株価が最高値圏にある状況で2回分の利下げをしたFRB議長など記憶にないので、インフレ再燃を懸念する指摘もあります。

少し先の2026年辺りを見通してみると、FRBメンバーの長期予想が2.9%となっていることから、この辺りがFFレートの最終的な目標と見て良さそうです。

インフレ率が2%でFFレートが3%、そして長期金利が2019年の2.8%よりは高めの3%真ん中あたりという風景が、FRBの見据える落ち着きどころかもしれません。

一方の日銀も定例会合がありましたが、金利は予想どおりの据え置き。

植田総裁の会見は全般に歯切れが悪く、「時間的余裕が出来た」などの発言からは、早期利上げに踏み込みたいとの意思が感じられなかったため、動けない日銀の態度を見切った市場参加者によって円売りが進みました。

コモディティ市場では、金・銀・銅が+1~2%で、WTIは+5%。ドル安プレイ状態と思われ、ゴールドは最高値です。

Continue reading "今週の相場(9/20時点)"

| | Comments (0)

September 15, 2024

今週の相場(9/13時点)

今週のS&P500は+4%、NASDAQは+6%、日経平均は+0.5%。米国株は先週の下げを概ね取り戻した格好です。

米長期金利は3.72%→3.65%、ドルインデックスは101.2→101.1、ドル円は142円30銭→140円88銭。ドルが金利安で小幅に下げる中で円高が進みました。

11日発表の8月米CPIは前年比で+2.5%と、7月の+2.9%から低下。

コア指数は前年同月比で+3.2%と前月と同じで、前月比は+0.3%と7月の+0.2%より高かったため、やや警戒感が走ったものの、総じて株価は堅調でした。

12日発表の米生産者物価指数(PPI)は、前年比では、+1.7%と、前月の+2.1%から鈍化しました。

ただし前月比では、7月分が+0.1%から横ばいに下方修正されたものの、8月はやや加速し、予想の+0.1%を上回る+0.2%。特にサービスの価格は前月比+0.4%と、7月の+0.3%安から反転上昇しました。

こうして9月FOMCでの0.25%利下げが織り込まれる中で、13日付けWSJがちょっとしたサプライズ。

NickTimiraos記者の「he Fed’s Rate-Cut Dilemma: Start Big or Small?」という記事で、FRB内に0.5%カットの勢力が結構いるとの再認識が広まり、ドル安ゴールド高を刺激しました。

但し、自ら後手に回ったことを認める大幅利下げは悪手と受け止められる可能性が高いので、結局は0.25%に落ち着くと思います。万が一、0.5%勢に押し切られた場合の保険をかけたということでしょうか。

コモディティ市場では、金が+3%、銀が+10%、銅が+4%、WTIが+2%。ドル安トレードの様相かと思われます。

Continue reading "今週の相場(9/13時点)"

| | Comments (0)

September 01, 2024

今週の相場(8/30時点)

今週のS&P500は+0.2%、NASDAQは1%安、日経平均は+0.7%。

米長期金利は3.80%→3.91%、ドルインデックスは100.7→101.73、ドル円は144円36銭→146円20銭。今週は先週と反対に、小幅ながらドル高と円安の共演模様でした。

注目のエヌビディアの決算は、またも三拍子揃った好決算でしたが、慣れてしまった投資家は驚かなくなり、売りで反応しました。

現実問題として、四半期ごとの最終利益伸び率(対前四半期比)は、+52%、+33%、+21%、+13%と鈍化しています。

またAIチップ購入側に明確な収益向上の結果が感じにくいことも、AIブームへの熱が少し冷めてきた一つの理由かもしれません。

しかしながら、エヌビディアの下げが相場全体に与える影響は限定的で、とにもかくにも無難にイベントが通過したことに投資家は安堵しており、セクターローテーション的に、半導体以外への物色が進んでいる風景も感じられます。

コモディティ市場では、金と銅が小動き、銀が3%安、WTIは2%安。

政情不安でリビアの生産が不安定なことなどから、OPECプラスが減産の一部解除を検討しているとの報道が、WTIの売り材料のようです。

金曜発表の7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+2.5%と、前月と同じ。前月比は+0.2%で、予想と一致しました。

コアPCE価格指数は前年比+2.6%、前月比+0.2%で、これも前月と同じ。個人消費支出は+0.5%で、前月の+0.3%を上回る結果。

ほぼ予想どおりの結果で、個人消費は全般に堅調と評価され、投資家は9月から慎重なペースでの利下げが開始されるとの見通しを強めています。

また、8月の米ミシガン大学消費者マインド指数(確報値)は67.9と、前月の66.4から上昇。
インフレの減速と利下げ見通しが、家計に対する見方を明るくしたと解説されています。

Continue reading "今週の相場(8/30時点)"

| | Comments (0)

August 25, 2024

今週の相場(8/23時点)

今週のS&P500は+1.4%、NASDAQは+1.4%、日経平均は+0.8%。

米長期金利は3.88%→3.80%、ドルインデックスは102.4→100.7、ドル円は147円60銭→144円36銭。円キャリーは遠い昔の話となり、今やドル安と円高の共演になりました。

注目のジャクソンホール。FRBのパウエル議長は、「政策を調整すべき時が来た」「労働市場のさらなる減速は歓迎しない」と発言し、FRBの視線がインフレから雇用に移ったことを明確に示しました。

こうして9月の利下げは確実視されていますが、利下げ幅を0.5%とする大胆予想は24%と少数派です。

コモディティ市場では、金がほぼ変わらず、銀が+4%、銅が+1%、WTIは2%安。ドル安によって貴金属は堅調であり、原油は景気下向きを反映して軟調だと思われます。

Continue reading "今週の相場(8/23時点)"

| | Comments (0)

August 18, 2024

今週の相場(8/16時点)

今週のS&P500は+3.9%、NASDAQは+5.3%、日経平均は+8.7%。

米長期金利は3.94%→3.88%、ドルインデックスは103.2→102.4、ドル円は146円65銭→147円60銭。米金利低下でドルは弱く、円は更に弱いという結果でした。

13日発表の7月PPIは、前月比で+0.1%と、前月の+0.2%より鈍化。前年比では+2.2%で、前月の+2.7%から鈍化。

コアPPIは前月比横ばいで、6月の+0.3%より鈍化。前年比では+2.4%と、前月の+3.0%から鈍化。

14日発表の7月CPIは、前月比+0.2%と、6月の0.1%低下から悪化ですが、前年比は+2.9%と、前月の+3.0%から鈍化。前年比上昇率は2021年3月以降では、初めて3%を下回りました。

コアCPIは前月比+0.2%と、前月の+0.1%より悪化したものの、前年比では+3.2%と前月の+3.3%から改善し、2021年4月以来の低水準でした。

PPIもCPIも全般に予想より低く、CMEのFedWatchでは、9月利下げ確率が100%です。

但し、家賃など住宅費が+0.4%と前月の+0.2%から加速し、CPI上昇分のほぼ9割を占めている点は心配されます。

15日発表の7月小売売上高は前月比+1.0%と、市場予想の+0.3%を上回りました。2か月連続で予想以上の数値となり、米経済のリセッション懸念が相当程度払拭されて株高をもたらしました。

コモディティ市場では、金・銀・銅がそれぞれ+3%、+5%、+4%と堅調で、金先物は最高値更新です。WTIはほぼ変わらずでした。

Continue reading "今週の相場(8/16時点)"

| | Comments (0)

August 11, 2024

今週の相場(8/9時点)

今週のS&P500はほぼ変わらず、NASDAQは0.2%安、日経平均は2.5%安。

米長期金利は3.79%→3.94%、ドルインデックスは103.2で変わらず、ドル円は146円56銭→146円65銭と、ほぼ変わらず。

債券への緊急避難も解消された様子となり、市場は大分落ち着いては来ましたが、月曜の日本株は日経平均が4千円以上の下落と、大きく荒れました。

先週段階で売られていた日本株は、週初から反発してもおかしくないレベルかと思っていましたが、日経平均31000円台まで売られたのには驚きました。

暴落と言って良いほどの下げに関して、円キャリートレードが果たした役割は小さくなさそうです。

安パイだと思っていた円ショートが、日銀の利上げや米国の景気鈍化観測などにより自壊すると、キャリートレードの対象だった米国株がまずは売られ、為替の損失を取り返そうとした空売り筋が日本株の先物売りから暴れまくって現物の投げを誘発するといったメルトダウン現象を誘発しました。

日本発のゼロ金利マネーが、どれだけ世界のバブル的現象を支えていたかが明らかになったとも言えますが、それにしても日本株市場は、歴史に残る狼狽ぶりでした。

7月前半の不思議な日本株上昇が短期的な思惑取引であり、その反動が一気に噴出したとも理解出きそうです。

植田ショックという言葉が独り歩きしているのは、ちょっと彼に可哀そう。状況次第で今後も利上げしていくというのは当たり前の発言でしたが、想定外の株式市場の急落によって、日銀は副総裁を通じて表現を緩和するという羽目になりました。

為替市場では表層雪崩によって、過剰に投機的な円ショートは消えたものの、貿易収支の赤字構造定着やデジタル赤字の拡大、継続的な米国株投資という構造的円安要因は残ります。

また、もう一度東日本震災級の大地震が起これば、市場は円売りとなり、日本企業の海外移転がさらに進むことになりそうです。

コモディティ市場では、金は底堅く変わらず、銀と銅は3%安、WTIは中東情勢の緊張から3%高でした。

Continue reading "今週の相場(8/9時点)"

| | Comments (0)

August 04, 2024

今週の相場(8/2時点)

今週のS&P500は2%安、NASDAQは3.4%安、日経平均は4.7%安。日経平均は先週よりも下げ率は小さいのですが、騒ぎは大きくなっています。

米長期金利は4.19%→3.79%、ドルインデックスは104.3→103.2、ドル円は153円76銭→146円56銭。金利は大きく低下し、ドル安と円高が進みました。

水曜日の日銀は、予想されていた国債買い入れ額の減額と同時に、政策金利を0.25%に引き上げる決定をしました。総裁会見も更なる利上げに触れるなど、比較的タカ派的な印象を与えました。

これまで、何だかかんだと理由を付けて決定を引き伸ばしてきた日銀ですが、政界からの後押しによって円安対策に踏み込んだものと解されます。

続いてのFOMC。予想どおりの金利据え置きでしたが、声明では雇用情勢への懸念に最近では初めて言及され、パウエル議長は9月利下げの可能性を示唆しました。

木曜日の米新規失業保険申請件数は24万9000件と前週の23万5000件から増加し、ISM製造業景況感指数は46.8と、節目の50を4カ月連続で下回り、市場には嫌な雰囲気が漂いました。

そして注目の雇用統計。就業者数は11万4000人増と、久々の低水準となり、6月も2万7千人の下方修正。

失業率は4.3%と0.2%悪化し、賃金は前年比+3.6%と前月の+3.8%から低下。

懸念が大当たりし、投資家は一気にリスクオフ気分。FRBは後手に回って利下げが遅れているのではとの意見が急増しています。

CMEのFedWatchでは、年内に3回利下げ(0.75%)という予想が最多の66%になっています。

コモディティ市場では、金銀が+3%、銅が+1%、WTIは4%安。ドル安で貴金属価格は押し上げられ、景気不安で原油は売られたのかと思います。

Continue reading "今週の相場(8/2時点)"

| | Comments (0)

July 28, 2024

今週の相場(7/26時点)

今週のS&P500は0.8%安、NASDAQは2%安、日経平均は6%安。

米長期金利は4.24%→4.19%、ドルインデックスは104.4→104.3、ドル円は157円50銭→153円76銭。

2週連続の株安はリスクオフ気分を高め、これまで安心感の強すぎた円キャリートレードもポジション調整のターゲットとなり、円高が進みました。

木曜発表の米4-6月GDPは、予想の2%に対して2.8%増となり、1-3月の確定値1.4%増の2倍。
米経済は十分に強く、ソフトランディング可能との予測を支援する結果でした。

金曜発表の6月個人消費支出(PCE)価格指数は前年比+2.5%。前月の+2.6%から鈍化し、FRBの9月利下げ予想を後押ししました。PCE価格指数の前月比は+0.1%なので、単純に考えれば2%目標を達成です。
また、コアPCE価格指数は前年比+2.6%で前月と同じ。コアPCEの前月比は+0.2%、前月は+0.1%でした。

CMEのFedWatchでは、9月までに利下げされるとの予想がほぼ100%です。

コモディティ市場では、金が1%安、銀が4%安、銅が3%安、WTIが5%安と、先週に続いて株と為替のリスクオフ気分が伝染し、ポジション調整が入りました。

Continue reading "今週の相場(7/26時点)"

| | Comments (0)

より以前の記事一覧