December 03, 2023

今週の相場(12/1時点)

今週のS&P500は+0.8%、NASDAQは+0.4%、日経平均は0.6%安。

米長期金利は4.47%→4.20%、ドルインデックスは103.4→103.2、ドル円は149円40銭→146円85銭と、金利安ドル安でした。

ドル円は下げトレンドが明確になっており、円高ドル安材料に敏感です。金曜日にISM製造業景気指数が46.7と予想の47.6を下回って米金利が下がると、148円台から146円台へと、ストンと下に落ちました。

株式では、ダウ(DJI)が好調で、2.4%上がって年初来高値。その他、ラッセル2000が+3.1%、ARKKが+8%と、大型銘柄のみならず、小型株やキラキラ系などへの物色の広がりが感じられます。

コモディティ市場では、金(ゴールド)が+4%、銀が+5%と買われ、金は史上最高値を更新しました。中国やポーランド、シンガポールの中央銀行の購入が目立つと報道されています。

一方、WTIは2%安。延期されていたOPECプラス会合は、30日にオンラインで開催され、複数国が「自主的な」追加減産で合意と伝えられたものの、そのとおりに実行されるのか市場は懐疑的で、WTIは続落しました。

原語の「voluntary」は、気が向けばやる、という意味に取れなくもありません。

29日発表のPCEデフレーター。10月は前年比+3.0%と、前月の+3.4%から鈍化し、前月比では伸び率ゼロ。9月時点でのFRBメンバー予測中央値は3.3%ですから、上出来の結果となっています。

コアPCEも+3.5%と、前月の+3.7%から伸び率縮小。インフレの鎮静化は順調と判断できる数値でした。

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November 26, 2023

今週の相場(11/24時点)

今週のS&P500は+1%、NASDAQは+0.9%、日経平均は、+0.1%と、いずれも小幅上昇でした。

米長期金利は4.44%→4.47%、ドルインデックスは103.8→103.4、ドル円は149円60銭→149円40銭と、こちらも小幅な動き。

ただドル円は、一時147円15銭付近までの円高方向の動きがあり、これまでのスーパー安心円安相場とは少し違うムードも生じてきたので、警戒モードは1段階上げるべきかと思います。

なお現在の149円40銭は、先週の高値151円90銭と今週の安値147円20銭の仲値149円55銭に僅かに足りず、半値戻しは出来ていないという微妙な水準となっています。

コモディティ市場では、金・銀・銅が1~2%上昇し、WTIは1%安。26日に予定されていたOPECプラスの会合が延期され、減産で足並みが揃わないとの観測が生じて、原油価格は軟調でした。サウジの減産要求に対してアフリカ勢が難色を示しているとの報道が出ています。

世界中が注目していたエヌビディアの3Q決算は、またまた素晴らしい結果で、EPSは予想の3.37$に対して4.02$。売上は、予想の162億ドルに対して、181.2億ドル。次の4Q売上高見込みは、予想の179.6億ドルに対して200億ドル±2%。

エヌビディア自身の株価は週間で3%下げましたが、SOX指数は変わらず。データセンター向けのエヌビディアの売上が増加しているなら、他の半導体への需要にも結び付くのではないかという連想が働いたという解釈も出来そうです。

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November 19, 2023

今週の相場(11/17時点)

今週のS&P500は+2.2%、NASDAQは+2.4%、日経平均は+3.1%。

米長期金利は4.64%→4.44%へ下落、ドルインデックスは105.8→103.8、ドル円は151円50銭→149円60銭。

米金利低下でドル安株高、という現在のトレンドどおりの結果でした。

今週の重要指標は、まずは10月米CPIですが、前年同月比で+3.2%。前月の+3.7%から鈍化し、市場予想の+3.3%も下回りました。

瞬間風速の前月比では横ばい。ガソリンが下げ、住居費の伸びも前月の半分でした。

コアCPIは+4.0%と前月の+4.1%から低下。前月比の伸びも+0.2%と、+0.3%から減速。

全般に、原油価格の下げが反映されて、物価の落ち着きが感じられる良い結果でした。

続いて10月の米生産者物価指数(PPI)。前年比は+1.3%と、+2.2%から鈍化。前月比では0.5%低下と、前月の+0.4%から大きく鈍化。

コアPPIは、前年比が+3.0%から+2.9%、前月比が+0.3%から+0.1%と上げ幅縮小と、こちらも良い結果。

コモディティ市場では、ドル安を反映してか、金・銀・銅が2~6%の上昇で、WTIは2%下落。今後の景気低迷観測等により、原油価格の下落は続いており、産油国の反応が注目されます。次回OPECプラス会合は11月26日の予定です。

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November 12, 2023

今週の相場(11/10時点)

今週のS&P500は+1.3%、NASDAQは+2.4%、日経平均は+1.2%。先週に続いて株は続伸しました。

米長期金利は4.58%→4.64%、ドルインデックスは105.1→105.8、ドル円は149円40銭→151円50銭。週間では、金利の反発を受けてのドル高株高でしたが、大きな流れとしては、米長期金利の落ち着きを好感した株高という理解です。

コモディティ市場では、WTIが4%安、天然ガスが14%安と、需要期の冬に向けて、エネルギー価格が下がっています。

中東情勢は、アメリカの説得やイスラエルに厳しい国際世論の影響もあって、原油供給の制約に繋がるような紛争拡大は避けられそうであること、および今後の欧州や中国の景気低迷観測を反映してWTIは下がっているとの解説がされています。

先週の弱い雇用統計が、金利安株高の大きなきっかけとなっていますが、米国労働市場の今後を探る手掛かりとして、日本のリクルートHDの業績が注目されます。

2012年にリクルートが買収した「インディード」は、世界最大級の求人検索エンジンとして同社の業績を支えると同時に、リアルな求人状況の有力なデータとなっています。

11月8日に公表されたリクルートの決算書には、「第2四半期の⽶国におけるIndeed上の求⼈数は前年同期⽐で約16%減少し、そのうち有料求⼈広告数は、採⽤需要がピークに近かった前年同期から約50%減少した。」との記載があり、リクルートHDの荒井執行役員は「景況感は引き続き厳しい」との見方を示しています。

現在の市場参加者は、金利安=株高という相関に注目しているので、インディードの現況が示すように、今後の米雇用市場が適度に軟調であるなら、金利上昇の抑制が当面の株価を後押しする要因になろうかと考えられます。

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November 05, 2023

今週の相場(11/3時点)

今週のS&P500は+5.9%、NASDAQは+6.6%、日経平均は+3.1%。

米長期金利は4.85%→4.58%に低下、ドルインデックスは106.6→105.1、ドル円は149円60銭→同40銭。金利低下を受けて、素直にドル安株高でした。

日銀会合では「上限」を「目途」に変更するという日本人以外には理解できない修正がなされましたが、大筋としての金融緩和には変更なく、また10月に為替介入が無かったことが確認されたこともあり、ドル円は一時151円70銭の円安レベルまで勢いよく買われました。しかしながら、そこからは2円以上下落して終えています。

FOMCは、2会合連続の金利据え置き。パウエル議長の表情は穏やかであり、議長会見中に株価は上昇しました。

CMEのFedWatchによれば、12月FOMCでの利上げ確率は僅か5%。市場は利上げ終了気分に沸いています。

10月雇用統計は、雇用者数が予想以下の15万人増。8、9月は10万人下方修正され、失業率は0.1%悪化の3.9%。平均賃金は前年比+4.1%と、前月の+4.2%から鈍化。

絵に描いたような望ましい労働環境の緩和が示唆され、株式市場の心理は大きくリスクオンに傾きました。

コモディティ市場では、金・銀・銅が小動きで、WTIは5%安。原油相場が落ち着いているのも良いサインで、WTIは、ハマスがテロを起こした10月7日の水準よりも低い位置で推移してくれています。

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October 29, 2023

今週の相場(10/27時点)

今週のS&P500は2.5%安、NASDAQは2.6%安、日経平均は0.9%安。

米長期金利は4.91%→4.85%に低下、ドルインデックスは106.2→106.6、ドル円は149円80銭→同60銭。

米長期金利は僅かに下がったものの、全体にリスクオフ気分が優勢であり、株安ドル高の傾向でした。

但しドル円は、一時150円台後半まで上がりましたが、さすがに介入警戒感などもあり、ドル買いの勢いは長続きしませんでした。

コモディティ市場では、金・銀・銅が小動き、WTIは4%安、天然ガスが+18%。イスラエル沖で生産された天然ガスの一部は、エジプトでLNG化されて欧州にも供給されていましたが、供給不安が広がっています。

9月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年比で+3.4%と、3カ月連続で同じ数値。コア指数は+3.7%で、前月比では0.3%の上昇と予想通りでした。

Fedwatchによる11月FOMC予想は、金利据え置きが99.9%で、今年最終の12月FOMCでは、利上げ予想が20%。

大勢としては、利上げ打ち止め観測が支配的です。

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October 15, 2023

今週の相場(10/13時点)

今週のS&P500は+0.4%、NASDAQは0.2%安、日経平均は先週の下落の反動で+4.3%。

米長期金利は4.8%→4.6%に低下、ドルインデックスは106.1→106.7、ドル円は149円29銭→同59銭。

米金利低下でドル高という、最近では珍しい反応だったのは、リスクオフ心理による避難需要が現れたものと解されます。

コモディティ市場では、金と銀が5%高で銅が2%安。WTIは6%高。

イスラエルがガザ地区への地上戦を計画しており、サウジがイスラエルとの国交正常化交渉を凍結と報道され、原油価格は上昇しました。

注目された米9月CPIは、+3.7%と、8月と同じ水準だったものの、市場予想の3.6%よりは上でした。
コアCPIは、前年比+4.1%と8月の+4.3%から鈍化したものの、CPIの3分の1以上を占める住居費が、8月の+3.6%から+7.2%と加速していたことは驚きを持って受け止められました。

確実なインフレ鈍化を期待していた市場からすると、やや期待外れの結果であり、米長期金利は一時4.7%に迫る上昇で、インフレのしつこさを再認識させられた格好です。

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October 08, 2023

今週の相場(10/6時点)

今週のS&P500は+0.5%、NASDAQは+1.6%、日経平均は2.7%安。利益が乗っている日本株は、売られやすい状況です。

米長期金利は4.58%→4.8%に上昇、ドルインデックスは106.2→106.1とほぼ横ばい、ドル円は149円37→同29銭と同じくほぼ横ばい。金利高でも、ドル円の上値が重い印象です。

コモディティ市場では、金が1%安、銀と銅が3%安、WTIは9%安。金利高でもゴールドが下げ渋り、原油は最近の上昇の反動で下がりました。

9月雇用統計は、雇用者数が前月比で33万6000人増、7月と8月は合計で11万9000人の上方修正と予想以上の増加。

但し内訳を見ると、直近3か月合計でフルタイムが692千人減り、パートタイムが1155千人増加と、パートタイムの増加に支えられた数字です。

また失業率は横ばいの3.8%で、平均時給は前年同月比の上昇率が4.15%と、8月の4.25%から鈍化しました。

労働参加率は62.8%で前月と同じですが、雇用者数が多いということは、働きたい人や働かざるを得ない人が増えてきたということでもあります。

米長期的金利は、4.85%まで上昇した後、一時は4.7%台半ばまで上げ幅を縮めました。株式は、金利上昇が上限に近づいたと思っているのか、金利上昇は景気が強いのだから株は買いと思っているのか、これまでの金利高株安とは少し違う動きが見られます。

金曜日、金利上昇にも関わらず、金(ゴールド)はプラスと、こちらも底堅い様子でした。

11月FOMCでの利上げ予想は、先週の18%から27%に上昇していますが、米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は6日、「このところの国債利回りの上昇はFRBに代わってある程度の仕事をしているため、われわれが一段の行動をとる必要性は薄れている」と語っています。

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October 01, 2023

今週の相場(9/29時点)

今週のS&P500は0.7%安、NASDAQはほぼ変わらず、日経平均は1.7%安。

米長期金利は4.44%→4.58%に上昇、ドルインデックスも105.6→106.2、ドル円は148円36銭→149円37銭と、またまた米金利高でドル高でした。

コモディティ市場では、金が4%安、銀が6%安と、金銀が金利高に耐えられずに下落した一方、WTIは+1%と高止まり傾向です。

金曜発表のコアPCEは、前年比+3.9%と、前月の+4.3%から減速し、2021年6月以降で初めて4%を下回りました。また前月比では+0.1%と、前月の+0.2%から鈍化しています。

また米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、インフレ圧力は依然として高いものの、目標の2%に向かって戻りつつあることから、FRBは利上げを終了する可能性があると述べており、FedWatchでは、次回11月FOMCでの金利据え置き予想が82%となっています。

なお、週間新規失業保険申請者数は20万4000件と予想を下回っており、物価は落ち着きつつあるが、人手不足感は解消していない、そして原油高がインフレ圧力として存在しているといった概況かと思われます。

価格が上がれば生産が増えるのは当然で、テキサス州でのシェールオイル生産が過去最高に急増し、米国の原油生産は7月、過去2番目の高水準に達したと報道されています。

個人的には、シェールの更なる増産が原油価格上昇を食い止めてくれることを期待します。

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September 24, 2023

今週の相場(9/22時点)

今週のS&P500は2.9%安、NASDAQは3.6%安、日経平均は3.4%安。日米ともに大き目の調整となり、日経平均は、先週の+2.8%を全て吐き出した格好となりました。

米長期金利は4.34%→4.44%に上昇、ドルインデックスも105.3→105.6、ドル円は147円80銭→148円36銭と、米金利高でドル高でした。

FOMCは予想どおり金利据え置きでしたが、内容はタカ派的と判断されました。

いわゆるドットチャートの平均値では、2024年の利下げ幅が、前回6月時の1.0%から0.5%に縮小。また、コアPCEの予想値は、今年の3.7%から来年は2.6%。

即ち、インフレ率は1.1%改善するのに、FFレートは0.5%の下げですから、来年の実質金利は今年よりも高い「利上げ」ということになり、株価には逆風でした。

週間での新規失業保険申請件数が20万1000件と、前週の22万1000件から2万件減少し、1月以来の低水準となったことも、「良いニュースは悪いニュース」となり、金利の高止まりと株安を後押ししました。

ここまで米長期金利が上がってくると、長期債への買い需要が出てくるはずという見方もありますが、むしろ短期債やMMFで5%以上の金利収入を期待する方が安全という考え方が今のところ支配的かと思われます。

私も一時「TLT」を保有していましたが、底が見えないため、今は控えています。

FedWatchでは、年内にもう1回利上げのあるとの予想が、先週の39%から45%に上昇しましたが、いまだ過半数は至りません。

英中銀が、ほぼ2年ぶりに利上げを中断したことは、サプライズと受け止められましたが、1票差の僅差での決定でした。

コモディティ市場では、金は変わらず、銀は+2%、銅は3%安、WTIは0.5%安とマチマチです。銅価格の低迷は中国景気への懸念が払拭されないことの反映かと思います。

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